皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
蟷螂の斧さん |
|
---|---|
平均点: 6.09点 | 書評数: 1667件 |
No.407 | 5点 | 火刑法廷- ジョン・ディクスン・カー | 2013/04/12 11:25 |
---|---|---|---|
(東西ミステリーベスト10位)ラストのV評決が評価されているようですが、興ざめでしたね。オカルトチックな雰囲気と、現実的なミステリーの解決が融合されていてよかったのですが・・・。 |
No.406 | 7点 | ABC殺人事件- アガサ・クリスティー | 2013/04/09 17:05 |
---|---|---|---|
(東西ミステリーベスト62位<1985年版ではランク外>)①ミッシング・リンク②犯人の隠匿方法をうまく利用していると思います。①②それぞれ単独では、先駆的作品があるようですが、本作品が有名になり過ぎていますね。①について、既読で面白いものがなかったので、あまり興味を持たなかったのですが、本作は楽しめました。 |
No.405 | 4点 | フランス・ミステリ傑作選(2)心やさしい女- アンソロジー(国内編集者) | 2013/04/08 12:23 |
---|---|---|---|
(タイトル・女22)フランス・ミステリの短編集(10編)全体的にもう少し毒気があるといいな、といった感じです。「埋葬爆弾」(ジャン・フランソワ・コートムール)浮気妻とその相手大統領の暗殺(飛行機の爆破)を計画するが・・・「心やさしい女」(カトリーヌ・アルレー)家に押し入ったならず者が死亡してしまい、女はバラバラにして埋葬することを計画・実行するが・・・「金の斧」(ガストン・ルルー)殺人のあった夜、夫は斧と洋服を洗っていた。犯人と思われるが・・・以上3編は楽しめました。 |
No.404 | 5点 | エジプト十字架の秘密- エラリイ・クイーン | 2013/04/06 21:51 |
---|---|---|---|
関係のない登場人物の物語が多く、散漫な感じを受けてしまった。もっとコンパクトにした方が犯人の意外性(ここは評価)が際立ったような気がします。首なしの磔や、追跡劇と派手なエンターテイメント系の割には、犯人推理の決め手(根拠や小道具の扱い方)の構築がイマイチと感じられた。 |
No.403 | 6点 | 神の灯- エラリイ・クイーン | 2013/04/04 14:36 |
---|---|---|---|
嶋中文庫(廃業)グレート・ミステリーズ5にて。①神の灯(エラリー・クイーンの新冒険)②マッド・ティー・パーティ(百一年の傑作集・・・自薦)③ひげのある女(エラリー・クイーンの冒険)④首つりアクロバット(同)の4編。折原一氏の鬼面村にて「神の灯」のネタばれ(家屋喪失)があり拝読。ネタばれしているので、どのような伏線を張っているのか、推理の根拠は?などを中心に読み進めました。このような読み方も面白かったですね。家屋喪失以外にも一捻りあり楽しめました。 |
No.402 | 5点 | 衣裳戸棚の女- ピーター・アントニイ | 2013/04/03 14:01 |
---|---|---|---|
(タイトル・女21)期待した分、肩透かしを食らったような感じです。バカミス?に分類されるのかな?。衣装戸棚の女が犯人であるか否か、また密室構築関与の有無についての、推理(状況証拠のみ?)がいまひとつ明確でないような気がします。 |
No.401 | 5点 | プラチナデータ- 東野圭吾 | 2013/04/02 14:13 |
---|---|---|---|
ありそうで、実際は不可能?という近未来(SF)的設定。2013.3映画化されたので拝読。監視システムなど、ハリウッド映画によくあるような感じでしたね。ストーリー自体は楽しめましたが、全体にアッサリしていて深みがないのかな~。まあ、多重人格がオチでなく、ホッとしたというところです。 |
No.400 | 5点 | 花の下にて春死なむ- 北森鴻 | 2013/03/30 15:19 |
---|---|---|---|
日常の謎は、どうも苦手で何冊かトライしているのですが、やはり肌に合わないですね。緊迫感がないことと、安楽椅子ものは、推理が想像でしかないような気がして駄目なのでしょう。本作の雰囲気は良いと思いました。 |
No.399 | 6点 | 悪魔のような女- ボアロー&ナルスジャック | 2013/03/30 09:50 |
---|---|---|---|
(タイトル・女⑳)古典のサスペンスものとして読むのがよいと思いました。現在では、ネタはわかり易いものですね。ラストの一言が余韻を残します。 |
No.398 | 8点 | 鬼面村の殺人- 折原一 | 2013/03/29 11:19 |
---|---|---|---|
著者の初期(1989年)の作品で、合掌造りの家消失を扱ったものでした。ドタバタ調で、得意の「叙述」はなかったですが、このような作品を書いていたことを発見でき収穫でしたね。横溝正史氏のパロディー化や、エラリー・クイーンの「神の灯火」(未読)のネタばれ(いいのかな?)もあり楽しめました。大どんでん返しのあとの一捻りもあり、満足です。 |
No.397 | 7点 | 隻眼の少女- 麻耶雄嵩 | 2013/03/28 09:12 |
---|---|---|---|
よく考えられた構成だと思います。連続殺人の動機や、犯人逮捕までの過程がイマイチ弱いと感じられたのは、本当の真相のためということが理解できました。ただ18年後の事件の動機は、あまり誉められたものではありませんね。 |
No.396 | 7点 | 水中眼鏡の女- 逢坂剛 | 2013/03/25 14:57 |
