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ミステリの祭典

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あびびびさんの登録情報
平均点:6.33点 書評数:669件

プロフィール| 書評

No.169 9点 青い虚空
ジェフリー・ディーヴァー
(2011/02/26 14:24登録)
天才的ハッカーが異次元に入ってしまい、現実とバーチャルの世界と区別がつかなくなった。ゲーム感覚で殺人を犯し、そのたびに「25ポイント獲得!」と、快感を得る。

これに対抗するのは政府の機関にハッカーして懲役を食らっているこれまた天才ハッカー。こちらは現実的であり、警察とともにその犯人を追う。

600ページを超える大作だが、ずっと手に汗を握る攻防。映画化していたらきっと見たいだろうと思う傑作だ。リンカーン・ライムシリーズ以上のデキで超お薦め。


No.168 4点 容赦なき牙
ロバート・B・パーカー
(2011/02/19 12:40登録)
スペンサーシリーズのホーク的な存在、殺し屋のクロウが出て楽しみは多くなっているが、どうも展開的な切れ味が悪い。

警察署長がそこまで妥協していいのか…と突っ込みたくなる場面が数多くあるし、周囲の男女が簡単に関係を持つのも物語の流れを止めている感じ。

さらに元妻のジェーンがニュースキャスターと言う立場を署長に押し付けるシーンも澱んでいる。


No.167 3点 12番目のカード
ジェフリー・ディーヴァー
(2011/02/18 19:00登録)
相変わらず、綿密な取材、万全なストーリーだが、
いつもの犯人より小粒。どんでん返しも不満。

表題の意味も分からない、というより納得行かない。
約千ページあるが、頭の中でまとめれば300ページ
ではないか。

切れ味不足で、次のリンカーン・シリーズが読みたくなった。


No.166 6点 拡がる環
ロバート・B・パーカー
(2011/02/16 13:21登録)
上院に打ってでようというアリグザンダー下院議員の警護を引き受けたスペンサーは、彼から驚くべき事実を打ち明けられた。何者かが妻のあられもない姿が映っているビデオを送りつけてきたというのだ。

その議員は妻を愛しており、もしもの場合は政治から引退してもいいとまで言う。それならとスペンサーは政治ライバル周辺の事情を調べていくが、やはりその道に続くのは暗黒街だった。

その時、恋人スーザンは長期出張でめずらしくスペンサーは弱音を吐く。


No.165 7点 チャンス
ロバート・B・パーカー
(2011/02/16 12:57登録)
今回の舞台はラスヴェガス。ギャングの縄張り争いを背景にスペンサーとホークがクールに、熱く、闘う。

今回はわりとストレートな、王道を行くストーリー展開。おなじみの登場人物たちの会話も十分に堪能できる。

相変わらず女性の嘘に甘く、だまされるスペンサー。 即、実力行使が持ち味のホークはそれでも辛抱強く、スペンサーを支持し、自分の役割を全うする。

その相対性の微妙な部分がこのシリーズの魅力かも。


No.164 8点 影に潜む
ロバート・B・パーカー
(2011/02/13 00:18登録)
各地を転々とし、無差別に快楽殺人を繰り返す夫婦を追い詰める人口2万人のパラダイス署長ジェッシィー。

今回はレイプされた少女を巡る問題も同時進行、面白い展開になっている。

しかし、相変わらず元妻ジェーンのわがままに振り回される展開があり、そこは飛ばして読む…。


No.163 6点 スクール・デイズ
ロバート・B・パーカー
(2011/02/07 18:13登録)
アメリカで頻繁に起こる?学校内での乱射事件。その一人の祖母に、「うちの孫はやっていない」と、真相解明の依頼を受ける。

そのため、学校内でのボスや、その身内(ギャングの兄)とトラブルになるが、あくまでもスペンサーはわが道を行く。元ボクサーだが、「引退しても訓練を積んでいるからまず喧嘩は負けない」という自信。しかし、どこか謙虚で純情なスペンサーはその背景を暴き出す。


