海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ SF/ファンタジー ]
目を擦る女
小林泰三 出版月: 2003年09月 平均: 6.00点 書評数: 3件

書評を見る | 採点するジャンル投票


早川書房
2003年09月

No.3 6点 糸色女少 2023/12/07 23:14
意味も分からない計算に従事させられる「算盤人」の主人公は、やがてそれがひとつの仮想現実であることを知る。算盤をハードウェアとする仮想世界という、人力計算機SFの中でもとのかくスケールが大きい奇想に、計算する行為の意味にまで踏み込んだ展開がポイントだ。
その他、ホラーあり、ハードSFあり、テレビゲームのトリビュートありと、SF媒体を象徴するがごとき多様な作品集であるが、書き下ろし「未公開実験」で登場人物がメタな突っ込みを入れるように、仮想世界を扱った作品が多いことも特徴。宇宙を論理遊戯の題材にするSF性と、現実が揺らぎ崩壊する恐怖が融合している。

No.2 8点 虫暮部 2021/07/20 12:22
 私にとって、小林泰三作品で最も忘れがたいのは「予め決定されている明日」であるようだ。“好き”とはちょっと違う。初読から十数年。世界の向こう側で忙しなく蠢く算盤人たちの朧な影は、私の頭の中にくっきりと刻み込まれたままである。嗚呼イヤだイヤだ。

No.1 4点 蟷螂の斧 2013/05/13 15:57
(タイトル・女25)仮想現実を描いた短編集(7編)。表題作「目を擦る女」・・・その女の言う世界が、現実なのか、夢の世界なのか・・・その世界におちいってゆく主人公。SFの世界で、やや好みから外れていましたので、この評価。


キーワードから探す
小林泰三
2024年07月
五人目の告白 小林泰三ミステリ傑作選
平均:6.00 / 書評数:1
2021年10月
逡巡の二十秒と悔恨の二十年
平均:7.50 / 書評数:2
2020年08月
未来からの脱出
平均:7.00 / 書評数:2
2020年06月
ティンカー・ベル殺し
平均:5.50 / 書評数:4
2018年12月
人外サーカス
平均:7.00 / 書評数:1
因業探偵 リターンズ 新藤礼都の冒険
平均:6.00 / 書評数:1
2018年07月
パラレルワールド
平均:5.00 / 書評数:1
2018年04月
ドロシイ殺し
平均:5.75 / 書評数:4
2017年06月
わざわざゾンビを殺す人間なんていない
平均:5.00 / 書評数:2
因業探偵 新藤礼都の事件簿
平均:7.00 / 書評数:1
失われた過去と未来の犯罪
平均:5.33 / 書評数:3
2016年07月
ウルトラマンF
平均:8.00 / 書評数:1
2016年06月
クララ殺し
平均:5.50 / 書評数:4
2016年02月
安楽探偵
平均:5.75 / 書評数:4
2015年12月
世界城
平均:6.00 / 書評数:1
2015年08月
記憶破断者
平均:6.50 / 書評数:2
2015年04月
幸せスイッチ
平均:5.00 / 書評数:1
2014年01月
百舌鳥魔先生のアトリエ
平均:7.00 / 書評数:2
2013年09月
アリス殺し
平均:5.33 / 書評数:9
2013年03月
見晴らしのいい密室
平均:8.00 / 書評数:1
2011年04月
天獄と地国
平均:8.00 / 書評数:1
2010年09月
完全・犯罪
平均:4.80 / 書評数:5
2008年03月
天体の回転について
平均:6.00 / 書評数:1
2008年02月
モザイク事件帳
平均:5.57 / 書評数:7
2004年08月
ネフィリム 超吸血幻想譚
平均:7.00 / 書評数:1
2003年09月
目を擦る女
平均:6.00 / 書評数:3
2002年05月
海を見る人
平均:7.50 / 書評数:6
2000年10月
奇憶
平均:4.00 / 書評数:1
1998年11月
肉食屋敷
平均:7.00 / 書評数:1
1998年07月
密室・殺人
平均:6.75 / 書評数:4
1997年06月
人獣細工
平均:8.00 / 書評数:1
1996年04月
玩具修理者
平均:6.25 / 書評数:4