---|---|---|---|
(タイトル・女⑲)表題作は1987年とのことです。著者はエッセイで「読者を誤導するための間合いを計るのに苦労した。中には仕掛けがよく分からないという人も・・・」と談。解説者によれば”現在では「仕掛けがよく分からない」という読者は、それほど多くないのではないかと思われる。類似したタイプの仕掛けのヴァリエーションを専門的に案出する作家も、昨今は随分増えてきたのだから。これはある意味、時代に先駆けすぎた小説だったかも知れない。”とあります。その「仕掛け」を理解するまでに、かなりの時間を費やしてしまいました(笑)。残り2作品もブラックユーモア、サイコサスペンスで楽しめました。 |
No.395 | 6点 | 死神に愛された男- カトリーヌ・アルレー | 2013/03/24 09:47 |
---|---|---|---|
(タイトル・男⑨)フィアンセの浮気がもとで、人生が狂っていく若いデザイナーの物語です。著者の作品は、サスペンスものが多いような気がしますが、今回はちょっとした謎が2つばかりありました。後半に、若いデザイナーは、社長夫人との結婚又は出世という野望を持つのですが、そこへ対抗馬が現れ嫉妬します。この対抗馬の謎はあっさり判明してしまうのですが、最後まで謎のままの方が衝撃があったような気がします。惜しい感じですね。 |
No.394 | 6点 | オランダ靴の秘密- エラリイ・クイーン | 2013/03/22 15:03 |
---|---|---|---|
東西ミステリーベスト100での「国名シリーズ」の評価(○位)と本サイト<○点>との比較。「ギリシア棺」(23位)<7.67点>「エジプト」(42位)<7.05点>「オランダ」(圏外)<8.15点>。本作はベスト100では圏外ですが、本サイトでは、かなりの高評価がついていますね。自分としては、非常に珍しいこと(笑)なのですが、3つのヒントで犯人がわかってしまいました。今のところ、「ギリシア」>「オランダ」、次は「エジプト」に挑戦です。 |
No.393 | 8点 | ギリシャ棺の秘密- エラリイ・クイーン | 2013/03/20 21:34 |
---|---|---|---|
長編で読みごたえがありましたね。誤った推理があっても、論理的であり好感が持てました。(タダの推理としか、思えない小説がある中で・・・)裏のテーマが、ダビンチの絵画の真贋に関するものであり、非常に楽しめました。 |
No.392 | 7点 | 死の接吻- アイラ・レヴィン | 2013/03/18 17:10 |
---|---|---|---|
(東西ミステリーベスト13位)サスペンス感があふれており楽しめました。倒叙形式で物語は展開されますが、犯人が「彼」としか表記されていないところがミソでしたね。それが第2部での「驚き」に繋がります。当時としてはインパクトがあったと思います。(現在では、折原一氏の「叙述」に慣れ親しんでしまっているので不感症気味?(笑))第3部での長女との婚約までは良かったのですが、証拠、自白に至る過程はいただけなかったですね。 |
No.391 | 6点 | 法月綸太郎の新冒険- 法月綸太郎 | 2013/03/17 12:29 |
---|---|---|---|
「背信の交点」は松本清張の「点と線」を思い出させてくれました。「身投げ女のブルース」は偶然をうまく利用したトリックで感心しました。 |
No.390 | 5点 | だれも知らない女- トマス・H・クック | 2013/03/13 16:59 |
---|---|---|---|
(タイトル・女⑱)裏表紙より「死体となっても、彼女はなおかつ美しかった。南部の都市アトランタ、空地の夏草のかげで発見された若い女性はだれなのか?なぜ殺されたのか?市警殺人課のフランク・クレモンズの心に、その女のことがこびりついて離れない。不思議なのは、これほど人目をひく美女なのに、だれも知らないことだ。」刑事フランク・クレモンズシリーズ(3部)の第1作目。刑事は娘を亡くし、妻とも離婚、アル中気味とペーソスを感じさせる人物です。地道な捜査物語で、サスペンス感・ミステリー度はそれほどありませんが、文学的な香りが漂う小説でした。 |
No.389 | 5点 | 顔のない男- 北森鴻 | 2013/03/11 20:10 |
---|---|---|---|
(タイトル・男⑧)連作の短編形式をとっている長編です。一遍一遍の事件はそれほど謎はありませんが、それが最後にひとつに纏まってきます。オチ自体は、よくあるパターンですが、探偵の調査書(ノート)は、実は○○であったというのがミソだと思います。 |
No.388 | 7点 | オイディプスの刃- 赤江瀑 | 2013/03/09 20:24 |
---|---|---|---|
「東西ミステリーベスト100」の92位。本サイトに登録されていないのが驚きです。読後の印象は、なんともすさまじい小説だなあ、ということでした。刀研ぎ師が自殺?又は殺害され、その後に主人公の母親が自害、その後父親までが割腹自殺というものです。両親は、三兄弟のうち誰かが刀研ぎ師を殺害したものと思い自害した。三兄弟の言い分はそれぞれ違っており、まるで「藪の中」(芥川龍之介)の世界です。謎は①刀研ぎ師が残した言葉「少し苦しい。でも好きだ。」②誰が刀研ぎ師を殺したのか?ですが、ミステリー的解決を前面に出していない描き方で、刑事も出てきません。三兄弟の名刀「次吉」に翻弄される姿、並びに「香水」にまつわる兄弟の葛藤を中心に耽美的に描かれています。①の謎の真相はお気に入りですが、ミステリーの分類は難しいので「その他」としました。著者は、昨年6月に79歳で逝去されました。ご冥福を。 |