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平均点:6.02点 | 書評数:208件 |
No.88 | 5点 | 解決まではあと6人 5W1H殺人事件 岡嶋二人 |
(2013/02/27 16:13登録) このどんでん返しは自分としては「ヤられた~」というよりも、「え?」と言う感じで、それほど爽快感が感じられませんでした。途中の「伏線」を漫然と見過ごした自分の読み方に問題があるのかも知れないけれど・・・。「平林貴子」の役回りも、ちょっと残念でした。 |
No.87 | 6点 | 異邦の騎士 島田荘司 |
(2013/02/17 17:56登録) 改訂愛蔵版をン十年ぶりに再読しました。前回読んだときは不覚にも涙するほど切なくなってしまったのですが、改めて読み直すと、石岡と良子の関係が「夢の中の物語」に押し込められてしまった結末は、やはり後味の良いものではないですね。これから間もない頃の事件であるはずの「占星術殺人事件」での石岡の饒舌ぶりを見るにつけ、良子との「純愛」が何だったのか、とため息をつきたくなってしまいます。とは言っても、御手洗の石岡に対する「騎士道」とも言うべき想い(「散弾銃の前に身を投げ出すのだって楽じゃなかったぜ」という御手洗の告白!)には率直に感動しました。 |
No.86 | 4点 | 99%の誘拐 岡嶋二人 |
(2013/02/16 14:30登録) 最後のダイヤモンドの行方以外、謎解き要素はほとんどなく、ミステリーというより、ハラハラ感の少ないサスペンスドラマを観ているような感じでした。これはこれとして面白いのですが、復讐のためとはいえ、自分と同じ誘拐犯罪の被害者を新たに出すことを厭わない、という犯人の心理には感情移入できないどころか、嫌悪感を抱かざるを得ず、読後感はイマイチでした。 |
No.85 | 6点 | そして扉が閉ざされた 岡嶋二人 |
(2013/02/11 17:29登録) 全体的に読みやすく、サスペンス感も十分で、読み始めたら止まらなくなって半日で読了しました。ただ、読後感は、というと、謎の根底にあるのがアレでは、ちょっと不満が残ったのも事実です。 |
No.84 | 6点 | ななつのこ 加納朋子 |
(2013/02/11 06:56登録) 個々の話での「謎解き」にはそれほどインパクトはなく、最後の「どんでん返し」的な展開も、誤解を恐れずに言うならば、「乙女チック」路線華やかりし頃の一昔前の少女漫画を彷彿とさせる感じで、それはそれでほんわかとしていて、十分楽しめました。 |
No.83 | 5点 | こめぐら 倉知淳 |
(2013/02/11 06:49登録) 「なぎなた」と同様、ミステリーとしては薄味。ただ、こちらの方がニヤリとさせられる箇所が多い分だけ楽しめるかも。 |
No.82 | 9点 | 十角館の殺人 綾辻行人 |
(2013/01/27 18:11登録) 文庫版を何十年ぶりかで再読しました。綾辻先生の後書きによると、文庫版の刊行に際して、最低限の修正に止めるはずが、結果的にゲラが真っ赤になるほど原稿に手を加えてしまった、とのことですが、ノベルズ版を読んだだけの私としても、特段の違和感なく読了できました。 それで改めての感想ですが、やはり本作のメイントリックには、文句なしに脱帽せざるを得ませんでした。強いて言うならば、動機がやや後出しぎみな点が気になるところですが、全国のミステリーファンに、十分過ぎるインパクトを与えてくれた記念碑的作品であることは、万人の認めるところだと思います。 |
No.81 | 9点 | 占星術殺人事件 島田荘司 |
(2013/01/26 14:42登録) 講談社文庫版を入手して何十年ぶりかで再読しました。メイントリックはあまりにも強烈だったため鮮明に覚えていたこともあって、最初に読んだ時のような、「???」に続く「!!!(衝撃)」は味わえなかったのですが、そのミステリー史上における価値は、最大限の敬意を持って認めざるを得ないと改めて思いました。 ただ、本作のストーリー自体は、その後の島田先生の作品群に比べると、所謂エンターテインメント度(あざとさ?)がやや不足気味かな、とも思いました。 |
No.80 | 8点 | 北の夕鶴2/3の殺人 島田荘司 |
(2013/01/21 10:56登録) 文庫版を再読しました。カッパノベルズで出た時すぐ読んだので30年近く前のことになりますが、メイントリックだけは強烈なインパクトがあって、未だに鮮明に覚えていました。それでも読み始めたらストーリー展開にも結構引き込まれて、結局数時間で読了しました。やはりこの頃の島田先生の作品は文句なく面白いと思います。 |
No.79 | 4点 | 木製の王子 麻耶雄嵩 |
(2013/01/16 18:46登録) 本作は、自分がこれまでに読んできた麻耶氏の作品群と比べると、読了するまでに結構時間がかかりました。あとからネタバレサイトで確認/納得させられる箇所(各章の導入部の話とか、「名前」とか)もあったのですが、如何せん、所謂「リーダビリティ」が本作には著しく不足しているんじゃないかしら、というのが率直な感想でした。 あと、この「事件」も探偵役がメルカトルだったら・・・、と思い巡らすのは私だけでしょうか(「アリバイトリック」など一瞬で解決しているだろうし)。 |
