海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

ねここねこ男爵さん
平均点: 6.44点 書評数: 138件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.18 6点 向日葵の咲かない夏- 道尾秀介 2017/10/13 21:26
ミステリではなく幻想小説です。最初からそのつもりで読めばなかなか面白いです。
おそらく、読書量と評価が反比例するでしょう。

No.17 9点 家日和- 奥田英朗 2017/10/13 21:21
この人がすごいのは、性別年齢層関係なく人間を書けることでしょう。
他作品の作者の言葉で「ふとした瞬間に表れる人間の小さな真実を書きたくて、ストーリーの皮をかぶっているのだ」というのがありましたが、まさにその通りの短編集です。気楽に読めて笑えて共感できてで文句なしにおすすめ。

ミステリの評価も高い作者ですが、この人はやはりコメディとエッセイでその真価を発揮する人だと思います。

No.16 7点 江神二郎の洞察- 有栖川有栖 2017/10/13 21:12
ファンブック的な性格がどうしても出てしまっていますが、それでも楽しめます。
有栖川有栖氏の文体の美しさを一番堪能できるでしょう。

ある有名作品の、誰しも引っかかってる欠点をフルボッコにしてるのと、登場人物の口から語られる作者の推理小説観は必読かと。

『桜川のオフィーリア』はある意味で最も有栖川氏らしいと思いますがいかがでしょうか?
個人的に裏ベスト短編です。

No.15 7点 十角館の殺人- 綾辻行人 2017/10/04 22:20
良くも悪くも有名なあの一文に全振り。
読者が推理する楽しみはほぼゼロ。

信者の方々には申し訳ないが、この作品はそれなりに過大評価されていると思う。

実際、本作を読んで衝撃を受ける人って実はリアルタイム以外ではそんなにいないんではないかと思う。「あ、このパターンか」って。
ただ、大きな流れを生み出した功績は計り知れない。間違いなく。

No.14 8点 殺戮にいたる病- 我孫子武丸 2017/10/04 22:03
どういったタイミングで出会うかで評価が分かれるであろう本作。

『叙述トリックって最近満ち溢れてるからソレだけだとディスられるし色々てんこ盛りしたろ!!』
『叙述トリックで得られる衝撃はサイコーゆえそれに全振りしたろ!!』

お手軽に衝撃を与えられる叙述トリックが氾濫し、それに伴って前者のスタンスの作品が支配的ですが、後者を楽しめるうちに本作に出会えるかどうか。

No.13 8点 月光ゲーム- 有栖川有栖 2017/10/04 21:52
学生アリスシリーズの一作目にして評価がイマイチの本作です。

①登場人物が多すぎ
②動機が納得しがたい(個人的にはそうでもないが)
③犯人に意外性がない
④③も含めて全体的に地味

あたりがその理由でしょうか。つまり作者の『若さ』が出てしまっているということなのでしょう。デビュー作ですし。
ただ、本作以降の学生アリスシリーズの高評価につながるもの、心意気が本作にはあり、この作者の他作品中の言葉を借りれば「どこまでも推理小説である推理小説」であろうとした結果なのだろうと思います。

クイーンのファンを公言する作者や法月綸太郎氏は、クイーンの作品を読んだとき「モノが違う」と感じたそうですが、自分にとっては本作がソレです。「何故この人が犯人なのか?」をきちんと説明してくれるミステリは本作が初めてでした(大半のミステリがやる『こう考えれば辻褄が合う』という説明になってない説明は大嫌いなので…)。

最近評価される推理小説はとにかく衝撃重視で、『意外でありさえすればいい犯人』『インパクトがあれば非合理でもよい真相』『それらを比較的簡単に表現できる叙述トリック』になりがちなところを、あえて古典的作法に忠実に書ききったことにこの作品の価値があるのだと思います。逆に、非論理的でも良いから衝撃だけ貰えればよいとする向きには低評価となるのではないでしょうか。

というわけで、『ロジックよりトリック』『どんでん返し!意外な犯人!衝撃の真実!』な人は読んではいけません。

No.12 8点 人それを情死と呼ぶ- 鮎川哲也 2017/10/04 21:37
時間、場所、人を一挙に誤魔化す離れ業のアリバイトリックとして有名な本作。それだけで必読かと。

