皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
TON2さん |
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平均点: 5.65点 | 書評数: 330件 |
No.17 | 6点 | 数えずの井戸- 京極夏彦 | 2013/02/13 18:39 |
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中央公論社
番町皿屋敷の京極版リライトです。けっこう厚い本ですが、割合スラスラと読めました。 |
No.16 | 6点 | 厭な小説- 京極夏彦 | 2013/01/23 18:47 |
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祥伝社
著者で読んでしまいました。ホラーのようでもあるが、それとも少し違います。神経を逆なでされるような話がえんえんと続きます。読後感もあまりよくありません。装丁も厭な感じです。 |
No.15 | 6点 | 覘き小平次- 京極夏彦 | 2013/01/15 18:12 |
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中央公論社
江戸時代の幽霊役者木幡小平次を扱った怪談仕立てで、「嗤う伊右衛門」の系統につらなります。 巷説百物語の事触れの治平や四つ玉の徳次郎も登場し、又市も名前だけ出てきます。 人間としての喜びや悲しみ、哀しみ、怒りなどを失った者は、中身が空となり、生きていて死んでいるが如くになる。社会の中でどうにかして自分の位置を確かめるためには、自分は、俺は、私はといって、常に自分を意識していなければならない。また、そのような人々で構成される社会においては、異質の者がまじると、それがかえって恐怖となるという話です。 どちらかというと人間とは何かといった点について理屈っぽいですが、すべての登場人物の過去が最後に収斂していくのは、さすが京極夏彦のの筆力です。 |
No.14 | 9点 | 前巷説百物語- 京極夏彦 | 2013/01/07 01:46 |
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角川書店
小股くぐりの又市を中心に、山猫のおぎんや山岡百介などの昔が上手に描かれています。又市が御行の姿になった秘密もわかります。 ストーリーの展開、登場人物の絡まり具合、妖しのものの不思議さ、そしてわかりやすさと、作者の技量にただただ感嘆です。 |
No.13 | 9点 | 後巷説百物語- 京極夏彦 | 2012/12/28 18:37 |
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角川文庫
第130回直木賞受賞作。 「赤えいの魚」「天火」「手負蛇」「山男」「五位の光」「風の神」の6編。 明治に入り、警視庁巡査を中心とする4人の若者が、不可思議な事件の真相を老人に尋ねる。この老人一白翁こそ山岡百助です。 老人によって、不可思議な出来事は妖しのものの仕業ではないかと説明されますが、実は世に不思議なしで、それらは百助の昔の仲間御行の又市らのしかけにかかわっていました。 妖怪小説の新しい形での集大成で、文句なく面白かったです。 |
No.12 | 9点 | 続巷説百物語- 京極夏彦 | 2012/12/19 21:05 |
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角川書店
「野鉄砲」「狐者異(こわい」「飛縁魔(ひのえんま)」「船幽霊」「死神或いは七人みさき」「老人火(ろうじんのひ)」の6編。 日常生活の埒外にいる小股くぐりの又市たちが、仕掛けをほどこして事件を妖怪仕立てにしていきます。又市たちが自分の住む世界の領域をきっちりと決め生きていくさまは、ストイックでかっこいいと言えます。 連絡短編集で、ラストに向かって物語が収斂していくのは、さすが京極夏彦です。 小説を読んで、久しぶりに心から面白いと感じました。 |
No.11 | 5点 | 邪魅の雫- 京極夏彦 | 2012/12/10 18:07 |
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講談社NOVELS
待望の妖怪シリーズですが、京極堂が妖怪についての長い薀蓄をたれる場もなく、榎木津の破天荒な行動や、木場の活躍場面もないなど、不満がいっぱいです。 今までのシリーズのような、あっと驚くような発想の転換というものもなく、普通のミステリーになってしまいました。 この作品の世界が大好きなだけに、残念です。次回作に期待します。 |
No.10 | 8点 | 塗仏の宴- 京極夏彦 | 2012/12/10 17:10 |
