home

ミステリの祭典

login
take5さんの登録情報
平均点:6.61点 書評数:397件

プロフィール| 書評

No.117 6点 9の扉 リレー短編集
アンソロジー(出版社編)
(2018/10/15 22:41登録)
収録:『くしゅん』北村薫→
『まよい猫』法月綸太郎→
『キラキラコウモリ』殊能将之→
『ブラックジョーク』鳥飼否宇→
『バッド・テイスト』麻耶雄嵩→
『依存のお茶会』竹本健治→
『帳尻』貫井徳郎→
『母ちゃん、おれだよ、おれおれ』歌野晶午→
『さくら日和』辻村深月。

お題を出し合いリレーして書かれている短編集。
それぞれの作家さんらしさがよく出ているのですが、やはりラストのさくら日和が全体を調和させる名作と感じました。(細かい設定に難はありますが人物がよく描かれています。)


No.116 6点 死と砂時計
鳥飼否宇
(2018/10/14 21:14登録)
異国情緒を満喫できる不思議な作品。
一話ずつの情景がよく描かれています。
最後はちょっと力業でしょうか。


No.115 6点 激走 福岡国際マラソン 42.195キロの謎
鳥飼否宇
(2018/10/07 09:53登録)
深みにたどり着く必要のない
スポーツミステリーですが、
最後に気持ちよく終わるし
詠む甲斐ありました。
サクッと二時間程度で楽しめました。
少しだけ叙述トリックです。


No.114 6点 獄門島
横溝正史
(2018/09/24 08:59登録)
戦争の影響が残る時代背景と
インシュラリズムばりばりの島の様子という
雰囲気を楽しめました。
特に『きち◯い』を巡る金田一の考察に唸らされました。
…で、6点なのは、やはりこちらの側がミステリーの刺激に馴れてしまったのでしょうか。


No.113 7点 カササギたちの四季
道尾秀介
(2018/09/17 18:06登録)
4章からなる連作
春の章がかなり出来か良くないと思ったのですが、
夏、秋とうまく繋げて、冬で大団円です。
春だけ掲載誌が違うのは何かあったのでしょうか?
主人公の事件に対する推理がめちゃくちゃで、
相方がフォローを入れながら正しく解くというのは、
見た目より難しい構成ではないでしょうか。
最終章で、更に一捻りあるのですが余計に
コメディタッチである事が効いてきます。
救われる話がやはり好きなのだと実感しました。


No.112 7点 掏摸[スリ]
中村文則
(2018/09/16 15:11登録)
登場人物が必死に生きているところが
伝わります。
外国で翻訳されて人気と聞きましたが、
裏社会を描いただけではない普遍性を
感じるのでそれも納得です。
200ページ足らずでこのでき。


No.111 5点 迷宮
中村文則
(2018/09/15 17:30登録)
人間の内面を描こうとして、
それほど深みにたどり着けなかったという感じ。
何故なら登場人物の夫婦の歪みに無理があるからです。


No.110 5点 私の男
桜庭一樹
(2018/09/15 16:11登録)
直木賞作品
叙述でさかのぼる二人の関係、
かつて幾つかの店を持っていた人物が主人公にやられるところが私の中の見所でした。


No.109 4点 百舌の叫ぶ夜
逢坂剛
(2018/09/09 17:43登録)
なぜでしょう?
びっくりもしなかったし、
人間が書けているとも思えなかったのです。
皆さんの高評価に対して申し訳ないです。
警察機構についても他のものでもっと詳しく
ありますし。


No.108 5点 湖底のまつり
泡坂妻夫
(2018/09/03 06:01登録)
普通は(物語に入って一人称として感じるところとすれば)ばれます。
しかし叙述トリックなので騙されます。というか気づかないのです。
という男女の有り様を描いた作品。300ページ足らずよくまとまっています。


No.107 8点 刑事のまなざし
薬丸岳
(2018/08/24 21:17登録)
短編集としては最高峰の密度です。
これだけ人間を深く描きながらミステリーするのは、
筆者の技量ならびに熱意の賜物かと思います。
主人公が登場人物を励ます言葉に、
読者である私も踏ん張らなくてはと励まされました。
世の中色々あるんだ、でも…と、
人の弱さや切なさの先にある優しさが沁みます。


