皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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レッドキングさん |
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| 平均点: 5.32点 | 書評数: 1096件 |
| No.1096 | 5点 | 明日訪ねてくるがいい- マーガレット・ミラー | 2026/08/13 07:46 |
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| ん?マーガレット・ミラーだよなぁ、サイコで緊張感あってスピーディな作風のはずだよなぁ、と読みながら訝ったが、これ、アラゴンシリーズて言う、作家"後期"の作品らしい。皮肉や諧謔の効いた会話で進む、サスペンス言うよりハードボイルド風(地道な行方探し → 連続殺人)展開・・からのドンデン驚きエンド。
※作者、ロス・マクドナルドの妻だったって事で、何の関係もないのに、不治の病の夫を射殺して、自身も銃自殺を遂げた女流SF作家:ジェイムズ・ティプトリーJr.の事を思い出してしまった。 |
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| No.1095 | 5点 | 赤い月の夜に- ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ | 2026/08/08 07:14 |
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| 嫌われ役にして主人公の初老男・・"騒々しくて、無学で、好色で、豪快で、迷信深く、怒りやすく、気前よく、自惚れが強く、機転に富む、尊大な富豪"・・某米大統領とカラマーゾフの親父を足して二で割ったような男。加えるに五十人に及ぶ半フリーク達が、Goodセンスgoodテンポ和訳*で、諧謔ユタカに描かれるミステリ・・ん、ミステリと言えるか?・・言っちゃおう(*^^)v。
*変格モノ傑作「赤い右手」と短編集以外の・この作含め・三冊、夏来健次以外の、センスのダサい訳者による翻訳だったら、トテモ読めたシロモノじゃなかったカモしれない・・(。-`ω-) |
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| No.1094 | 7点 | 三体Ⅲ 死神永生- 劉慈欣 | 2026/08/02 22:46 |
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| "中国のダン・シモンズ” 劉慈欣の、壮大なSFスペース・オペラ「三体」、その三にして完結編。地球から隔たること四光年彼方、三つの恒星を廻るが故に、科学的予測不可能な、いつ消滅するやもしれぬ過酷な宿命を持つ惑星"三体文明"。彼らが将来を賭けたプロジェクトの標的は、4世紀後の太陽系地球。超次元的人口微粒子「智子(ソフォン)」を先行仕掛け道具に、1/100光年速度で迫りくる三体文明に対する、地球文明の秘策「面壁計画」「執剣者」は、前作その二で、"破滅みちづれ脅迫抑止 (^^;) "として一応の成功を見たが、今回、「智子(ソフォン)」から派生した日本女型アンドロイド「智子(トモコ)」の暗躍先導もあり、一旦は大敗北を被る羽目に。地球人から"策略思考"を習うまで"欺瞞"を知らなかった三体人と、科学力は遥かに劣りながら、歴史的"狡猾さ"で三体人と渡り合おうとする地球人。人類の命運を担う新ヒロインと相棒の女学生、別ルート「階梯計画」主役の"脳男"、"三体の象徴"トモコetc・・・互いの文明の生存をかけた虚々実々バトルから、話は宇宙それ自体の壮大なSFスペース浪漫に大"展開"(にして"収束")。
※にしても、"十一次元(!)陽子を二次元に畳む智子(元名"ソフォン"かつ日本女型アンドロイド"トモコ")"に、究極の性悪論"暗黒森林"、かけて加えて"重力波""四次元空間""曲率推進""多次元収束"etc、まあ、出るわデルワ 「はーどSFウンチク」・・どこまで「カガクテキ」根拠あんのかネ(^O^) |
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| No.1093 | 5点 | 身代りの女- シャロン・ボルトン | 2026/07/28 21:39 |
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| 最近、女流サスペンス物ばかり読んでるなぁ。"サスペンス"は読む者に緊張を強いて目を逸らさせなくするから、当然にリイダビリティは高く・・つまり"面白い"。ただ、読み終わり、冷静にミステリサイトで評価する段になると・・"ウーーん、オマケして~点"て話に・・・。で、この小説(例によって、このサイトで知った)、金と頭脳と容姿に恵まれた、英国中産階級の"クズ高校生"達が主役の、英国版「モンテクリスト伯爵」兼「四谷怪談」サスペンス。中盤までは実にオモシロく、他の作品も是非読んでみたくなった。 | |||
| No.1092 | 6点 | 毒薬の小壜- シャーロット・アームストロング | 2026/07/26 22:06 |
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| 55歳の詩の教師と32歳の内気な女。風采も内面も哀れっぽい"善男善女"の、痛ましく慎ましい日常小説が、毒小瓶の紛失を釣りにした日常サスペンス・・と言うよりドタバタ"落語"劇・・に疾走して、Happy Endingへ収束する。この作家のラストにかけて盛り上げるハラハラ感、ジツに魅惑的。点数オマケ。 | |||
| No.1091 | 6点 | 心憑かれて- マーガレット・ミラー | 2026/07/24 22:14 |
