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ミステリの祭典

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バベル消滅

作家 飛鳥部勝則
出版日1999年09月
平均点5.90点
書評数10人

No.10 6点 メルカトル
(2023/12/26 22:46登録)
島での連続殺人、各現場に残された『バベルの塔』の絵―。鮎川哲也賞受賞の著者が、独自のスタイルで構築する、目眩く豊饒の世界。本格ミステリのゴシック・リヴァイヴァル。
『BOOK』データベースより。

うーん、難しいですね。面白くない訳ではないです。しかし、どうも納得が行かない部分があるんですよね。最後の事件のアレとか、どうしてそんなにバベルの塔に拘るのかとか、業務上過失致死じゃないのか?とか。
そして、ラストの推理は成程と思わせるものの、真相自体が結局そっちかとなってしまいます。メイントリックは諸々の要素に埋没して全く気付きませんでした。再読すれば頷ける部分があったのではないかと思いますが。

前作よりも作中に挟まれる絵画の意味が感じられず、その点では残念でした。それにサプライズ感がある筈の所で驚けず、カタルシスが得られません。それにしても重要人物の一人である少女の、死に際の謎の行動が不思議です。余りにも異質で存在感が強かったのが伏線だったのか、まあそうとしか考えられませんね。私はあまり好きなタイプではないですが・・・あ、そういう問題じゃないですね。

No.9 7点 虫暮部
(2021/09/05 11:17登録)
 物語がどっち方向に向かうのかさっぱり摑めず手探りさせられる感じが面白い。“殺さざるを得ない状況”にも説得力がある。私もうっかり刺しちゃいそうだ。
 それだけに、叙述トリックやメタ構造を持ち込んだのは蛇足。何のエクスキューズも無しに犯人の独白が挿入されたり視点人物が替わったりする作例は幾らでもあるじゃないか。作者は“それはアンフェアだ”との意見なのだろうか?

No.8 6点 レッドキング
(2018/07/09 20:26登録)
謎解きで、作者に言われて読み返してみれば、確かにそのこと書いてはある、てレベルの叙述トリックと犯人指摘ロジック。良く練られたミステリだとは思う。が、読者の目を欺く表現手段だけとは言えない、作者の個性由来としか思えないニヒルなナルシズムがちとうざい。

No.7 5点 いけお
(2009/01/18 09:32登録)
絵画に関してが必然性に欠ける感は否めないし、デビュー作品と比較すると若干落ちる。

No.6 5点 shinano
(2007/05/27 16:59登録)
飛鳥部作品の中ではこれが一番好きですね
ラストを少女の幕引き的言動で締める
切なくなる言葉だった 
推理モノやトリックがどうしたなどは論外として
一人の少女の物語として読めばまずまず

No.5 4点 SD
(2004/09/14 23:05登録)
全体のバランスが悪く感じた。読み終わってみてバベルを出す必要は感じられなかった。また一部の人物以外は人物像が希薄。

No.4 6点 ギザじゅう
(2003/12/06 22:39登録)
視点が途中で移りながら事件がおきて、解決して最後にどんでん返しという所は『殉教カテリナ車輪』を踏襲しているのだが、全体としてのバランスはあまり良くないように感じた。前半部は読んでいて退屈で殉教〜のように読者をぐいぐいと引っ張る力が無かった。作者のタブローもあまり意味をなしていないような・・・。
前作がとても良かったから厳しいことを言ってしまうけれども、最後のどんでん返しと終わり方は良かった。

No.3 9点 MNU.Takakuwa
(2003/05/06 13:31登録)
飛鳥部勝則を初めて読んだ作品で、本格な感じが全くしなくて失敗したかな、と思っていたら、残り50ページぐらいで本格になったので、そこの「やられた!」感が強い。あと、トリックが自分好みなところが高採点につながっている。

No.2 3点 しゃん
(2002/06/21 17:53登録)
…前作ではトリックを使うことで、登場人物の心がダイレクトに突き刺さって来た、
 が、この作品はただトリックを使っているだけにしか過ぎない
登場人物の描かれ方は私にはこの身ではない、魅力を感じない

No.1 8点 由良小三郎
(2002/04/22 23:05登録)
自分のスタイルをだそうとされているのか、全体の構成は「殉教カテリナ車輪」と同じ手を使っていて、それはあまり好きではありません。話としてやりきれない所がありますが、好感のもてる人物も登場していて救われる感じです。

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