No.106 5点 倒錯のロンド
折原一
(2018/08/22 17:21登録)
叙述トリックは、読み終わった時に読者が
読者論に起因する偏見の内省なり、
霧が晴れるような爽快感なりを
さりげない筆者の文体から感じ入る物が上等と考えますが、
これは騙すぞーが強すぎて…
文中に登場するアイリッシュやバリンジャーの作品の方が好みです。


No.105 6点 フィッシュストーリー
伊坂幸太郎
(2018/08/21 23:59登録)
色々な作品の登場人物と少しずつ重なる
ところで親しみをもちながら読める短編集。
しかし多くの長編に比べて、印象は薄く、
やはり短編の名手は別にいると言わざるを得ません。
4作品中、表題作品が時間を前後させて話をつなぐ物です。
同様の展開では、別の著者による物を推す方多数でしょうか、
むしろ最終作品『ポテチ』が直球で心に残りました。


No.104 8点 重力ピエロ
伊坂幸太郎
(2018/08/19 18:20登録)
家族を考える大きな幹に、
人類の系譜、二重螺旋構造、
ガンジー、バタイユ…という
繊細かつ躍動する枝葉が伸びる大木小説、
それらが決して重厚ではなく、
一見軽く書かれている事が、
読み進める手を一層速めます。
一気読み。


No.103 6点 片眼の猿
道尾秀介
(2018/08/19 00:49登録)
ネタバレでしょうか


冒頭挿入される犬のくだりがあざといミスリードだとか、
読み返すと軽さが目立つ文体だとか、
確かにその通りなのですが、
登場人物に対する読者の思い込みを喚起しているのだとしたら、
それらは成功したと言って良いのではないでしょうか。
私の中では、その最高峰が『赤毛の男の妻』なのですが。



No.102 5点 連城三紀彦レジェンド2
連城三紀彦
(2018/08/12 11:06登録)
綾辻、伊坂、小野、米澤四氏が選んだアンソロジーです。有名作品に掲載されている物から選ばれています。
各作品に対する四氏のコメントがあるのが面白いですが、特に珍しい作品がある訳ではありません。
ぼくを見つけて
菊の塵
ゴーストトレイン
白蘭
他人たち
夜の自画像
以上収録されています。


No.101 5点 913号室の謎
コーネル・ウールリッチ
(2018/08/09 12:02登録)
ウィリアム・アイリッシュのコーネル名義の作品
フーダニット物ですが、途中までホテルの住人がよく書けているなあ
と思っていたらエンディングがからくり物で少し残念。
でも80ページ位ならまあ楽しめました。
世界ミステリー全集4巻目に幻の女、死者との結婚、と一緒に掲載されています。


No.100 7点 死者との結婚
ウィリアム・アイリッシュ
(2018/08/09 11:48登録)
40年近く前の世界ミステリー全集で読みました。
幻の女も掲載されていますが既読なので、
死者との結婚を目当てに借りました。
ウィリアムアイリッシュ(と訳者)は、
やはり文体が素敵ですね。
設定は古いですが、情景描写が読ませます。
人間は弱い、
その葛藤が女性主人公のみならず脇役からも感じます。
タイトルの死者との結婚とは、文字通りの意味を越えて、エンディング後も作品に生きる大変合っている物です。


No.99 7点 変調二人羽織
連城三紀彦
(2018/08/05 12:21登録)
連城節炸裂、成る程!と唸る短編集。
40年近く前、初期の作品なのですが文章がとにかく練られています。
最後の作品、依子の日記は反転が鮮やか、恐れ入る出来栄えです。


No.98 6点 グラスホッパー
伊坂幸太郎
(2018/08/04 22:15登録)
ミステリーの定義は人によりけりでしょうから、
あえてこの本がミステリーの代表的な作品とは申しません。
しかし、リーダビリティが高くカットバックも冴え、
読みやすい事この上ないです。
最後に全ての人生が交錯しますが、ここがもう少し意味が出てくると良かったです。

397中の書評を表示しています 281 - 300