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| 最近、なんか、この作家にハマり始めた。本格ミステリではない。ハードボイルドでも社会派でも冒険物でもなく、ま、心理サスペンス(だから "三大女流サスペンス"だろ、何をイマサラ(^'^) ) 、で、これが結構クセになりそ。
それで、この作品、一見 "まあまあ普通 "に見えた五家族の顔が、一瞬にして "サイコ"な素面に翻る、そんな、怜悧で日常ホラーな感覚が読ませ処。加えて、ハッピーエンディングなWhatダニットミステリでもあり、ナカナカによく。 ※ところで、この作家、夫がロス・マクドナルドなんだってね。(どんな、夫婦だったんだろ) |
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| No.1090 | 6点 | 魔女の館- シャーロット・アームストロング | 2026/07/22 21:55 |
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| 最近まで名前すら知らなかった(^^;) この作者、初読み「疑われざる者」に続く、"二読み"目はこれ。オモシロかった。 カーやクリスチアナ・ブランドの一番"軽快"部分のゴシック・コミックと、ハラハラどきどきのシャッフル乱舞。そっかぁ、別に"サスペンス"だからって、"ずっと緊張感を張りつめて"なんて生真面目に構える必要ないのね。「全員集合」末期の "シムラぁ、うしろぉ!" のノリで愉しめばよいのね。 | |||
| No.1089 | 3点 | 疑われざる者- シャーロット・アームストロング | 2026/07/20 19:57 |
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| 最近、マーガレット・ミラーを読み始め、ヘレン・マクロイとこの作家をあわせて"三大女流サスペンス作家"(この"三大~"て呼称、向こうのオリジナルなん?なんか日本クサイ)て呼ばれてたのを知った。で、さっそく。うーん、マクロイみたくミステリしておらず、「狙った獣」「鉄の門」みたいなサイコサスペンスでもないなぁ。ラストにかけての危機一髪サスペンスは楽しかった・・最近TVで連続放映してた、Toy Story(^J^)シリーズのラストはらはら思い出した・・。ま、いいや、マーガレット・ミラーともども、しばらく愉しんでみよ。 | |||
| No.1088 | 5点 | 犠牲者は誰だ- ロス・マクドナルド | 2026/07/18 06:24 |
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| リュウ・アーチャーシリーズ第五弾。偶然、通りがかりに事件に出くわした(ハードボイルド導入としてはチト斬新)探偵。半ば押しかけに事件介入を依頼させる(ここもナカナカ斬新)好奇心展開。西部の寂れた砂漠渓地の小さな町を舞台に、ネットリ絡んだ男女・人間関係と三連続射殺事件。じっくり地道(ここハードボイルドらしい)な事件捜査と、いくらなんでもハードに過ぎる殴り合いと、ちょびっと人物錯視トリックも付く。
※「ハヤカワポケット」の中田訳文、いいんだけど、年代が古いんだろう、"ジーンズ"に説明文添えたり、"自動車用ホテル"や"響尾蛇"に "キャリフォーニア州"、で、「~なんですわ」「ですのよ」女言葉・・ま、これはこれで味わい深い・・ |
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| No.1087 | 6点 | 終決者たち- マイクル・コナリー | 2026/07/15 22:53 |
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| ヒエロニムス・ボッシュシリーズ第十一弾。私立探偵から官職刑事に復職・・我が国では考えにくい・・したボッシュ。請け負った仕事は、十七年前に"迷宮入り"した、黒人白人ハーフ女子高生殺人事件の再捜査。残された資料の再読み込みで進行する丁寧なミステリと、浮かび上がった"重要参考人"を餌にした、犯人炙り出し作戦サスペンスが並走し、タイトにして鮮やかなWhoミステリどんでんエンドへ。あの手の最終決着、自分は好きだぞ(^_-)
※懐かしの憎まれ役元上司・・当初の"実にヤナ奴"設定から、シリーズ進行につれてチョットまるくなってたなぁ・・が、鋭くヤナ奴感増して再登場、と思ったら、あーあ(カワイソ) |
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| No.1086 | 6点 | ガラスの独房- パトリシア・ハイスミス | 2026/07/10 22:54 |
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| 前半はハイスミス版「死の家の記録」。無実の横領罪で入獄した男と、救済に奔走する妻と弁護士。普通ならば正義 vs 不正の冤罪救済劇で話が進むだろうに、そこはハイスミス、男と妻と弁護士の三角関係が劇をいびつに歪める。後半、出獄後の三角・・いや、男の元上司を含めた・・四角関係の心理葛藤劇が続いた挙句に、ハイスミス恒例の衝動的殺人劇に急転し、さらにノワール-ピカレスク-サスペンスへ疾走する。まったく"勧善懲悪"しない・・いつもどおり・・ゆがみがよく。 | |||
| No.1085 | 9点 | 禁じられた館- ミシェル・エルベ―ル&ウジェーヌ・ヴィル | 2026/07/08 08:30 |
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| 1932年の作品。仏ミステリ史上、「黄色い部屋の謎」以来*の本格物だったとの事で、さっそく・・・
