皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
蟷螂の斧さん |
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平均点: 6.09点 | 書評数: 1667件 |
No.367 | 6点 | 心理試験- 江戸川乱歩 | 2013/02/05 15:28 |
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東西ミステリーベスト(1985年版25位)、2012版ではランク外となる。短編の宿命でしょうか?内容的には好みのものでしたが。 |
No.366 | 5点 | D坂の殺人事件- 江戸川乱歩 | 2013/02/05 15:27 |
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動機については、当時としては秀逸だと思います。タブー?、衝撃的な内容?だったのかもしれません。ただ残念なのは、殺害に至る状況(自白)が省略されていることです。物音は立っていない、、着物の乱れもない、そして絞殺体がある。果たしてどのような状況でこうなったのでしょう? |
No.365 | 5点 | 二銭銅貨- 江戸川乱歩 | 2013/02/05 15:27 |
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東西ミステリーベスト100の24位(1985年版13位)と高評価ですが、それは歴史的意義での評価も多分にあるような気がします。現在のミステリー諸作品と比べてしまうと、どうなんだろう?と、どうしても思ってしまい、高評価を付けづらい作品でした。 |
No.364 | 7点 | 黄色い部屋の謎- ガストン・ルルー | 2013/01/30 21:00 |
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物理的密室は、あまり好みではありませんが、この手の心理的密室は楽しめることができました。古典の名作という意味がわかるような気がします。先駆的な作品に高評価をつけていますので、それ以前の「ビッグ・ボウの殺人」も読んでみたいと思いました。 |
No.363 | 5点 | ホッグ連続殺人- ウィリアム・L・デアンドリア | 2013/01/28 09:04 |
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読後感は、アイデアだけの作品?との印象。難点は、①事件の悲惨さが伝わってこない。②主人公が複数いる文章。結末(真相の理由)から①②はやむを得ない描き方(このように書かざるを得ない?)かもしれませんが・・・。犯人と思われる人物の行方不明も、HOGの仕業ではないかとのミスリードが弱すぎる。・・・と、結局アイデアは良いが、構成がよくない?ので、リーダビリティを感じることができませんでした。最後の1行で「あっ、これ読んだことがあった」と思い出しました(笑)。 |
No.362 | 6点 | 終章からの女- 連城三紀彦 | 2013/01/25 17:27 |
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(タイトル・女⑫)第一部では、罪を軽くしようと努力する弁護士と、重い罪を希望する犯人(女)との心理戦のような形で物語は進みます。第2部は刑期を終えた15年後に、まったく同じような事件が起こります。真相は、奇想に近いもので、アイデアとしては面白いのですが、やや納得できない気持ちもあり、微妙な感じですね。 |
No.361 | 7点 | 僕を殺した女- 北川歩実 | 2013/01/24 20:07 |
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(タイトル・女⑪)有一が、ある朝目覚めると、女性になっており、かつ5年後にタイムスリップしているというSF的設定です。これをSFではなく、論理的に解決するというもので、アイデアに+1点。なお、殺人事件も絡んでくるので、やや複雑になった感もありますが、楽しめました。 |
No.360 | 5点 | 見えない女- 島田荘司 | 2013/01/23 18:42 |
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(タイトル・女⑩)短編集(3作品)。本格ミステリー集ではありませんが、そのうちでは表題作がお気に入りです。カトリーヌ・ドヌーブが登場し、「シェルブールの雨傘」や「昼顔」を思い出しました。クールな美人というイメージが残っています。そのドヌーブの○○であったというお話。「一人で食事をする女」には、ノイシュヴァンシュタイン城のエピソードが挿入されています。ルートヴィヒが城を造るときの言葉「世界一美しいこの場所に建つ城は、世界一美しい姿をしていなくてはならぬ」・・・印象的な言葉です。 |
No.359 | 4点 | 泡の女- 笹沢左保 | 2013/01/22 20:42 |
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(タイトル・女⑨)主人公・夏子の夫は、父親殺しの容疑者として拘束されてしまう。夏子は、夫の無実を信じ、起訴処分までの3日間奔走する。無実を晴らすためには、父親の醜聞を世間にさらさなければならない・・・。想定内の結末で、本格色は薄く、女性心理を描いたサスペンスに分類されると思います。 |
No.358 | 9点 | わらの女- カトリーヌ・アルレー | 2013/01/22 09:56 |
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(タイトル・女⑧)1956年の作品。映画(1964年・ショーンコネリー、ジーナロロブリジダ)は、原作とは違い、勧善懲悪の結末だったと思います。ゆえに、本作の結末にはかなりの衝撃を受けました。古い作品なので、死体の処理など疑問点はありますが、主要登場人物3人で、これだけの作品をサスペンスフルに仕上げている腕前に感心しました。結末も好みで満足です。 |
No.357 | 4点 | 花散る頃の殺人- 乃南アサ | 2013/01/20 17:39 |