No.162 7点 犯罪小説家
雫井脩介
(2011/02/01 20:11登録)
賞をもらったばかりのミステリ小説に、奇人変人の脚本家が監督、主演までしたいと名乗り出る。

その作品は過去に話題になった自殺サイトと同じ臭いがするという。その小説の作者はこの脚本家に強引にその世界へ誘い込まれるが…。

ある意味、「火の粉」を思い出す心理サスペンス、内容はくどいが一気に読ませる。


No.161 3点 降霊会の怪事件
ピーター・ラヴゼイ
(2011/01/31 14:01登録)
降霊会が行われ、その最中に若き霊媒師が殺された。その会に参加していた6名の内の誰かが犯人…と目を付けた刑事部長は念入りに捜査を続け、降霊会を再現し、その中で矛盾を探し犯人逮捕を目指すが…。

その背景、トリックにはなんら驚くことはなく、英国ミステリの本格化としての切れ味は感じられなかった。単純な内容にしては長すぎる気がする。


No.160 5点 ドリームガール
ロバート・B・パーカー
(2011/01/31 13:47登録)
地獄の境遇から救った女の子がある日事務所を訪ねてきた。今や成人の女性として美貌と知性を兼ね備えているように見えたが、その内面は腐り切っていた。

会うたびに嘘をつかれ、利用されていただけのスペンサーだが、それでも彼は見捨てない(腹が立つほど)、しかし2件の殺人事件が起こり、その女性が依頼してきた内容が明らかになる。

「信用」を第一にする探偵業、スペンサーは苦悩しながらも、辛抱強く事件に立ち向かうが、いつものスカッとした読後感はなかった。恋人スーザン、相棒ホークの切れ味も悪い。


No.159 6点 スターダスト
ロバート・B・パーカー
(2011/01/25 16:16登録)
このところスペンサー・シリーズばかり読んでいる。英語のテキストに適しているらしいが、本当に読みやすく、この本も4.5時間で読んだ。

今回は絶大な人気を誇る女優が酒と麻薬に溺れ、精神不安定の中、その原因を調査するために精神鑑定士である恋人のスーザンとともに依頼される。

例によってあっと驚く仕掛けはないが、相棒のホーク、さらに殺人課警部補らとともに、真相を突き止める流れの小気味よさは、当分求めてやまないかも。シリーズは40冊近くある。


No.158 7点 失投
ロバート・B・パーカー
(2011/01/22 13:04登録)
ボストンで活躍する探偵スペンサー。確かシリーズの3作目だが、このあたりから躍動感が増し、アクションが多くなる。

レッドソックスの大投手に八百長疑惑、その真意を確かめるために雇われたが、その原因は家族にあった。そのため、ギャングと対決することになったスペンサーは威風堂々、正面から向かって行く。

恋人スーザンとの会話も軽快になっている。


No.157 5点 沈黙
ロバート・B・パーカー
(2011/01/21 12:38登録)
今回は恋人スーザンの依頼で友人のストーカー問題と、相棒ホークの依頼(こちらが主題?)を当然無償で調査をする。

ストーカーの方は相手の女性にスーザンそっちのけで惚れられ、自分本位の女性心理に振り回されるが、逆にスーザンとの愛を深める結果になった。

ホークの方は殺人事件を捜査するうちに同性愛が原因で発覚した事件だと言うことが分かり、少々内向的なシーンが続く。いつものカラッとした流れではなく、読後感がもうひとつだった。


No.156 5点 片眼の猿
道尾秀介
(2011/01/19 20:49登録)
おそらくサラッと書いたんだと思う。全体的にそんな感じ。重厚感はないけど、すらすら読める。

