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ミステリの祭典

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kanamoriさんの登録情報
平均点:5.89点 書評数:2431件

プロフィール| 書評

No.651 6点 死だけが私の贈り物
小泉喜美子
(2010/07/05 18:01登録)
著者最後の長編ミステリ。
目次の章題が、第一章の「幻」以下「花嫁」「喪服」「天使」「死者」「暁」となっていて、献辞が捧げられていることもあって、読む前からウールリッチへのオマージュ作品であることは明白です。
物語も「黒衣の花嫁」のプロットを踏襲した、元有名女優の復讐譚を淡々と描きながら、最終章でヒネリを入れています。
いかにも作者らしい洒落た趣向は、主役の元女優をはじめとして、被害者たちと探偵役の若手刑事以外は、主要登場人物の名前が一切表記されていないところでしょうか。


No.650 6点 ウィンブルドン
ラッセル・ブラッドン
(2010/07/04 21:57登録)
ウィンブルドン大会男子シングルス決勝を舞台にした変形のデッドリミット・サスペンス。
30年以上前に出版された小説で、後発の作品と比べればサスペンスの技巧に不満もありますが、青春小説、友情物語として楽しめました。
序盤、後にセンターコートでファイナルを戦うことになる二人のテニスプレーヤーの出会いから友情を育む場面、特に亡命した17歳のソ連青年プレーヤーの造形が秀逸で、クライマックスの最終セットの行動に結びつく伏線にもなっています。
一方、犯罪者グループと警察の頭脳戦はサスペンスに欠け、BBC放送の仕掛けたトリックもあまり活きていないので、コンゲーム風のスリリングな展開を期待していただけに、少々不満が残りました。


No.649 6点 剣と薔薇の夏
戸松淳矩
(2010/07/04 18:03登録)
19世紀のニューヨークを舞台に渡米した日本使節団が巻き込まれる事件を描いた歴史ミステリ大作。
当時の米国の情景・風俗をこれでもかというぐらい詳細精緻に書き込んでいて、作者の力の入れ様がよく分かりますが、そちらに重点が置かれた分、ミステリとしての面白味に欠けるきらいがあります。
米国人の新聞記者を主人公格に据えたのも感情移入できなかった要因だと思います。


No.648 4点 名探偵は最終局に謎を解く
戸松淳矩
(2010/07/04 18:03登録)
東京の下町を舞台に高校生探偵団の活躍を描くシリーズ第3作。
前2作は70年代に出たソノラマ文庫の復刊でしたが、本書は当初は別の主人公の作品だったものを、当シリーズものに改変したもののようです。
ミステリ度は薄めで、前2作と比べると出来は落ちますが、下町ものとしては楽しめました。


No.647 5点 名探偵は九回裏に謎を解く
戸松淳矩
(2010/07/04 18:03登録)
東京の下町を舞台に高校生たちの探偵譚を描くシリーズ第2作。
前回の相撲部屋に続き、今回は高校野球を題材にしています。
事件が次々と発生するのは前作同様のパターンで、ホワイダニットを志向していますが、この動機はちょっと無理があるように思います。


No.646 6点 名探偵は千秋楽に謎を解く
戸松淳矩
(2010/07/04 18:03登録)
浅草近辺の下町を舞台にした中高校生向けの本格ミステリ。
いかにも古き良き時代のジュヴナイルという感じで、下町情緒が心地よい。
内容自体は、次々と事件が発生する形式がちょっと整理不足の感じを受けましたが、それが持ち味かもしれません。


No.645 6点 手焼き煎餅の密室
谷原秋桜子
(2010/07/04 17:13登録)
激アルバイター・美波シリーズの連作短編集。
番外編というか長編3作の前日譚で、5編収録されています。
意外な人物が出てきたりしてシリーズを通して読んできた人には楽しめる内容ではと思います。
なかでは、「回る寿司」が日常の謎タイプの秀作でした。


No.644 4点 砂の城の殺人
谷原秋桜子
(2010/07/04 17:13登録)
激アルバイター・美波シリーズの第3作。
前2作の復刊が好評?で、久々に書き下ろしされたようです。
複数探偵ものの様相で、廃墟での死体発見からちょっと複雑な物語の構成になっていますが、やはりトリックがイマイチです。


No.643 5点 龍の館の秘密
谷原秋桜子
(2010/07/04 17:13登録)
激アルバイター・美波シリーズの第2作。
若干単調だった前作に比べて、仕掛けのある館もので本格度は高め。しかし、トリックはあまり感心できませんでした。


