| kanamoriさんの登録情報 | |
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| 平均点:5.88点 | 書評数:2516件 |
| No.996 | 7点 | 影丸極道帖 角田喜久雄 |
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(2010/08/14 15:38登録) 作者の初期の伝奇時代小説はミステリ趣向が施されているものが多いですが、本書は逆に、伝奇時代小説を装った本格ミステリといってもいいほどトリックが秀でています。 物語は、元与力の白亭と町方同心・志賀三平が、極悪怪盗・影丸と白亭の娘の誘拐事件を追う構成で、中盤はフレンチ警部ものを彷彿させる捜査小説の趣で、終盤には探偵役・白亭の推理が延々と語られた上、圧巻のどんでん返しを設定しています。 時代小説を読みなれてないと長大な物語がキツイ部分もありますが、拾いものの逸品ではあります。 |
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| No.995 | 7点 | 椿姫を見ませんか 森雅裕 |
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(2010/08/14 15:15登録) プリマ・ドンナ鮎村尋深シリーズの第1弾。 私立芸大を舞台に、絵画の贋作事件が関わる殺人事件を描いたミステリには違いありませんが、本格ミステリとしては取り立てて眼をひくトリックがあるわけではありません。 それでも面白く読めたのは、ヒロインの鮎村尋深のぶっとびぎみで非常に魅力的な人物造形につきます。昔からの友人・守泉音彦とのコンビでのやり取りなど、ストレートな恋愛ものではない微妙な関係が絶妙です。 このシリーズは徐々にミステリから離れていきますが、絶版で簡単に読めないのがもったいない名品です。 |
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| No.994 | 5点 | 疑惑の墓標 藤桂子 |
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(2010/08/14 14:38登録) 「獅子座」の菊地警部シリーズの第3作で、作者の単独名義では第1作となる社会派+本格派ミステリ。 クロフツの「製材所の秘密」に倣ったという第1部「アマチュア」、第2部「プロフェッショナル」と別れたプロットでは、第1部で探偵役の一人となるマンション管理人の生き生きした造形が面白い。 第2部で菊地ら捜査陣視点に変わり、通常の捜査小説になりますが、今作も犯人像の特異な造形が読ませます。 トリック的には、2つの「赤いトランク」の欺瞞は複雑ではあるものの効果はいまいちで、後半のアリバイ・トリックも今では陳腐になってしまいました。 |
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| No.993 | 6点 | 黄色い風土 松本清張 |
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(2010/08/12 18:17登録) 「影の地帯」などと同系統の陰謀物サスペンス大作。 雑誌記者が、ふとしたことから連続する殺人事件に巻き込まれ、事件の裏には謎の集団が、というお約束の展開です。 シリアスな社会性とか抒情性とかはどちらかと言うと二の次で、謎を追うサスペンスが一番の読みどころ。ご都合主義でプロットにも細かい破たんがありますが、リーダビリティは抜群でした。 |
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| No.992 | 6点 | 針の島 藤本泉 |
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(2010/08/12 18:17登録) 山形沖の日本海に浮かぶ離島を舞台にしたエゾ共和国シリーズの第3作。 当シリーズは東北の閉鎖集落ものの土俗伝奇ミステリですが、本書は、ダイイング・メッセージや意外な殺害手段など、本格色が強い内容でした。 しかし、探偵役で事件を捜査する休暇中の新米刑事の結末での扱いを見ると、一貫して伝奇性が主体であることが分かります。 |
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| No.991 | 5点 | 死体は二度消えた 鷹見緋沙子 |
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(2010/08/12 18:17登録) 死体が消えたり現れたりするトリックはがっかりする真相ですが、主人公が調査する過程で次々と発生する不可解な事象が面白く、サスペンス+どんでん返しものとしてまあまあの出来でした。 文庫解説で、中島河太郎が作者の近況について書いている内容は今読むと白々しい(笑)。 |
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| No.990 | 6点 | 平賀源内捕物帳 久生十蘭 |
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(2010/08/12 18:17登録) 「顎十郎」と並ぶ作者のもう一つの連作捕物帳。 博識で合理的精神の持ち主・源内先生が不可解な事件を解決する全8編を収録しています。 雪中の足跡のない殺人「萩寺の女」や、同日同時刻同一人物によって江戸、大阪、長崎で殺人が起こる「長崎物語」など、突飛な謎の提示は長けています。連作後半の作品は、なぜか目明しの姪っ娘が主役になって源内が脇役になってしまうのが惜しい。 |
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| No.989 | 4点 | 宇宙大密室 都筑道夫 |
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(2010/08/12 18:16登録) 初期のSFミステリ系短編集。 表題作の「宇宙大密室」だけは、囚人用惑星を舞台にしたハウダニット&フーダニット・パズラーの佳作。 しかしながら、残りはSF寄りのコント小説とかお伽話を題材にしたSFパロディが大半で、ちょっと期待外れの内容でした。 |
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| No.988 | 7点 | 閉塞回路 海渡英祐 |
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(2010/08/11 18:50登録) ミステリ短編集。 全てアリバイ・トリックを扱った作品を収めていますが、単純なアリバイ崩しものになっていない点が素晴らしい。アリバイトリック自体をミスリードに使って、読者の予想を裏切る結末を用意している作品があったりでバラエティに富み、作者の最良の短編集だと思います。なかでは、作中作で仕掛けが秀逸な「”わたくし”は犯人」が個人的ベストです。 |
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| No.987 | 5点 | 青春迷路殺人事件 梶龍雄 |