面白くはないけど、退屈はしない。序盤で犯人と、その背景に気が付いたけど、それがどうしたの?って感じのミステリー。

きっと力量がある、この作家は…。


No.155 4点 秘められた貌
ロバート・B・パーカー
(2011/01/17 17:46登録)
探偵スペンサーシリーズから離れ、別のシリーズを読もうとこの本を選んだ。マサチューセッツ州の小さな町、パラダイスの警察署長が主人公のジェッシィ・ストーンシリーズである。

他にこの作者は女性の探偵・サニーランドルシリーズもあるが、そのサニーランドルとは恋仲であり、物語に登場する。もうひとり、主人公には別れた前妻がおり、この女性となかなか手が切れない。

まだこのシリーズは一冊読んだだけだから把握できていないが、事件の合間にこの三角関係について多くのページが割かれている。そのせいか、殺人事件の関心は希薄になり、もうひとつミステリとしての緊迫感がない。

シリーズ6冊目というから、おそらくずっとこんな感じなのだろう?それならなかなか手が出せない。


No.154 7点 背信
ロバート・B・パーカー
(2011/01/13 16:43登録)
スペンサーシリーズの31作目らしい。思いつくまま順不同で読んでいるけど、スペンサーを取り巻くレギュラー陣の魅力は読む度に増している。特に親友のホークと恋人のスーザンは、このシリーズには不可欠の人物。

今回も美人の依頼人が事務所に来た時から事件が始まる。アメリカでも有数の企業で代表を務める男の妻だが、その男はまもなく殺されてしまう。

そこから事件にのめり込んだスペンサーは巨大企業の腐敗を浮き彫りにさせ、その核心を突くのだが、事件そのものより、レギュラー陣の結束の固さを改めて感じさせてくれた。それが実に楽しかった。


No.153 7点 死神の戯れ
ピーター・ラヴゼイ
(2011/01/12 12:40登録)
老若男女、すべての信徒に支持される若き牧師・オーティス。しかし、彼は裏に悪魔の顔を持っていた…。

彼が教会を変わるたびに行方不明者が出る…。次第に支持者から不審な意見が出始め、そのためにまた殺人を犯す、死の循環。

こんな映画を見たような記憶がかすかにあるが…。


No.152 7点 処刑人の秘めごと
ピーター・ラヴゼイ
(2011/01/12 12:32登録)
最愛の妻、ステフを亡くして一人住まいのダイヤモンド警視に不可解なラブレターや贈り物が届いた。

同時期に、首つり死体が3件起きるが、それは公開処刑のような殺人だった。この迷宮に、ダイヤモンドは立ち向かうが…。

この作家らしい謎解きと、そこそこのどんでん返し。ほとんど外れがない作家だと思う。


No.151 7点 寒い国から帰ってきたスパイ
ジョン・ル・カレ
(2011/01/12 12:23登録)
本格的なスパイ小説は初めてだったが、緊迫した場面が連続してなかなか楽しめた。

国と国との駆け引きは、スパイ同士の心理的葛藤となり、われわれ一般人には、別次元の世界に見える。当然そうであるべきだが、かといって、その苦悩が分からないわけではない。

これがベルリンの壁崩壊の前の話だから、余計に緊迫感が増す。


No.150 8点 キャッツキルの鷲
ロバート・B・パーカー
(2010/12/29 00:46登録)
探偵・スペンサーの恋人だっスーザンが西海岸に行き、しかも恋人まで作ってしまった。そのスーザンは、やはりスペンサーのことを忘れられず、心理的葛藤に苦しみ、その恋人と別れたいためにスペンサーの相棒であるホークにSOSを出す。

しかし、その恋人はアメリカ有数の大金持ちで、罠にかけられたホークは留置場に入れられてしまう。やむなく恥をしのんでスーザンはスペンサーにSOSを出す。

ホークを助け、そして巨大組織に立ち向かうスペンサーとホーク…。もはや私立探偵の枠を超えて、007並のストーリーになってしまったが、この3人の存在感はいつまで経っても色褪せない。会話のテンポの良さが、実に爽快だ。

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