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ミステリの祭典

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ストロベリーナイト
姫川玲子シリーズ

作家 誉田哲也
出版日2006年02月
平均点6.45点
書評数11人

No.11 5点 斎藤警部
(2024/10/14 11:25登録)
品が無い、締りが無い、リアリティが無い、心が薄い、サスペンスが薄い、スリルが無い、しかし退屈も無い!! 深みなど無くってまるで問題無し!! いろんな謎があっさり明かされ過ぎで、もうちょっといやらしく伏線引っ張ってストリップティーズしてくれたらよォ、とは思う。 さっぱり気分が悪くならないおとぼけグロ描写なァ。 でもいいさ。

「その充実感……。 素晴らしいですよ。 世界が拓けて見えるようになるんです」

公園内で発見された謎多き惨殺屍体に端を発し、これと繫がり有リと目される過去の他殺屍体が続々と ”水中から” 発見される。 被害者の一部には “ここ数か月、それまでと打って変わってもの凄く生き生きしていた” という謎めいた共通点が。 やがてダークなネット情報から「ストロベリーナイト」なるミステリアスなヤングフェスティヴァルの存在が浮上。(小説内では語られてなかったけど「苺」はアレのイメージかな?) 警察のいろんな人たちが協力したり個人プレーしたり(比率は体感7:3くらい?)頑張って犯人を追い詰める物語だ(が、警察小説とは呼びたくない)。 何気に章やサブ章をまたぐ時など、それなりに空白の時間を置きたくなる。 意外とそんだけストーリーの彫りが深いって事なのか。。 ちょうど中盤に感動を誘う逸話もあった。。 おっと、終盤に近づきようやくサスペンスらしきものが沸き上がって来たか。。 あれ、すぐ萎んじゃった? しかしまーこんだけの『ダブル(トリプルとは言わせん)暗黒真相』をよくもこんな安っぽい文章、下手くそな暴露方法で台無しに・・と恨みに思わなくもないけど、結末の爆発には軽症くらい負わせてもらった。 あんだけの大きな悲劇を引き出しといてからに、後始末が雑でないか? とは訝しむのだが・・ 「ストロベリーナイト」なんて小洒落たタイトルより「謎のへっぽこ大会」とか「うんこ」とかでいいんじゃないかとヤケクソで最初のうちは思ったけど・・ 悔しいけれど合格点だ(5.3くらい)。 よし、シリーズ続篇、書いていいぞ(何時の何様?!?)!!

No.10 6点 HORNET
(2017/12/12 22:33登録)
 グロさ、ぶっ飛び感はアリ。最終部分での序章のひっくり返し方もよかった。
 キャラ立ての妙(ドラマ向き)もあり、面白く読み進められることは間違いない。
 ただ・・・
 ストーリーの仕掛け方が現実あり得ない劇場的レベルで、インパクトがある分逆に安っぽい、ドラマ仕立て臭い。
 あと、この手のどんでん返しが最近多くて、インパクトをあまり感じられなかったのもある(それはこっちの読む順番だけどね)。
 と、いろいろ感じてこの点数。ただ、「このシリーズ読もうかな」と思えるだけの面白さは確か。

No.9 9点 itokin
(2015/11/20 14:14登録)
誉田さんの作品は初めてだがこの人は物語を面白くするコツを知っているなァとびっくり。内面まで入ったキャラクターの表現、物語の展開、恐怖緊迫感をどんどん盛り上げていくテクニックはすごい。ノンストップ警察小説として1級品だと思う。登場人物に感情移入してしまう作品に出合えたのは久しぶりだ。

No.8 7点
(2015/11/09 10:25登録)
大衆小説の極みと言ってもいいだろう。

キャラの設定はお見事。よくぞこれだけ変な奴を登場させたものと感心する。
主任警部補・姫川玲子を大阪弁でしつこく慕う(つきまとう)井岡、玲子とは犬猿の仲の日下、もっとも強烈な個性のガンテツこと勝俣。玲子が嫌う刑事たちの面々だ。
勝俣の一般人相手の聞き込みは滅茶苦茶で、警察が抗議してくるかもしれない。でも知らないだけで、実際の刑事にはもっとエゲツナイ人たちがいるのだろうなぁ。
そして、序盤でこんなにひどく描いておきながら中盤では玲子のサイドストーリーでひっくり返す。これには警察関係者なら涙を流して喜ぶはず。映像ならクライマックス級だ。
こんな押したり引いたりのバランスは絶妙。
勘は鋭いが刑事として甘さのある姫川と、猟奇的な事件とのアンマッチ感もいい。事件の解決の仕方も、姫川にとっては中途半端だが、それがむしろよかった。