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(2010/08/11 18:34登録) 戦前の旧制高校シリーズの系統に入る作品で、旧題は「青春迷路殺人事件」。 前3作と比べると本格パズラー的な趣向は薄めで、当時の旧制高校生たちの青春群像を描くことに力点が置かれているように思います。アリバイトリックと意外な動機がミステリをしていて、一高生と三高生の二人の探偵役が別々に行動した結果、真相に至るというプロットがちょっとユニークでした。 |
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| No.986 | 6点 | 青じろい季節 仁木悦子 |
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(2010/08/11 18:17登録) 一般人を主人公にしたハードボイルド風味のサスペンス長編。 翻訳事務所を開いている主人公が、アルバイト学生の失踪事件を追っていくうちに、もう一つの隠された事件につきあたるというストーリー。 主人公が何者かに襲われたり、真相が複雑な人間関係の闇にある点など、ロス・マクの影響があるように思います。 |
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| No.985 | 6点 | 第四の敵 山田正紀 |
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(2010/08/11 18:01登録) カフカの未発表原稿を巡る謀略系サスペンス。 著者お得意の一般人が巻き込まれる形の謀略小説で、序盤から謎の広げ方が巧みで、ヒトラーとの関係など壮大なスケールの物語を予感させましたが、結末はいささか尻すぼみの感じを受けます。 タイトルの”第四の敵”の正体は、時代性を感じさせるもののなかなか意外ではありました。 |
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| No.984 | 6点 | 超人探偵 小林信彦 |
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(2010/08/11 17:44登録) 名探偵・神野推理氏シリーズ第2弾。 前作同様にパロディ精神にあふれた連作短編集ですが、前作は本格ミステリとしても充分読めるトリックを駆使していたように思いますが、本書は本格ミステリ自体をパロディのネタにしていて、東野圭吾「名探偵の掟」と同タイプのアンチ趣向が顕著な作品集という印象です。 |
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| No.983 | 6点 | 紳士同盟ふたたび 小林信彦 |
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(2010/08/10 21:12登録) 「紳士同盟」から4年、再び金に困った面々が元天才詐欺師の老人のもとに再集結。 ”単に金を奪うだけではダメ、被害者にも喜んでもらう”、というコンゲーム道のモットーに則り、今回は贋作詐欺で騙すことに。 前作同様、ユーモアとスマートな手口が読ませます。 |
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| No.982 | 7点 | 唐獅子株式会社 小林信彦 |
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(2010/08/10 20:31登録) ヤクザの親分が引き起こすドタバタ連作短編集。 任侠道を捨てて次々と流行ものを追いかける親分と、いやいや命令に従う常識人の配下の者とのやり取りが絶妙で、次々と笑いを誘います。 全然ミステリではないが、パロデイ&ギャグ満載のエンタテイメント短編集でオススメです。 |
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| No.981 | 6点 | 神野推理氏の華麗な冒険 小林信彦 |
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(2010/08/10 20:13登録) 名探偵もの本格ミステリ連作短編集。 旧来の本格ミステリをちゃかしたパロデイで、鬼面警部&旦那刑事も脇役で登場しますが、単に笑いを得るためのパロデイではなく、きっちりとしたトリックを敷いている点が評価出来ると思います。 「”降りられんと急行”の殺人」「抗争の死角」などタイトルもしゃれています。 |
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| No.980 | 7点 | 大統領の晩餐 小林信彦 |
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(2010/08/10 19:57登録) 怪人オヨヨ大統領シリーズ第5弾。 前作の「密使」では影の黒幕だった大統領が、宿命のライヴァル・鬼面警部&旦那刑事と因縁の対決(笑)。 例によって、パロデイ&ナンセンス・ギャグに料理道のウンチク満載の陰謀ミステリです。今回は配下のでこぼこコンビのドタバタ劇で笑わせてくれます。 |
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| No.979 | 8点 | 大統領の密使 小林信彦 |
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(2010/08/10 18:51登録) 怪人オヨヨ大統領シリーズの第4弾。 一応、巻き込まれ型の謀略系ミステリの恰好をとっていますが、パロデイとナンセンス・ギャグに溢れたハチャメチャな娯楽小説。 とは言っても、プロット全体に先駆的な仕掛けが施されており、「SRの会」が選んだその年のミステリ第1位作品でもあります。 さすがに、時代を風刺したパロデイは現在では意味不明なものも多いのが残念。主人公の深夜ラジオ人気DJ・今似見手郎といっても誰のパロデイか分からない。神出鬼没の「青木の奥さん」は、たぶん亜愛一郎シリーズの謎の老婦人の元ネタでしょう。 |
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| No.978 | 5点 | スリープ 乾くるみ |
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(2010/08/10 18:18登録) 「リピート」は過去への時間移動でしたが、今回は、天才的女子中学生が冷凍催眠によって30年後の未来で覚醒するというSF設定の「物語」。「夏への扉」風のプロットでソッチ系のSFを思わせますが、実はアッチ系のSFだったという仕掛けのミステリでした。 時間移動のシステムなど理系方面の説明が難解で読み飛ばしましたが、一応伏線でもあったとわかります。 |
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| No.977 | 6点 | 三人の名探偵のための事件 レオ・ブルース |
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(2010/08/10 18:00登録) ビーフ巡査部長シリーズ第1作。 ピーター・ウィムジイ卿、エルキュール・ポアロ、ブラウン神父をパロッた3人の名探偵が密室殺人に挑むという内容。 多分にバークリーを意識したように思えるプロットですが、それほど弾けた展開を見せてくれる訳ではありませんし、パロデイとしても中途半端な印象です。 ただ、多重解決もののパズラーとしては、まずまず面白かった。 |
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