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ミステリの祭典

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take5さんの登録情報
平均点:6.59点 書評数:365件

プロフィール| 書評

No.185 6点 沈黙のパレード
東野圭吾
(2022/05/01 16:30登録)
湯川の台詞、(容疑者Xを引き合いにした)
犯人を糾弾するだけをしにきた訳ではない、
これを見て私が思ってしまうのは、
いやいや、糾弾の結果悲劇が起こるなら、
それも犯罪に付随する悲しい宿命で、
そっちがリアルでしょうという事です。
ラストの致命傷か否かのくだりも、
変に救いをもたらそうとしていていらないかと。
何方かが書いていらっしゃいましたが、
映像化への伏線が多分に見られます。
ただし読みやすい事請け合います。


No.184 6点 カッティング・エッジ
ジェフリー・ディーヴァー
(2022/04/13 17:53登録)
14弾ともなるとさすがに斬新さは薄れて来ますよね。
こちらが麻痺するだけですが。
読みやすいし、かつての好敵手も、おっと---
そろそろライムシリーズも大団円へ向かうのでしょうか?


No.183 7点 朝が来る
辻村深月
(2020/09/22 22:43登録)
ほぼミステリーではないですね。
自分の備忘録として書かせて頂きます。
辻村さんは相変わらず読ませます。
二児の父親として、改めて子育てについて
考えさせられました。
主人公が章で交代して、最後に交わるのですが、
途中の叙述で一瞬夫婦が恐ろしい事を---
と思ったので、ここだけミステリーです。


No.182 6点 真相
横山秀夫
(2020/08/24 15:46登録)
筆者の作品は総じて高得点に思うのですが、
他の方が書かれているように、
この短編集は少し深みに足りないという感じがします。
うまい反転や落ちていく人間がよく書けていますが、
トップ5には入らないのではないでしょうか。


No.181 6点 禁猟区
乃南アサ
(2020/08/22 12:16登録)
女性監察官沼尻いくみの活躍を描く4作品。
監察官は犯罪に手を染めた警察官を捜査する仕事です。
警察小説でも珍しい視点だったので楽しく読めました。
最後の『見つめないで』が一番ミステリーっぽいです。


No.180 6点 紙の月
角田光代
(2020/07/12 01:28登録)
三時間半、お風呂で一気読みしました。
個人の抱える悩み、些細なボタンの掛け違い、
それらが必然の破綻に向かって疾走する様に、
筆力を感じます。
買い物欲の考察を聞いた事があるのですが、
女性筆者ならではの緻密な描写です。


No.179 6点 太陽の坐る場所
辻村深月
(2020/06/07 23:49登録)
辻村深月さんの作品は、
登場人物が自意識過剰で、
読者も身に積まされるんですよね。
学生時代!って感じが男にも分かります。
作中に古事記やティファニーで朝食をが出てきて、
作者の山梨県でしたか、その頃影響を受けたものが
てんこ盛りなのかと想像します。
はじめの里見さんが伏線になっているところ、
ミステリーといえばミステリーですが、
まあ文学の側面が強いです。


No.178 6点 マリオネットの罠
赤川次郎
(2020/06/06 23:44登録)
コロナ禍後、図書館の予約本がどっさり。
これどうして借りたのだったかな?


ネタバレです。


読了後に解説を読んで、
ああ、セバスチャンシャプリゾの
シンデレラの罠か!と、
合点がいきました。
犯人で被害者で証人で、的な。
最後の犯人の語りが多弁で
いらないなあと、私見です。
多作の赤川次郎氏の作品を、
ほとんど読んだことがない私ですが、
大変読みやすくほんの二時間弱で読了。
自分の生まれた頃の作品ですが、
そんなに古くさくないのは、
おフランステイストとサイコな感じが
今でも通用するからでしょうか。


No.177 7点 水底フェスタ
辻村深月
(2020/03/27 02:03登録)
辻村深月さんは読ませます、
私の中では文章の上手な方の先鋒です。
子どもが寝たら風呂で読むのですが、
いつもうとうとしてしまって、
しかしこの作品はうとうとを越えて
中盤から加速、一度に読めました。深夜2時読了。
恋愛慣れしていない青年の話と、
閉鎖的社会の二重構造。
何が本当か青年目線で語られるので、
余計分かりにくくなっていてよいです。
血液型のくだりだけ安直だなぁと。
それがなければ8点です。