著者は生まれ持っての大衆小説家なのだろうか、それとも2時間ドラマを研究しつくして書いたのだろうか。ツボの押さえ方は尋常ではないと思った。
とにかくクサさ満点の警察ミステリー作品だった。なお、おまけみたいな言い方だがミステリー的にも楽しめた。

嗜好だけで判断すれば8点超だが、種々勘案して、この評点。

No.7 7点 蟷螂の斧
(2011/12/05 19:01登録)
全体的に陰鬱な雰囲気が流れ、猟奇的な描写も結構あります。ミステリー度はあまりありませんが、事件の背景は印象に残ります。姫川のキャラは、過去に傷を持ちながらという設定なので、それを逆手にとって人物像として爽快な行動力(魅力)を持たせているものと思います。

No.6 2点 makomako
(2011/08/11 07:42登録)
まず主人公の姫川が好きでないことが大きい。さらに強圧的な警察官が出現して犯人でもなんでもない人の都合など一切無視して無茶苦茶を言いまくる。言葉使いも最低、といったところにいたっては読むのが苦痛となったほど。もし現役の警察官がこれを読んだらさぞかし憤慨すること(そう願いたい)と思う。

No.5 6点 VOLKS
(2011/05/01 13:49登録)
癖のある登場人物達は面白いし、ストーリーにも惹き付けられたが、姫川に好感が持てたらもっとどっぷりと小説の中に浸れただろうに、と思うと残念。

No.4 7点 白い風
(2011/02/02 22:47登録)
ドラマを見て面白かったので、読んでみました。
その為、当然内容は把握していたので驚きはなかったけど面白かった。
特殊な事件だったので内容を知らなかったらのめり込めたかも?
続編があるみたいなので読んでみようと思ってます。

No.3 5点 江守森江
(2010/11/17 04:10登録)
先週土曜日にフジテレビ系でドラマ化作品が放送されたが、他の録画視聴に追われ昨日になって視聴した、そして図書館で原作をおさらいしてきた。
ドラマのデキは裏番組の土曜ワイドと同程度で平凡な二時間ドラマそのものだった(3点レベル)
ストーリー的には原作おさらいで充分なのだが、本作の良さはドラマでは削られ発揮されていない。
キャラ立ちなど別方面に読み所があるのでドラマをスルーし先に原作を読むのが良い選択だろう。
現状の私は、ドラマの録画視聴中心でおさらい読書が関の山なのでどうしようもないのだが、視聴と読書のどちらを先にするかの選択は結構悩ましく臨機応変な立ち回りは傑作に出会う以上に難しい。
どちらか一方を先と決めつけて実践すれば悩まず後悔の度合いも低いが、それにより出会いが限定される弊害もある。
作品その物より上記の問題を考えさせてくれた意義ある一冊であった。
※私的な基本姿勢が文章の巧拙より構成と演技の巧拙を重視している事を補記する。

No.2 8点 メルカトル
(2010/04/18 23:57登録)
主人公の姫川玲子の直感に頼りすぎる捜査方法はいかがなものか。
それと、冒頭のグロテスクな描写は余計かも。
しかしそんな些事を気にさせない十分な魅力を持った作品である事は間違いない。

少女時代の姫川が法廷に立つシーンは、涙なくして読めないほど感動した。これだけでも読む価値あり。

No.1 9点 akkta2007
(2009/11/09 13:00登録)
姫川玲子シリーズの第一作である。
物語の道筋、組み立て、展開が非常に良いと思う。
個性的な刑事が数多く描き出され、その一人一人にそれぞれの個性があり、いい味を出しており、非常に面白い。
夢中になって読み進めることが出来る。
物語が目に見えるような感じである。
また、猟奇的殺人事件の描写の書き方にも驚かされる。
シーンの生々しさが、そのまま伝わってくるような感じである。
間違いなく、面白く、納得の出来る作品である。

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