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「凍える牙」(直木賞)の女性刑事・音道貴子を主人公にした短編集(6編)。貴子がストーカーに狙われる「あなたの匂い」。ビジネスホテルで無理心中した老夫婦の、つらい過去を辿る「花散る頃の殺人」ほか。家族や自分の将来に不安を抱きながら、捜査(ひったくり、援助交際、家庭内暴力など)に追われる貴子の日常が描かれている。「あなたに不利な証拠として」(アメリカ版女性警官の日常)と比較してしまうと、評価は低くなってしまいます。 |
No.356 | 5点 | 口唇紋- 太田蘭三 | 2013/01/19 21:04 |
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銀行で強盗事件が発生。犯人がガラスドアにぶつかり、その時残した「口唇紋」を手がかりに捜査が続きます。一方、誘拐事件が発生。そして二つの事件が繋がりを見せてゆく・・・。テンポのよい会話とともに物語は進行します。誘拐事件は、ありがちな結末でした。以上「太田蘭三ワールド(自然描写と心地よさ)」でした。ご冥福を(2012.10没)。 |
No.355 | 5点 | 南アルプス殺人峡谷- 太田蘭三 | 2013/01/19 21:01 |
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死体の所持品の中にあった「毛ばり」(釣用)は年代物で、特注品。これを追うことが、事件解決の道へと繋がります。釣に関する小道具の使い方がうまいですね。 |
No.354 | 5点 | 餓鬼岳の殺意- 太田蘭三 | 2013/01/19 21:00 |
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裏表紙より「恋人のアキが婚約、釣部渓三郎との別れを告げる。二人の北アルプスへのお別れ山行を襲う猛吹雪。ピッケルを胸に突き刺された男の死体に遭遇。多摩川、南八ヶ岳で起こる新たな殺人。一本の線を鋭く見抜く」。キワドイお色気シーンの描写もありますが、全体にほんわかムードが漂います。謎は、後頭部に傷のある死体の周辺には、凶器、足跡がないというもの。主人公が釣が趣味なので、方法はすぐ想像がつき、わかり易いものでしたね。 |
No.353 | 5点 | 奥多摩殺人渓谷- 太田蘭三 | 2013/01/19 20:56 |
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2012年10月、83歳で逝去されたことを知り、書棚より取り出し、弔意の意味で書評。釣部渓三郎(釣が趣味の中年レジャーライター)とその恋人(ふたまわりも年下)のコンビ・シリーズです。主人公は、中年男性の憧れのような人物。ミステリーというより、テレビ番組を見るような気軽な読み物ですね。山岳描写や、二人の関係は楽しめました。謎は、死体のそばの籠ビクに、近隣では釣れないはずのアマゴが入っていたというものでした。 |
No.352 | 6点 | あなたに不利な証拠として- ローリー・リン・ドラモンド | 2013/01/18 21:16 |
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警察小説として位置付けられているようですが、謎解きのミステリーでも、サスペンスものでもありませんでした。5人の女性警察官の心の葛藤を描いた連作短編集(10編)です。うち「傷跡」は、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀短篇賞を受賞。2007年版「このミス」第1位ですが、ミステリーを期待して読むと肩透かしとなるでしょう。純文学として読んだ方があっているかも。いかにもアメリカらしい作品でした。 |
No.351 | 6点 | もっとすごい!!『このミステリーがすごい!』 - 事典・ガイド | 2013/01/18 18:21 |
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1988~2008のベストオブベスト(「このミス~」の各年20位以内の作品を対象に国内77名、海外73名の選者(プロ?)によるアンケート結果)。不思議なことは、この間の年間第1位作品(国内20作品)のうち11作品が、ベストオブベストの40位以内に入っていないことです。特に2003年以降1作品もありません。「半落ち」「葉桜の季節~」「生首に~」「~Xの献身」等です。選者の数と一人6作品までの投票の結果の影響でしょうか?。よくわかりません。ちなみにベスト10に入った作品に6作品中4作品を投票した人は3人、0作品の人は15人でした。なお、77名の選者のうち、自分の好みに近い人は1名と大学ミステリー研究会の一部だけでした。やはり、好みはかなり分かれるものですね。 |
No.350 | 5点 | 魔術師- ジェフリー・ディーヴァー | 2013/01/18 18:19 |
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ミステリーというより、エンタメ系になるのでしょうか。本物のマジシャン登場で、やや興ざめの感もありましたが、ストーリー展開は面白かったと思います。 |
No.349 | 7点 | 死化粧する女- 甲賀三郎 | 2013/01/16 22:45 |
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(タイトル・女⑦)犯行現場に、短時間のうちに夫々思惑のある6人の人物が登場する。現場では、それぞれの人物は鉢合わせはしていない。このプロットは良くできており、また伏線や意外性もあり面白いと思いました。昭和11年の作品ですが、古さは感じません。(ただし、旧かなづかい、円タク=タクシーなどありますが・・・)古い作品でも良いものがあるんだなあと感心しました。 |
No.348 | 4点 | 仮面の女- 阿刀田高 | 2013/01/14 19:16 |
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(タイトル・女⑥・再読)10篇のブラック・ユーモア集。表題作は。「女性はいろいな顔を持っている。恋人の前、知人の前、他人の前で様様な役を演じている。仮面の下に隠された女の小さな秘密とは?」・・・彼女は、確か近視のはずであるが、夫はそれを知らないらしい。ということは、○○を行ったことなど知る由もない・・・。全篇を通じ、切れ味は今一つでした。 |