No.176 6点 ダークルーム
近藤史恵
(2020/02/23 22:50登録)
短編集です。
ダークルームは写真の暗室の事です。
本のタイトルになっていますが、
個人的にはラストの北緯60度の恋が一番です。


No.175 7点 凍りのくじら
辻村深月
(2020/02/04 22:17登録)
先達書評の皆さん厳しいですね。
広義のミステリーSFで良いのではないでしょうか。
少し不思議(SF)であるばかりでなく、
人間の物の捉え方を解きほぐすのは、
ミステリーの解答のような物でしょう。
私は登場人物に少しSukoshi清閑さFreshnessを感じました。
ドラえもんは偉大な漫画です。


No.174 6点 リアルフェイス
知念実希人
(2020/01/23 00:07登録)
前の方がおっしゃる通りすらすら読めます。
お風呂で一気読み。
400ページ無いですし、キャラも立っていてよいです。
天才肌の整形外科医の言動は、
よく読めば的を射ており、決して軽すぎません。
やはりこういうタイプはハッピーエンドがいいですね。


No.173 8点 黒い画集
松本清張
(2019/12/31 07:28登録)
人間は脆くて危うい存在ですね。
市井の人が落ちていく様は、
単にその人物だけでなく読み手自身をも
振り返らせて寒気がします。
遭難の心理戦、紐の謎解き、
見所満載です。


No.172 7点 張込み
松本清張
(2019/12/15 23:57登録)
新潮社で読む方が多いようですが、
私は光文社です。
収録作品が違いますが、いずれも人間の欲望や浅ましさがよく描かれています。
考古学や戦国時代の歴史に造形が深い作者ですが、
今の時代に十分通用する話です。


No.171 7点 平成ストライク
アンソロジー(国内編集者)
(2019/12/07 22:36登録)
平成の出来事と絡めた話が9編
平成という言葉を聞いて感傷的になっちゃってる自分を照れくさく感じる人たちに…
という遊井かなめさんの前書きから始まります。
尼崎列車事故、炎上、ネグレクトと、
フィクションとノンフィクションの合間をいくような作品。
千澤のり子さんの作品が叙述に凝っていたのでミステリー登録してみました。乾くるみさんや井上夢人さんも書いています。


No.170 5点 空飛ぶ馬
北村薫
(2019/11/24 21:11登録)
砂糖が一番分かりやすいので人気なのでしょう。
円紫さんシリーズでは二作目の方がいい出来と感じます。


No.169 7点 希望荘
宮部みゆき
(2019/11/16 23:54登録)
今3/4読み終わりました。
短編集ですが杉村シリーズは
長編をかつて読んだのを忘れていました。
前を知らなくても変わらない良作です。
希望荘は2話目のタイトルで、
選ばれたのが皮肉にも必然にも感じられます。
さあ残り1話、宮部みゆきが東日本大震災を
どう扱うか楽しみです。


No.168 7点 渡された場面
松本清張
(2019/10/21 13:12登録)
300ページ
盗作、文壇の価値観、二股、色々な要素をぶっこんでこの量で書ききるのはさすが清張。
真の犯人とどう繋げるか、スピード感がよく、二時間で読めました。


No.167 5点 放課後
東野圭吾
(2019/10/07 22:54登録)
ミステリーとしてトリックが幾重にも張り巡らされていて、
女子高生の描写も当時としては頑張っていたのでしょうか、チープな感じは否めないですが。
とにかく上記の二つが妙に混じってないのです(主観ですすみません)。
読んでいてすっきり進まないので、東野圭吾さんはやはり西暦2000年位を越えて熟成した作家さんと感じました。


No.166 6点 ゼロの焦点
松本清張
(2019/09/25 21:15登録)
最近の名作と比べると、ミステリーとしとは、やはり衝撃は弱いですね。
しかし文化的推理小説史的価値に変わりはありません。
松本清張が(あえていう)裏日本を書くと、荒々しい波の厳しさまで目にうかぶようです。
戦後日本の混乱期を描いたやはりこの作品も社会派!と言っていいと思います。

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