松本清張が推理小説の非現実的な面をディスり手本を見せてやると執筆した「点と線」へのカウンター。

No.11 4点 乱鴉の島- 有栖川有栖 2017/09/30 23:55
魅力的な導入部分に対して、解決がちょっとあっさりしすぎな感。
登場人物たちの(ある意味高尚な)秘密と、ごくごく平凡下衆な犯行動機とのコントラストを狙ったのかもしれませんが…。
島や館の雰囲気だけで長編を引っ張るのはきつい。圧縮して中編ならもうちょっとバランスがよかったかも。惜しい。

No.10 4点 仮面山荘殺人事件- 東野圭吾 2017/09/30 23:42
二通りの解釈が可能な話を構築し、一方の可能性に触れた上で真相はより衝撃的なもう一つの方だった、というこの年代からしばしば見る形式です。
真相がある意味古典の焼き直しゆえ、エクスキューズとしてもう一つの可能性を提示しているのでしょう。が、評価できるのはそういう話を構築した労力に関してで、お話としては「ふーん」という感想以上のものはありませんでした。(メタ的な視点ながら)かなり早い段階でネタバレしがちなのもマイナスではないでしょうか。だって登場人物の行動が不審で浮いてるもん。

No.9 6点 図書館の殺人- 青崎有吾 2017/09/30 23:25
館シリーズ3作品の中では一番のおすすめです。
登場人物のキャラ設定も落ち着き読みやすいです。
ただ気になるところもあって、(①にネタバレを含みます)

①論理で犯人を特定するゥーンだ!!が強すぎて、犯人の行動が証拠を置きにいっているようにしか見えず不自然。
カッター周辺が特に。探偵がかなり細かいことを根拠にしているのでそれに習うと、
『それが現場に落ちるのを極力避けるために、とのことだがトイレまで移動する間はどうする?2階のトイレにしてもそれなりに移動しなくてはならない。どうにかして現場をトイレに隣接させたほうがよかったんでは』
『行動の言い訳として他に心理的理由があるかもと言っているが、探偵の推理どおりなら恐ろしく冷静にロジカルに行動する犯人であり、これは読者へのエクスキューズでしょう』
『ハサミなら最小限の切断が可能だろうが、カッターで紐状のものの先端だけ切るのはとても難しい。切断したい部位の両端を押さえなければならず、そうするとかなりの長さを切断する羽目になる。目撃されたら相当印象に残るし、後日長さを揃えるにしても店に行くわけにもいかない。さらに確実に現場に細かく舞うのでかえって証拠品を増やすことにしかならないのでは?』
2階のトイレまで落ちない事を前提にするなら、張り紙のテープの粘着力が残っている部分を破って抜け落ちそうな部分に貼り落ちないようにすることも可能では、とか色々あります。
おそらくクイーンの超有名作の『トラブル回避の些細な痕跡から特定』をやりたかったんでしょうが、それにオリジナリティを加えたろ!としてひねりすぎた結果かなり行動も推理も不自然で苦しい。

②他の方も指摘済みの通り、①を優先したため動機が??
個人的にミステリの動機はどうでもよい派(過去の復讐とか実は親子とかあとづけされてもなぁ)なのだが、ロジックと意外性を優先したため本作の場合とってつけた感が。
③ラストで一対一を書きたいのは分かるが、今作は特に無理やりじゃないか?

この辺気にならない向きは7〜8点の作品だと思います。面白かった。

No.8 6点 首無の如き祟るもの- 三津田信三 2017/09/28 23:24
それなりに面白かった。
が、よく出来ているのはメイン以外の部分で、本体はあまりにも目撃者に都合の良い目撃のさせ方をさせてるなぁ…と。そりゃあそこだけ切り取れば謎めいて見えるわな。その言い訳として目撃者を子供にしたんだろうけど。要はよくある『複雑な状況を作って都合の良い部分だけ切り取って見せて読者を混乱させる』タイプです。このタイプにありがちな解決で天才的探偵が快刀乱麻です。
本作のおかげで「『目撃者は子供』ネタの作品を書いたことがある作家は信用できない」ことを知りました。

No.7 8点 マジックミラー- 有栖川有栖 2017/09/28 23:17
この作者の2大シリーズもの以外では最高傑作では。
ロジックよりトリックに比重が置かれていますが、切符の指紋など細かいところまでよく出来ています。長さもちょうどよく、無駄な下りもほぼなし。人物も結構好きです。

