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ミステリの祭典

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贖罪の奏鳴曲
御子柴礼司シリーズ

作家 中山七里
出版日2011年12月
平均点6.50点
書評数32人

No.12 6点 makomako
(2017/01/08 14:55登録)
 はじめのうちはちょっと引いてしまいそうな内容です。これが楽しい人もいるようですが、私は感覚的にあいません。
 途中から二転三転して最後にはまあ何とかそれなりに良かったような気にもなりますが、ちょっと現実感が乏しいような気もします。
 もともと興味本位で殺人を起こす人物がこんな風になるのかなあ。
 それとこのサイトの書評にもありましたが、御子柴の死体遺棄はどうなるのでしょうかねえ。

No.11 8点 白い風
(2016/09/03 22:04登録)
中盤過去の少年院の話になっちゃって事件から遠ざかった感はあったけど、ラストの謎解きは怒涛の流れで面白かったです。
また冒頭から主人公の弁護士が遺体遺棄をする展開もワクワクでしたね。
これってシリーズ化されているんですね。
刺されたまま終わっちゃった弁護士御子柴の今後も気になりますね(遺体遺棄罪も)

No.10 7点 パメル
(2016/04/15 14:36登録)
凶悪な犯罪歴を持つ悪徳弁護士が主人公で魅力的
莫大な報酬を要求したり目的の為なら死体遺棄さえやってのける
明瞭な筆致で読みやすくところどころ心に響く言葉もあり
読んでいて気持ちが良い
サスペンスとしても楽しめるし社会派ミステリとしても楽しめる

No.9 6点 ia
(2015/08/28 16:51登録)
途中まではわりと面白いが、真相が予想内なのがちょっと残念。
たぶんこうだろうな~って枠に完全に収まって終わる。
それと文章も構成も妙に硬い。読みやすいのに硬い。古いに近いかも。
なんか無理して肩ひじ張って書いてるのかなと思ってしまう。
そのせいで熱中度は低い。
優等生的な佳作小説といえる。
登場人物達に関しては非常に良い。

No.8 8点 HORNET
(2015/08/14 11:34登録)
 少年期に殺人を犯した前科者という異色の経歴を持つ弁護士、御子柴礼司。先に「追憶の夜想曲」を読んでいたので、御子柴の少年刑務所時代が描かれている本作は、ルーツがわかるという点でも非常に面白かった。
 中山七里は非常に描写が優れた作家だと思う。場面や心情の描写が特徴的で、かといってレトリックを駆使しすぎてうるさすぎる感もなく、非常に引き込まれる。
 悪役でありながら、実は徹した悪漢ではなく、奥底に人間的魅力を備えた御子柴礼司はとても惹きつけられるキャラクター。このシリーズいっぱい書いてほしい。

No.7 7点 STAR
(2014/09/02 20:25登録)
過去に少年犯罪を起こしたものの現在は弁護士をしている主人公の御子柴。そんなに非現実的でもないと思いました。
読んでいる最中、わくわくする作品でした。

No.6 7点 E-BANKER
(2014/05/05 21:01登録)
「このミス大賞」受賞以降、高水準の作品を連発する中山七里。
2012年に発表された本作もまた高い評価に値する作品なのかどうか・・・?

~御子柴礼司は被告に多額の報酬を要求する悪辣弁護士。彼は十四歳のとき、幼女バラバラ殺人を犯し少年院に収監されるが、名前を変え弁護士となった。三億円の保険金殺人事件を担当する御子柴は、過去を強請屋のライターに知られてしまう。彼の死体を遺棄した御子柴には、鉄壁のアリバイがあった。驚愕の逆転法廷劇!~

これもまた実に出来のいい作品だった。
このレベルの作品を出し続ける作家としての作者の力量はスゴイということになるのだろう。

本作の視点人物は主に二名。
ひとりは当然御子柴弁護士ということになるのだが、彼は保険金殺人事件の真相を追いながら、自身についても過去の犯罪のために刑事たちに追われる立場に立つという二面性を持つ。
そして、もうひとつの視点は埼玉県警の渡瀬&古手川コンビ。特に猟犬のように鋭いカンを発揮する渡瀬と御子柴の対決は本作の見所のひとつ。

