まさむねさんの登録情報 | |
---|---|
平均点:5.88点 | 書評数:1269件 |
No.29 | 5点 | 花と流れ星 道尾秀介 |
(2010/03/21 10:40登録) どの短編も決して悪くはないのだが,作者の他の長編に比べればキレもパンチ力も物足りない。 「流れ星のつくり方」は,作者らしさを感じたが。やはり「少年主人公モノ」に長けているのでしょうか? |
No.28 | 6点 | 深追い 横山秀夫 |
(2010/03/19 21:03登録) お得意の県警+個人心理+短編モノ。 地味で渋い短編ぞろいだが,すべての作品が平均点を軽くクリア。この安心感というか安定感はすごい。 |
No.27 | 5点 | ジーン・ワルツ 海堂尊 |
(2010/03/18 20:42登録) 唯一といってもよいミステリー的要素の「答え」はすぐに察しがつく。ミステリーの色合いは相当に弱い。 しかし,さすが現役医師の作家らしく,非常にトピックでかつ国民的に関心が高いテーマについて,専門的知識をうまく織り込みながら構成されており,純粋にためになったし,楽しめた。 ロジカルな議論で相手を打ちのめすシーンとか,司法や某省庁をけちょんけちょんに書き落とす「海堂節」は,かなり食傷気味なのですが…まあそれはそれで。 |
No.26 | 6点 | 犬はどこだ 米澤穂信 |
(2010/03/08 21:30登録) 基本的に探偵と助手の2視点での一人称ですが,何ら違和感なく入り込めます。(まあ,読者としては両視点での情報を入手しているだけに、「互いに報告しとけよ」っていうもどかしさもあるでしょうが…)また,時折織り込まれている,チャットやログなどの「電子的文章」がいいアクセントになっており,素直に読み進めやすいですね。 後半~ラストは,好みの問題もあると思いますが,私は「余韻」というよりも,やや中途半端なイメージが残りました。 しかし,各キャラクターがなかなか魅力的で,純粋に楽しめます。シリーズ化が楽しみ。 |
No.25 | 7点 | 動機 横山秀夫 |
(2010/03/05 21:41登録) さすが短編の名手。内面の葛藤を描く巧みさには脱帽です。 よかった順に,逆転の夏⇒動機⇒密室の人⇒ネタ元 でした。 特に「逆転の夏」は,横山氏にしては珍しく(?),「職業人」モノとは異なった視点で深みのある作品。 逆に「ネタ元」は標準レベルかな?ということで,総合的にこの採点となりました。 |
No.24 | 5点 | そして名探偵は生まれた 歌野晶午 |
(2010/03/01 23:07登録) 4つの中短編。作品ごとに差がありすぎ(?)と感じたため,採点は控えめになりました。 よかった順に書評を。(一部ネタバレあり) ①「生存者、一名」 スリルもあり,「なるほど」と思わせる箇所もあり,超良作。中編でここまで表現できるのは素晴らしいのヒトコト。読後の余韻の中,「題名」について考えざるを得ないあたり,さすが歌野さん。 ②「館という名の楽園で」 結構前段階で「館」トリックが概ね分かってしまう方が多いのでは… 中編で「館モノ」にアタックした意気込みと,ラストの仕掛け(?)は買います。 ③「夏の雪、冬のサンバ」 トリックにかなり無理があると思いますが(傾きすぎ!),国際色豊かな点は悪くないかな?(まあミスリードの一部ですが) ④「そして名探偵は生まれた」 作者の「ねらい」はどこにあったのか、ややつかみかねますね。中途半端な印象が…。 |
No.23 | 8点 | 葉桜の季節に君を想うということ 歌野晶午 |
(2010/02/22 21:52登録) 例の叙述トリックのインパクトが強く(きれいに騙されました…),そこだけに目がいきがちですが,それ以外にも「歌野らしさ」が散りばめられており,楽しめました。 テーマも奥深いものがあり,非常によいですね。読み終えたあとに,改めてタイトルを噛み締めざるを得ないところもにくい。 サクッと読んで,サラッと騙され,ググッと考えさせられた,そんな印象です。 |
No.22 | 4点 | 名探偵の呪縛 東野圭吾 |
(2010/02/20 21:10登録) 作者の“本格”に対する認識を伺う意味では,おもしろい。 ただし,導入部(第1章)が冗長すぎること,「結局この数ページが書きたかったのね」と最終的に思ってしまう点がやや残念でした。 天下一探偵モノとしては,前作のほうが良ですね。 |
No.21 | 6点 | どちらかが彼女を殺した 東野圭吾 |
(2010/02/14 23:36登録) 犯人を教えてくれないってのが,面白い発想ですよね。 私の場合,そのことを知っていたので,純粋に「犯人当て」として読み進めました。もちろん,単なる犯人探しではなく,加賀刑事と被害者兄との攻防(?)も楽しめるので,そのあたりはさすがといったところですが。 (以下ネタバレ有) 犯人は「袋綴じ解説」(文庫版で読んだので…)を読後に分かったのですが,「利き腕」だけで確信していいの?別の可能性も否定しきれないのでは?(犯人以外の方が,たまたま犯行時に☆手を使ったに過ぎないとか,むしろわざと☆手を使ったのではとか)そう考えると,実は…という「もやもや感」も正直ありました。まあ,絆創膏の件もあるし,犯人はあの人なんでしょう…と自分で納得させました。 以上はさておき,小説自体が面白い試みであることには間違いないですね。 |