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講談社NOVELS
宗教や心霊現象などが題として描かれ、妖怪とからまり、多方面の現象や事件が、最後に一つに収斂していくという構造は、いつもながらのことですが、百鬼夜行シリーズの一つの到達点だと思います。 |
No.9 | 9点 | 魍魎の匣- 京極夏彦 | 2012/11/26 20:59 |
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講談社NOVELS
京極堂シリーズ第2作。 匣、箱、函、笥。「はこ」に思いを込め、中味のない「はこ」自身にも意味と存在理由がある。 京極堂が語る、超能力者、霊能者、占い、宗教者の区別は、圧巻でです。作者は、常日頃からこういうことを考えながら生きているのだとすれば、普通じゃない。 映画も見ましたが、中国でのロケのため、どうしても日本国内に見えなくてがっかりしました。 |
No.8 | 8点 | 姑獲鳥の夏- 京極夏彦 | 2012/11/26 20:53 |
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講談社NOBELS
今思えばトリックはまるでバカミスですが、饒舌な京極堂がしゃべる内容の一つ一つが伏線となっていて、全くありえない状況ではあるけれど、よくできていると思いました。 映画も見ましたが、やはり映像化は難しい作品だったというのが感想です。 |
No.7 | 6点 | 陰摩羅鬼の瑕- 京極夏彦 | 2012/11/05 22:22 |
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(ネタバレ)
前作から待ちに待った京極堂シリーズです。 外界から隔絶された屋敷の中で育ったために、「死」という概念が欠けてしまったという一発トリックものです。 舞台が長野県の諏訪、白樺湖あたりなので、土地勘があり、面白く読めました。 「絡新婦……」「塗仏……」と比べると、大きくスケールダウンした感じが否めません。 |
No.6 | 8点 | 絡新婦の理- 京極夏彦 | 2012/11/05 21:19 |
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なんと文庫本で1389ページのサイコロのような本です。全くつながりのないような数多くの出来事を最後には一つに収斂させてしまう、本当にすごい筆力です。
このシリーズの頂点でしょう。 ただ、女子高生売春というのは、自分的には嫌いなカテゴリーなので、減点1. |
No.5 | 7点 | 巷説百物語- 京極夏彦 | 2012/11/05 21:16 |
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怪談・怪異のように見えて、それは計算されつくした小股くぐりの又市たちの仕業。
作者のスーリーテリングのすごさを感じます。 |
No.4 | 10点 | 鉄鼠の檻- 京極夏彦 | 2012/11/05 21:06 |
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箱根僧侶連続殺人事件。
禅宗に関するうんちくが満載で、個人的にはシリーズ中最も好きな作品です。 警察官が、山麓の旅館から山上の寺まで、毎日きつい階段を上り下りする繰り返しがたまらなくユーモラスです。 |
No.3 | 6点 | 嗤う伊右衛門- 京極夏彦 | 2012/11/05 20:58 |
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京極版四谷怪談。泉鏡花賞受賞作。
怖ろしさよりも、伊右衛門の無償の愛にせつなさいっぱいです。 |
No.2 | 7点 | 百器徒然袋 雨- 京極夏彦 | 2012/11/05 20:27 |
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エノさん大暴れ。京極堂の薀蓄にへきえきしている人にはお薦めかもしれません。 |
No.1 | 6点 | 狂骨の夢- 京極夏彦 | 2012/11/05 20:25 |
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講談社NOVELS
金色髑髏、真言立川流、南朝後醍醐天皇の末裔、古代の神タケミナカタノミコトの復活を図る神人、フロイトとユング、キリスト教の神・・・。 様々な謎がからみあい、最後に京極堂が憑き物をおとしてほぐしていくのが見事です。 ただ前2作に比べ、おなじみのメンバーたちの登場が遅く、この点がやや不満です。このシリーズは、奇矯な登場人物と、京極堂の薀蓄たっぷりの長口舌が面白いの名だと思います。 |