序盤以降、御子柴が起こした過去の事件と現在の事件が交互に語られ、その関連性が曖昧なまま終盤の法廷劇に突入する。
そして、ここで用意されているのがドンデン返しの二乗だ。
医療器具を使ったトリックもよいが、それよりもやはり「動機」が本作最大の肝。
ある人物の悪意が明らかになるとき、なぜ作者が本作を書いたのかが鮮明になる。
これほどの「悪意」はそうそうお目にかかれない。
真実を知ったとき、読者は作者が仕掛けた大いなる欺瞞に気付くことになるのだ・・・

ということでよくできてます。
細かい部分がどうのこうのというよりも、プロットの妙を味わうべき作品。
続編も楽しみになった。

No.5 6点 kanamori
(2014/02/18 22:56登録)
多額の報酬を要求することで悪名高い弁護士・御子柴は、ある保険金殺人事件の上告審を引き継いだが、過去を知られたフリーライターに強請られ、深夜にライターの死体を入間川に遺棄する-------。

中学生の時に理由なく幼女を惨殺し、医療少年院に収監されていた過去を持つ、御子柴の特異な人物造形が一つの読ませどころ。名前を変え弁護士となり、保険金殺人を巡る法廷劇では主人公として事件の隠された構図を暴くという構成がユニークで、いわばダーク・ヒーローもののリーガル・サスペンスとなっている。
また、強請屋のライター殺しを担当し、御子柴に容疑をかけるのが、「カエル男」事件以来の再登場である埼玉県警の渡瀬&小手川の刑事コンビで、切れ者の渡瀬警部と御子柴の対決もスリリングです。
ただ、贖罪というテーマは明確に伝わってくるものの、二つの事件を並行して描きつつ、かなり色々な要素を詰め込み過ぎている感があるので、焦点がややボヤケてしまっているようにも思う。

No.4 8点 メルカトル
(2013/12/03 22:29登録)
一部を除いて重苦しい雰囲気に覆われている。それもテーマがテーマだけに仕方ないのかもしれないが。
途中まではどこに重点を置いて読み進めればいいのかが判然とせず戸惑ったが(その辺りは解説を参照されたい)、終盤、一気に加速し俄かに焦点が鮮明に合いはじめ、全体像が明らかになる。その過程は『カエル男』に酷似している。まさに中山氏の本領発揮と言っていいだろう。
作者お得意の畳みかけるようなラストの逆転劇は、読者を酔わせること請け合い。
蛇足だが、個人的に第三章を頭に持ってきた方が読みやすく、スッキリするのではないかと思った。まあしかし、そんなことはどうでもよくて、これは相当な傑作だと言えるのではないだろうか。
やや読み難い部分もある気がするが、色々な意味で勉強にもなるし、なかなか強烈な余韻を残す作品であるのは間違いない。

No.3 9点 蟷螂の斧
(2013/09/27 12:43登録)
倒叙ミステリー~法廷ミステリー~社会派ミステリーと変遷してゆき、どんでん返しも控えているという贅沢な作品ですね。展開が速かったので、じっくりと長編で読みたい気がしました。どんでん返しのテーマだけでも面白い作品に出来上がっていると思いますが、主題は、題名の通り「贖罪」(過去に罪を犯した人間が、それを償う意味は?)というヘビーなテーマです。また、ある種のタブー(カエル男も同様)に挑戦した意欲作とも感じることができました。また、悪徳弁護士の描き方がうまいですね。果たして、悪者なのか、はたまた善人?・・・読者を不思議な気持ちにさせます。やはり圧巻は、法廷場面でしょうか。

No.2 9点 虫暮部
(2013/01/02 17:58登録)
 これは凄い。純ミステリ的要素は薄いが、「償いとは何か」というへヴィなテーマを孕みつつ、テンポの良い展開と文章の巧みさでエンタテインメントとしての面白さも確保している。
 きっと、作者の“これは書くべきだ”という確信が作品の核心にあるからこその説得力だと思う。

No.1 6点 まさむね
(2012/03/08 22:47登録)
 「どんでん返し」については,ミステリー的にそれほどでもないかなぁ…っていう印象(嫌いではないケド)。
 しかし,小説全体を見通せば,オセロ的な白黒逆転自体に意味を含ませているのであろうし,ミステリーの「折込み具合」に難があるとも感じなかったので,私としてはこの位で丁度良いのだろうと感じました。
 ちなみに,リーダビリティは高く,少年院での出来事や法廷シーンも(最高裁法廷であんな事があり得るのかは別として),なかなか面白いです。ちょっと未消化の伏線がないわけでもないですが…。

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