有名な『アリバイ講義』ですが、個人的には講義本体よりもそのあとの推理小説観にグッときました。

No.6 6点 幻惑の死と使途- 森博嗣 2017/09/28 23:00
この作者一番のおすすめ。
魅力的な謎の設定、シンプルかつ効果的なトリック、最後の視点の転換によるカタルシスなど、この人らしくない。他作品だと目立つ登場人物のナルシス臭もありません。

No.5 8点 占星術殺人事件- 島田荘司 2017/09/28 22:40
メイントリックが秀逸。細かい部分もよくできていると思います。
某推理漫画に丸パクリされたのでトリックだけ知っているという人もいるかと思いますが、それを差し引いても楽しめます。
もっとも、最初の密室殺人での第一の推理(某推理漫画では真相になってたアレ)自体が海外の超有名短編まんまなのですが。もちろん作者は知っていて、そのため正解でなく否定される案にしたのでしょう。

冒頭の手記の凄まじい退屈さに我慢できるかどうかが全てです。

No.4 7点 りら荘事件- 鮎川哲也 2017/09/21 13:35
これでもかこれでもかと『推理小説によくある光景』を詰め込んだサービス精神旺盛トリック大盤振る舞いな作品。
『殺人現場に置かれたスペードのエース!』これですよこれ。
かなりたくさん殺されますが、一つ一つにそれなりに説得力を持たせてあるので違和感はなく楽しく読めます。
特に推理小説読み始めという人にものすごくおすすめ。

あと、初読時は「犯人を当ててやろう」とか思わず素直に楽しむことをすすめます。

(以下その理由 ネタバレ風味)
フェアであることを念頭に置いて書かれているため、『連続殺人の現場に次々置かれるトランプの謎』をまじめに推理するとかなり早い段階で犯人が分かってしまいます。そうすると「ああ、だからこの場面を描くことでこいつが怪しまれないようにしているのか」と思ってしまい興ざめです。

No.3 10点 星を継ぐもの- ジェイムズ・P・ホーガン 2017/09/21 13:16
文句なしにおすすめ。
とても魅力的な謎の設定と、その解決時におけるカタルシス。
専門知識部分も説明してくれているのでストレスなく読めるかと。
登場人物もみんないい人w

かなり古い作品のため、翻訳が少々堅苦しいかも。

No.2 10点 孤島パズル- 有栖川有栖 2017/09/21 12:51
タイヤの跡を起点とするロジックが超秀逸。
不合理なはずのタイヤ痕のせいで「変なことになったりはせえへん。犯人が判ってしまうんや」…
奇妙だが必然的な犯人の行動、事象を論理一本で解明していくのは圧巻。作者のベスト作品かと。

それから、この作品の密室は密室史上屈指の美しさだと思うがいかがか。

『ロジックよりトリック』『どんでん返し!意外な犯人!衝撃の真実!』な人は読んではいけません。

No.1 7点 体育館の殺人- 青崎有吾 2017/09/21 12:37
推理部分はかなり良くできています。
全体のテンポもよくサクサク読めます。
続編だとかなり鼻につくテンプレラノベ臭も、今作は気になりませんでした。

ただ、他の方も書かれているとおり放送室のロジックに穴があります。
それから、物証が『そのものずばり犯行の痕跡』なのか『犯人のミス』なのか『犯人の仕掛けた罠』なのかの判断基準がご都合主義的なのがほんのちょっと気になりました。
この作品に限らないやむを得ない部分だとは思うのですが、少し気を使って欲しかったかも。

全体的にはおすすめです。面白かった。

キーワードから探す
ねここねこ男爵さん
ひとこと
好き嫌いが激しいです

アンケートをよく作成する仕事柄、評価に『普通』はつけません。なので本サイトでめったに5点はつけません。

偶然が二回以上あったり、糸や機械を多用した現実味のない物理トリッ...
好きな作家
エラリー・クイーン 有栖川有栖
採点傾向
平均点: 6.44点   採点数: 138件
採点の多い作家(TOP10)
法月綸太郎(12)
有栖川有栖(12)
笹沢左保(10)
鮎川哲也(7)
岡嶋二人(6)
東川篤哉(5)
東野圭吾(5)
高木彬光(5)
中山七里(4)
エラリイ・クイーン(4)