おぉおぉおぉ、こういうんでいいんだよ、いや、こういうのがいいんだよ。密室の不思議のみならず、解明後の感銘が心に残る、そんな満足、久々に味わわせていただきました ٩(*´꒳`*)۶ ・・「三つの棺」「殉教カテリナ車輪」以来と言ってもいいくらいかな・・ *て言っても、「黄色い部屋」(1907年)からこの作品までは25年。この作品からポール・アルテ(1986)までの半世紀の空白期間の方が長いなあ、フレンチ本格。そこいくと、なんだかんだ、"密室の灯"を消すことなかった我が国ミステリ文化、素晴らしきにあらずや。 |
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| No.1084 | 2点 | 女王様と私- 歌野晶午 | 2026/07/08 08:26 |
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| しまった、「ハサミ男」作者と勘違いし読んでしまった(+o+) 「葉桜の~」作家かぁ(>_<) | |||
| No.1083 | 6点 | ひとりで歩く女- ヘレン・マクロイ | 2026/07/04 22:04 |
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| 序盤1/3は半遺言の様な謎の手記、中盤1/3が船内での毒蛇殺人ミステリ、終盤の1/3で、大都会舞台のサスペンスフルなミステリ解明へ。
※ヘレン・マクロイってマーガレット・ミラーとかと「三大女流サスペンス作家」と称されたんだってね・・・うーん、サスペンス作家と言うより、本格ミステリ寄りの心理サスペンスとの"中道連合の人"って感じかな・・・ |
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| No.1082 | 4点 | 悪意の糸- マーガレット・ミラー | 2026/07/02 20:27 |
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| 「狙った獣」「鉄の門」に続けて、つい、同作家を読んでしまったが、"一気読みリーダブル”小説の人なのね、この作家。今回、ちと、サイコスパイス足りないが・・ | |||
| No.1081 | 5点 | 鉄の門- マーガレット・ミラー | 2026/06/30 23:31 |
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| "序破急"三部・・冷ややかな心理サスペンス → 診療ミステリ風サイコサスペンス急転 → ミステリ解明エンド・・三部構成のサスペンスミステリ。三部の表題は、猟(=行為)・狐(=ターゲット)・犬(=施行者)、って感じを狙ってるんだろうが、この組合せは・・探偵警部含め・・三重展開を意味するなあ。
※創元文庫(初版)の"登場人物一覧"、脇役姉妹(コーラ、ジャネット)の"姉妹"関係を誤植してるゾ。 |
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| No.1080 | 4点 | 狙った獣- マーガレット・ミラー | 2026/06/29 08:06 |
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| あまりに露骨にサイコホラーな登場人物、リチャード・ニーリイや我が国イヤミス祖先筋の様な描写、で、"驚きの人物トリック"エンド、へ。シンプルで"りーだぶる"なの良いが、ミステリとしてはちとシンプルに過ぎるかな、と。
※そっか、"大いなる眠り"や"さむけ"も、この作品の観点から見ると良いのか。 |
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| No.1079 | 5点 | インテグラル・ツリー- ラリー・ニーヴン | 2026/06/25 22:42 |
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| はるか未来の異宇宙。恒星太陽と連星する直径わずか20Kmの中性子星。その周りを環状チューブの如く廻り、酸素・水を含んだ巨大リング空間と、そこに浮かぶ長さ100kmに及ぶ"∫"形状の超巨大樹。巨大樹に棲息する、複数に別れた未来人類と、異世界生物たちの生態系SFにして、人格AI及び過去人類達からの由来を物語る宇宙"ハード"SF。古典「地球の長い午後」や最近読んだ上田早夕里「薫香のカナピウム」など、こういうタイプのSF、好物よ。 | |||
| No.1078 | 6点 | 変身の恐怖- パトリシア・ハイスミス | 2026/06/23 23:35 |
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| "訳:吉田健一"にホゥ(゚Д゚)、かの吉田茂の長男にして高名な英文学者だからね。それはともかく、心理サスペンス*が、海外放浪アーチスト文学を牽引して行く、パトリシア・ハイスミス王道・・代表作かもしれない・・と言えるかな。クライム小説としては、ウーン・・(ま、点数、オマケ)
*ラスコーリニコフと、彼を、とても司法目的とは思えない、個人的情念から追い詰めてゆく、官憲ポルフィーリーとの胸塞ぐ"サスペンス"駆け引き思い出す。 |
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| No.1077 | 5点 | 殺意の迷宮- パトリシア・ハイスミス | 2026/06/21 22:59 |
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| 海外放浪の証券詐欺師の四十路男。男の若い妻と、男に亡き父の面影を重ねる旅の若者。ほぼ偶然に異国ギリシア警官を殺してしまった男の、妻と若者を道連れにした逃避行が、ノワール倒叙ではなく、奇怪にしてありふれた三角関係葛藤の心理サスペンスに展開し、第二の衝動的な忿怒殺人を生じさせてしまう。"リプリー"の壮年青年並立ヴァージョンが、"父と子"悲劇映像を掠めて、シュールなカタストロフに急速・休息する。 | |||