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ミステリの祭典

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朱漆の壁に血がしたたる
物部太郎三部作

作家 都筑道夫
出版日1977年12月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 5点 nukkam
(2019/07/10 21:41登録)
(ネタバレなしです) 1977年発表の物部太郎三部作の第3作となった本格派推理小説です。冒頭でワトソン役の片岡直次郎が密室状態の倉の中で被害者と2人きり、しかも出入口は他人が出入りしなかったとの証言でいきなり容疑者となります。この作者らしく論理を重視した謎解きなのは本来なら私の好みなのですが、密室トリックが個人的にはそんなトリックは使って欲しくなかったという魅力に欠ける真相だったので推理の面白さが半減です。文章自体は平明ですらすら読めるのですが、複雑な人間関係に難解なプロットと私のような頭脳レベルでは理解に苦労しました。最後の1行には思わずふふふっと(気味悪いな)笑ってしまいましたが。

No.2 6点 kanamori
(2010/07/03 21:52登録)
ものぐさ探偵・物部太郎シリーズの第3作。
マンネリ感もあると思いますが、ロジック重視が弊害のようになって、ストーリーがあまり魅力あるものに感じられなかった。
氏の作品はロジックよりプロットを重視した作品のほうが、嗜好に合うようです。

No.1 7点 江守森江
(2009/06/26 15:25登録)
物部太郎シリーズの三作目。
前作に少しだけ今作の前振りがある。
だからと言って読む順番は問わない。
スピーディーな展開、最後のセリフが端的に示すユーモラスな設定から、シリーズ終了が惜しまれる。
動機面の弱さ、構成の複雑さの割にあっさりした解決編にやや不満が残り残念。
それでも、光文社文庫版を読めば最後の楽しい解説?で(チョイと下品だが)ニヤリとできる。
採点は解説分で+1した。

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