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ミステリの祭典

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生ける屍の死

作家 山口雅也
出版日1989年10月
平均点7.00点
書評数63人

No.43 4点 測量ボ-イ
(2010/09/19 14:04登録)
この作品は題名から来る連想とは随分違う印象でした。
舞台は外国、登場人物の殆どが外国人でしかも多く、国内
作品にもかかわらず、その読みにくさは翻訳もの作品並み
で、読書にたいそう時間を要してしまいました。

肝心の評価ですが、生きていると思われた人間が実は・・
・というオチで多くをかたづけられると、あまり良くない
意味で「何でもあり」になってしまっているような気がし
ます。
皆さんは割と高評価ですが、僕にはちょっと合いませんで
した。

No.42 6点 江守森江
(2010/01/10 11:00登録)
「生ける屍」の存在する特殊なルール下での本格ミステリで、特殊設定ミステリの先駆けにして金字塔的作品(あくまで世間的評価)であり、新本格を語るにはスルー出来ない作品の一つなのは間違いない。
解決編での伏線の回収の手際やエピローグも素晴らしい。
その一方で、人物紹介、設定状況の説明、死に対する哲学・宗教とその蘊蓄を長々と読まされる第一部は、伏線が張られ読み飛ばせずナカナカ読み進まない。
カタカナ名前な多数の登場人物、詰め込み過ぎと思えるボリューム、宗教的関心が薄い(葬式仏教徒)人間に「聖書の引用」等で、修行の如き苦痛を伴う読書になった。
娯楽としてミステリをファジーに楽しみたい私にはキツく、その点で読者を選ぶ作品でもある。
※採点は、読み進む苦痛と読み切った満足感を相殺した。

No.41 7点 ZAto
(2009/10/21 01:23登録)
容疑者がトリックを仕掛けた段階では生きていたのか死者だったのかというのが事件解決へのキーとなる馬鹿馬鹿しさ。
死者が密室やアリバイを作って完全犯罪を工作し、死を隠蔽して生者であることに腐心する切なさ。
一体どうすればこんな世界観が創造しえるのか不思議に思う。

No.40 8点 E
(2009/09/29 22:56登録)
設定はミステリーとしてツッコミを入れたくなるものでした。
しかし、ラストがとても良かった。
哀しいけれど、ラストは好きです。

No.39 10点 kai
(2009/06/05 16:16登録)
驚愕のミステリ。
ラストがいい。

No.38 10点 daiki
(2009/06/02 00:04登録)
死者が蘇る、ということで常識をひっくり返してみせるところが凄いなぁと感じました。解決も、それをきちりと踏まえたものになっています。どうするのかと思いきや、納得できる答えが提示されて、びっくりした、というか。

No.37 6点 ロビン
(2008/08/28 03:43登録)
ホロリとくるラストは良かったんですけどねえ。
「何故、死者が蘇る世界で殺人が行われるのか?」に対する論理も、結局はアレですか。まるで後期クイーンのようでちょっと……。
それに、蘇っても時間が経てば結局は再び死ぬことになるのなら、↑の命題もあまり意味を成していないのでは?

No.36 7点 Tetchy
(2008/04/25 23:33登録)
本ミステリで解き明かされる命題は「なぜ死者が甦る世界で、あえて殺人を犯す必然性とは何か?」という非常に難しい問題だ。
そしてその命題を解き明かすための材料として、本作では終始“死”に関する考察が語られる。“死”とは一体何なのか?では“生”とは?「肉体の死」と「精神の死」。“死”についてあらゆる角度から、西洋医学、東洋思想、キリスト教、仏教初め、世界各地の宗教における死生観、はたまた死学的見地から山口氏は“死”について考察の翼を伸ばす。
その他密室殺人、ビデオを利用した殺人犯の追究など、黄金時代の本格ミステリの復活を想起させるガジェットに溢れている。

そしてこれほどの期待値を持って明かされる上の命題に対する答えが、アレッ?って感じだった。
肝心の論理の帰結がこれなのかと期待値が高かっただけに落差も激しかった。

ごく最近読んだのだけど、ちょっと遅きに失したかなぁ。

No.35 6点 gink
(2008/03/12 10:54登録)
恐ろしいほど手間暇かけて作ったであろう作品。超重量級。毎回毎回引用文が挿入され、ペダントリーもたっぷり。しかも日本人が日本語で書いているのに、なぜか全文英文を翻訳した風の文体。炸裂するアメリカンジョーク。本当にものすごいんだけど、正直読んでいて疲れてしまいました。濃密すぎて。トリックも犯人もあまり頭に入って来なかったな~

No.34 9点 dei
(2008/03/10 22:34登録)
いろいろの要素をごちゃ混ぜにしながらミステリしてる作品。
生と死の問題についても掘り下げられているし、個人的には
大満足なんだけど、純粋にミステリを読みたいという人には
不要な部分なのかもしれない。

No.33 6点 kkk
(2007/11/05 20:06登録)
どうもこの雰囲気に馴染めなかった。後半は結構楽しく読めたけど、前半部分が長すぎる気がする。

No.32 7点 vivi
(2007/10/30 01:24登録)
翻訳風文体は海外ミステリから遠ざかっている身には最初はきつかったです。
でも、慣れてくるとなんとも言えない味として楽しめました。
宗教観や死生観、そんなものが作品に大きく関わっているから、
やっぱり舞台は日本では無理なんですよね・・・
生々しく殺人が起こっているのに、どこかコミカルな登場人物たち。
ドロドロとしたムードにならないのもお国柄かな~。

No.31 5点 おしょわ
(2007/10/15 22:46登録)
確かに良くできた話なのに、なんかイマイチ入り込めないのはやっぱり登場人物が日本人じゃないからですかね。
しかしこの設定で日本人だと無理あるし。

No.30 6点 ぷねうま
(2007/09/19 16:03登録)
世界観の構築はうまいと思ったけど時間かけすぎじゃない?人がバンバン死に出してからは楽しく読めました。確かにこの設定をフルに利用して書いてるけど限界値が低い感じ。山口雅也のキャラ設定が好きじゃないので辛くして6点。

No.29 9点 姑獲鳥
(2007/08/04 21:23登録)
死体が動き出すという設定に驚かされます。
最後は少し悲しいのですがとても面白い作品だと思います。

No.28 6点 NOTE
(2007/08/04 03:00登録)
ラストの余韻が良い。

No.27 10点 北浦透
(2005/04/10 13:26登録)
記念碑的傑作であり、ミステリーを追求しきった作品。
死者が蘇るなかでの連続殺人で与えられる圧倒的な論理的解決。そして、深く心打つ「死」の考察。
日本人が外国人を書くと、どうも不自然さを感じるが、この作品に限っては全くそんな心配はいらなかい。久しく読んでいないが、いま再読の欲求に駆られている。

No.26 5点 BAYCITY
(2005/01/17 01:49登録)
ミステリの可能性を探るアバンギャルドな作品。それも、かなり成功してるってことはわかるけど、「楽しかったか?」と聞かれると「うーん」って感じ。「評論家受けしそうな作品だね」と流したくなる。

No.25 5点 Dain
(2005/01/13 00:32登録)
ほんとに誰が誰だかわからなくなりました。この作品はじっくりと、よく考えて読まないとだめですね。俺は途中から疲れてしまい、流し読みになってしまいましたけど。

No.24 10点 ウエストウッド
(2004/08/31 22:31登録)
アイデア、展開の意外さ、テーマの深さといい全てにおいて第一級品。

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