No.642 5点 天使が開けた密室
谷原秋桜子
(2010/07/04 17:13登録)
激アルバイター・美波シリーズの第1作。
中高校生向けのラノベで、アルバイト先で不可解な事件に遭遇というのがパターン。きっちり本格ミステリしていますが、第1作のため人物関係の説明に多くページを割いているのが物足りない。


No.641 6点 朱漆の壁に血がしたたる
都筑道夫
(2010/07/03 21:52登録)
ものぐさ探偵・物部太郎シリーズの第3作。
マンネリ感もあると思いますが、ロジック重視が弊害のようになって、ストーリーがあまり魅力あるものに感じられなかった。
氏の作品はロジックよりプロットを重視した作品のほうが、嗜好に合うようです。


No.640 6点 最長不倒距離
都筑道夫
(2010/07/03 21:45登録)
ものぐさ探偵・物部太郎シリーズの第2作。
冒頭で、核となる不可解な事象をフラッシュバック方式で提示して、読者を引き込む手法は巧い。
ロジック好きにはある程度評価されると思いますが、個人的には”ロジックよりプロット”かな。


No.639 7点 七十五羽の烏
都筑道夫
(2010/07/03 21:31登録)
ものぐさ探偵・物部太郎シリーズの第1作。
「黄色い部屋はいかに改装されたか」にて自身が提唱した”トリックよりロジック”を忠実に実践した、純粋にロジック中心の本格ミステリ。
色々な不可解な謎や伏線が最後にキッチリ回収される様はさすがですが、物語としては味気ない気もする。


No.638 6点 名探偵もどき
都筑道夫
(2010/07/03 21:19登録)
ある旦那がふとしたことから古今東西の名探偵になりきってしまうという連作短編集。
アイデアは面白いですが、事件そのものの解決が平凡。設定をうまく活かしきっていない感じです。


No.637 6点 くわえ煙草で死にたい
都筑道夫
(2010/07/03 21:05登録)
私立探偵・西連寺剛シリーズのハードボイルド連作短編集。
出版社によって出す順序が異なるようですが、本書がシリーズ第1作です。
たしかに一人称形式で探偵の行動を追っていく構成ですが、本場のハードボイルドとは違うテイストを感じてしまいます。


No.636 6点 暗殺心
都筑道夫
(2010/07/03 20:54登録)
架空の東洋の国を舞台にしたファンタジー色が強いアクション小説の連作短編集。
いわば「十二国記」の世界で、山風の忍法帖を読むテイストで、主人公格の刺客・鹿毛里に対峙する敵の技は忍法帖と非常にダブります。


No.635 7点 誘拐作戦
都筑道夫
(2010/07/03 20:38登録)
長編ミステリの4作目。
過去3作は、いずれも叙述方法にユニークな工夫を凝らした作品でしたが、本書も二人の誘拐犯人が交互に犯行過程を綴っていく体裁をとっています。
軽妙なユーモアと先の読めないプロットで読者を煙に巻きながら、ラストでの反転がきれいに決まっています。


No.634 7点 猫の舌に釘をうて
都筑道夫
(2010/07/03 20:38登録)
著者のミステリとしては第2作。
主人公・淡路瑛一(=作者がミステリ作家としてデビュー前に使っていたペンネーム)が、探偵=犯人=被害者の一人三役となる構成の妙が有名な作品で、本自体にも仕掛けがある前衛的ミステリ。
物語そのものは平凡ですが、発表年次を考えると、この先駆的アイデアはすばらしい。


No.633 6点 やぶにらみの時計
都筑道夫
(2010/07/03 20:38登録)
著者が初めて書いた長編ミステリ。
泥酔して目覚めると周りから別人扱いされる主人公の自分探し、という設定自体はありふれていますが、全篇にわたって主人公の行動を二人称の「きみ」で押し通す語り口が洒落ている。
結末にサプライズを用意している訳でもなく、あくまでも軽妙なプロットを楽しむタイプのミステリ。


No.632 6点 福家警部補の再訪
大倉崇裕
(2010/07/03 16:41登録)
女性警部補・福家シリーズの連作倒叙ミステリ第2弾。
探偵役の多彩な趣味は前作からのお約束で、犯人たちのバラエテイに富んだ人物造形も面白い。
なかでは、「マックス号事件」が一番印象に残りました。

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