No.20 | 9点 | 十角館の殺人 綾辻行人 |
(2010/02/14 11:52登録) やはりあの1行は,極上級。 1点マイナスしたのは…結末に関する個人的な印象(好み)によるもののみ。限りなく10点に近い9点ということで。 |
No.19 | 7点 | 名探偵の掟 東野圭吾 |
(2010/02/11 16:04登録) 茶化し具合が本当に面白く,一気に読めてしまうのですが,読後,改めてミステリとは…そしてとそれに対する自分の心構えとは…などと考えさせられた作品でもありました。いろんな意味で,読む価値大の作品。 |
No.18 | 6点 | 看守眼 横山秀夫 |
(2010/02/11 15:23登録) 様々な職業者を主人公にすえ,その心の葛藤を描ききる技量はさすが。謎の配置加減も見事。 6つの短編のうち,私は「秘書課の男」が何気に好きですね。一番渋い作品かもしれませんが,「分かるな~」って妙に納得する作品でした。 |
No.17 | 5点 | プリズン・トリック 遠藤武文 |
(2010/02/08 22:14登録) 帯の「乱歩賞史上最高のトリックだ」という東野圭吾氏コメント(?)を見て思わず購入しました。 刑務所内での密室殺人・入れ替わりトリック・ラスト1行の試みなど,ミステリとしての要素は十分で,「志が高い」と複数の選考委員が語るのも十分に理解できます。 ただし,登場人物名のわかりにくさ・視点がコロコロ変わっていく不均一感・そしてなんと言っても最後の1行の「これって…??」感など,突っ込みどころも満載です。特に,最後の1行は読者が不条理に自問自答すること請け合い。私などは、読後に講談社が実施した「真犯人からの手紙クイズ(のようなものだったと思う)」で,ネットで公開された真犯人からの「手紙」を読み,ようやく心のつっかえが取れた次第。ラスト1行の不完全燃焼感は痛い。前半の交通刑務所の描写などは,グイグイ引き込まれたのですが…惜しい! 色々書いてしまいましたが,それでも魅力は否定できない作品。今後の作品に期待です。 |
No.16 | 4点 | 不連続の世界 恩田陸 |
(2010/02/08 21:48登録) 全ての短編について寓話的というか、感情移入しにくいというか、そんな印象を受けてしまいました。(それが魅力という考えもありますが。) 決して楽しめない作品ではなかったのですが、好みの観点から1点マイナスさせていただきます。 |
No.15 | 8点 | 制服捜査 佐々木譲 |
(2010/02/08 21:18登録) さすが佐々木譲といった作品。 川久保巡査部長の人柄と駐在警官としての葛藤が,すべての短編から染み出ている。もちろん,ミステリの要素ともうまく融合させている。 個人的には,「割れガラス」がイチオシ。川久保巡査長にこれでもかというほど感情移入できました。 |
No.14 | 5点 | 人質カノン 宮部みゆき |
(2010/02/06 21:57登録) どの短編も地味な印象はぬぐえないけれども,しつこさギリギリのメッセージ性と,これまたギリギリセーフ(?)のミステリー性を内在しており,読んで損はないであろう短編集。 飛びぬけた作品はないですけどね。個人的には「十年計画」が一番良かったかな?ミステリー度は全短編中最も低いし,最も「ベタ」なんでしょうけど,まあ,心がほんのりと温ましたよ。 |
No.13 | 2点 | イノセント・ゲリラの祝祭 海堂尊 |
(2010/02/06 18:01登録) 確かに「田口&白鳥シリーズ」なのですが,正直,作者のあまりにも直接的な主張が表に出すぎていて興醒めです。主張したい内容に反論はないのですが,読者から金と時間を奪ってやる話ではない。小説以外の別の場でも,十分に主張できるはず。 海堂ワールド(舞台やキャラの設定)は大好きなのですが…非常にもったいない気がしました。残念です。 |
No.12 | 3点 | ブラックペアン1988 海堂尊 |
(2010/02/06 17:54登録) うーん。期待はずれ。 |
No.11 | 6点 | ジェネラル・ルージュの凱旋 海堂尊 |
(2010/02/06 17:51登録) 海堂作品。読む順番は守った方が楽しめます。 特にこの作品は「ナイチンゲール~」と同時進行。 同時期に一気に読むことをお勧めします。 ミステリー性はかなり低い(というか,ミステリーと言っていいのかな?)ものの,純粋に楽しめました。 |
No.10 | 6点 | 螺鈿迷宮 海堂尊 |
(2010/02/06 17:43登録) 海堂作品。読む順番は守った方が楽しめます。 その前提で,「ナイチンゲール」以上,ニアイコール「バチスタ」といったところでしょうか。 個人的なイチオシは姫宮。これまたキャラが立ってていいですね。田口&白鳥にも引けをとらない。 海堂作品。キャラ設定に抜かりなし。 |