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ミステリの祭典

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simo10さんの登録情報
平均点:5.69点 書評数:193件

プロフィール| 書評

No.13 8点 倒錯のロンド
折原一
(2009/05/30 00:17登録)
初めてこの作品を読んだ時の印象は、「非常に面白かったがラストの目まぐるしい展開に頭が混乱してしまった」というもの。
十数年ぶりに読み返すとさすがに頭の中で整理されており混乱することもなく、しかも昔と変わらずに楽しく読めました。
やっぱりこの作者は筆力が凄いと思います。


No.12 6点 漱石と倫敦ミイラ殺人事件
島田荘司
(2009/05/27 22:51登録)
ホームズは子供の頃に少し読んで覚えていただけに、夏目漱石の語るホームズが爆笑でした。
電車で笑いをこらえるのに必死でした。
ただ、本題(?)のミイラトリックに関しては「ふ~ん」という印象なので得点は抑えました。
夏目漱石は著書を読んだことがなかったので、知っていればきっともっと楽しく読めたのでしょう。
ぜひ学校の図書館に置きたい一冊。


No.11 9点 悪意
東野圭吾
(2009/05/27 22:35登録)
--ネタばれ含みます--

全体的に抑揚を抑えた仕上げで、真相が解明された時も衝撃度はイマイチでした。
しかし、後からよくよく考えると「あれ?ひょっとして完全に騙されていたのかな?」と気づいてきました。
後からジワジワときました。
作中人物と読者両方を同時に騙す叙述トリックは見事でした。
何より文章が洗練されている。
時間が経ったらまた読んでみたい一作です。


No.10 9点 人形館の殺人
綾辻行人
(2009/05/26 12:35登録)
初めて読んだミステリがこれです。
はっきり言って強烈でした。
とにかく終始ジメジメとした雰囲気なのですが、精緻な描写によって自分がその異様な世界の中に置かれたような感じになりました。
私にとってはかなり評価の高い作品です。
(さすがに今読んでみたらイマイチだった…しかし思い出の一作ということで。)


No.9 3点 卒業−雪月花殺人ゲーム
東野圭吾
(2009/05/23 22:03登録)
初期の東野氏の作品は評価が低いとのことですが、なるほど確かに読んでいて苦痛だ。
登場人物が全く好きになれない。
互いに仲が良いと思いつつ、根のところでは実はそうでもないのはリアル。
本題の雪月花の解説は完全に流し読みでした。
とはいえ、時間が経った今もトリックはどちらもかなり印象に残っているのは凄いかも。
大幅な改訂版でも出れば見てみたいかも。


No.8 7点 出雲伝説7/8の殺人
島田荘司
(2009/05/23 21:32登録)
トラベルミステリらしく時刻表に従ったアリバイトリックです。
しかしそこは大胆な仕掛けと凄まじい猟奇的事件で、やはり島田ワールド全開です。
主要登場人物がかなり限定されており、非常に人間関係がわかり易いです。
表題の意味もなるほどの一言。


No.7 9点 斜め屋敷の犯罪
島田荘司
(2009/05/23 14:19登録)
占星術殺人に続き、ノベルズ完全改訂版が出版されていたので十数年ぶりに読みました。
物語の深みこそないが、逆に軽いタッチにより遊び心いっぱいの登場人物、トリックを描いています。
トリックは圧巻。


No.6 2点 溺れる人魚
島田荘司
(2009/05/22 23:00登録)
御手洗シリーズ。4つの短編から構成されています。

①「溺れる人魚」:ハインリヒのみで御手洗は出ません。若干のトリックあり。
②「人魚兵器」:ハインリヒと御手洗のからみです。歴史の勉強になりそうなお話。
③「耳の光る児」:同上
④「海と毒薬」:石岡君の語り。

この点数が限界です。ハインリヒも全く好きになれない。「金返せ」と思った唯一の作品です。


No.5 8点 占星術殺人事件
島田荘司
(2009/05/22 22:49登録)
十数年ぶりにノベルズ版の改訂完全版の方を読んでみました。
目次と登場人物が追加されているのが非常にありがたいです。
やはり登場人物とトリックが秀逸だよなあ。
金田一少年を知っているといきなりトリックがばれてしまうので、まだどちらも読んでいない方は読む順番に十分注意されたし。
ちなみに私は金田一を先に読んだ。
知らなかったら10点レベルの衝撃だったろうに…


No.4 7点 沈黙の教室
折原一
(2009/05/22 21:47登録)
長い話だったが、一気に読了できました。
やはりこの作家は文章の書き方がうまいなと思いました。
この作家には珍しく叙述を全面に押し出した作品ではないです。
犯人がイマイチな点、不気味な教室の真相が暴かれていない点、粛清の犯人に感情移入できない点等のせいで読後感はすっきりしないものがありました。
解決編までは10点あげてもいいぐらいの出来だっただけに最後のイマイチさが残念だったかな。


No.3 8点 殺戮にいたる病
我孫子武丸
(2009/05/22 18:10登録)
叙述モノを十年以上読んでいなかったため、気持ち良く完全に引っ掛かった。
この作品を読む直前に下手な叙述モノを読まなくて良かった。
ただ、他人に薦めづらいんだよなあ。


No.2 6点 寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁
島田荘司
(2009/05/22 18:03登録)
初めて島田荘司の社会派モノを読みました。
なるほど、社会派っぽい時刻表トリックに地味な捜査に人間関係だ。
しかし島田流の猟奇性、謎めいた現象、ドンデンで「やっぱり島田荘司だ!」と思わせる作品でした。


No.1 5点 点と線
松本清張
(2009/05/22 17:35登録)
--ネタばれ含みます--

初めて清張氏の作品を読みました。
社会派の先駆け作品ということもあり、堅苦しい作風を予想していたのですが、かなりくだけた表現も使われており非常に読みやすかったです。
4分間の空白は地味でありながら先入観につけ込む味のあるトリックだと思いました。
しかし、読み進めながらいつまでたっても「飛行機案」が出てこないので、「この時代はまだ博多と札幌には空港がないのだろうな」と思っていたら、7割以上話が進んだところでようやく刑事が飛行機案に思い至ったときは正直唖然としました。
はっきり言って、この点がせっかく良い出来の作品全体の質を落としたと思われて残念です。
飛行機のアリバイ工作もしているんだから、もっと早目に飛行機案を提示しても問題ないのにと思いました。(問題あったのかも知れませんが…)

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