No.78 | 4点 | 生存者、一名 歌野晶午 |
(2013/01/09 10:28登録) 分量が中途半端だったわりにはそれなりに仕掛けもちゃんとしてあって、特に不満はないのですが、読者としては、書き手を含めて登場人物の誰にも感情移入できないような設定になっていることに加え、一連の殺人で犯人の取った手段(?)も、個人的にはちょっと感覚的に受け入れ難く、読後感はイマイチでした。 |
No.77 | 8点 | 鴉 麻耶雄嵩 |
(2013/01/07 19:05登録) 本作でのメルカトルが、何気に普通の「名」探偵だったりするところが意外でした。 小説の舞台設定(隔絶された村?)や、2つの大きなトリックについても、見事に騙された私としては、何も言うべきことはありませんです。私がこれまで読んできた麻耶雄嵩氏の作品群の中でも上位に位置することは間違いありません。 |
No.76 | 5点 | なぎなた 倉知淳 |
(2013/01/06 15:02登録) 全編を通してインパクトはそれほどありませんが、気楽にサクッと読み通すことができました。 |
No.75 | 4点 | 湖底のまつり 泡坂妻夫 |
(2013/01/02 17:37登録) 本作は図書館で創元推理文庫を借りてきたのですが、思わせぶりな表紙のイラストに加えて、背表紙に「華麗な騙し絵」とあれば、いかに鈍感な自分でも最初から身構えて読み始めてしまったため、「驚愕の・・・」とはならなかったのは残念なことでした。 ただ、それを割り引いても、散見される「官能小説」ばりの表現がどうも「普通の」ミステリーの読者としてはちょっと引いてしまいました。 あと、どうでも良いことですが、ダムが決壊するほどの地震の揺れでも震度「8」なんてことにはならない(そもそも震度は7までしか定義されていない)のですが・・・。 |
No.74 | 5点 | 貴族探偵 麻耶雄嵩 |
(2013/01/01 08:48登録) それぞれの話のロジックがしっかり構成されていて、謎解きと言う意味では十分楽しめるのですが、この「貴族探偵」のキャラクターはちょっとどうかと。 同じ「奇人」探偵でも、銘探偵メルカトルの方が何百倍も魅力的だと感じるのは、単に慣れの問題なのでしょうかね。 |
No.73 | 5点 | メルカトルかく語りき 麻耶雄嵩 |
(2012/12/30 10:10登録) 最近になって麻耶氏の作品を少しずつ読み進めているところですが、本作もこういう(ある意味すっきりしない)結末の短編を集めたものとして、それなりに存在理由はあるかと思います。もちろんメルカトルの奇人ぶりは相変わらずで、最初の頃はそのブラックさを嫌悪していたものの、徐々に自分が虜になっていくようで、ちょっと怖いかも。 |
No.72 | 7点 | 螢 麻耶雄嵩 |
(2012/12/27 12:06登録) 自分の様な(注意力のない)読者でも、ある人物を疑いながら読んでいましたが、今ひとつ確信につながらなかった状況に、まさか「○○○」を使っていたとは!見事に騙されました。 もう一つのトリックについては、その斬新な意図は分かるのだけれど、取って付けた感があって、それほど感服できませんでした。あと、やっぱりラストについてはちょっとアレでした。 |
No.71 | 8点 | 11枚のとらんぷ 泡坂妻夫 |
(2012/12/16 10:58登録) 【ややネタバレになるかも】 話の展開上、「犯人」が限られた範囲内にいることは、おそらく「前提条件」として読み進めるべきなのでしょうが、作中作における人物描写が、結果として効果的なミスディレクションとなっていることもあって、最後まで「犯人」が分かりませんでした。また、「犯人」から本当の(ある意味逆転する)「真相」が明らかにされる展開も秀逸で、ラストでの桂子の振る舞いにも余韻があって、良い読後感を与えてくれました。 |
No.70 | 5点 | キングを探せ 法月綸太郎 |
(2012/12/16 09:03登録) ページ数の割にはサクっと読める内容だと思います。ラスト近くの犯罪者側のシナリオ再構築には感心しましたが、途中の展開にそれほど緊迫感がなく、全体的にイマイチかな~、という感想でした。 |
No.69 | 7点 | 金雀枝荘の殺人 今邑彩 |
(2012/12/12 15:20登録) 冒頭、登場人物の家系図や一覧リストに名前がズラッと並んでいるのを見て、これはちょっとフォローするのが大変かも、と思いましたが、読み始めたらぐいぐい引き込まれて、ラスト(とそれにつながる冒頭)もそれなりに雰囲気が良く、とても楽しめました。幽霊が見えるだとか、多少、ホラーというか、ロジカルでない部分もありますが、謎が解き明かされるにあたって決定的な影響はなかったし、本格ミステリーとして許される範囲内だったと思います。 |