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take5さん
平均点: 6.61点 書評数: 391件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.331 5点 でぃすぺる- 今村昌弘 2025/02/24 09:40
小6の男女3人が1年間を通して
関わりを深めていくジュブナイル
しかしノックスの十戒が出てきて
本格色を醸し出したところで迷走
と感じでしまいました。了見狭く
すみません。YAコーナーで発見、
400ページ長編を学生さん達が
果たして読むかと謎が残ります。

No.330 6点 統計でウソをつく法- ダレル・ハフ 2025/02/11 17:33
賢い消費者でいるために、
統計学の基礎を知る本です
古典的名著。数字の謎には
必ず恣意的な扱いが潜むと
まさにミステリーに対する
謎解きと同じ構図ですね✨

No.329 6点 ぼんくら- 宮部みゆき 2025/02/09 22:08
人間を声高でなく描ける宮部女史の
卓越した叙述と、短編を重ねる事で
大きな物語につなげるその緻密な策
ストーリーテラーっぷりに感服です

飢餓海峡や同士少女で出来なかった
ランキングに新しい血を送る計画が
達成されたのも嬉しい限り。現5位
→からの、戻り川アップの為現6位

No.328 6点 ふちなしのかがみ- 辻村深月 2025/02/09 12:20
辻村深月作品が好きです。
これはホラーミステリー、
短編5篇で構成されます。
八月の天変地異←最終話が
最も好みでしたが、すべて
SF(少し不思議)テイスト
最近の作品にも通じます。

No.327 7点 少女七竈と七人の可愛そうな大人- 桜庭一樹 2025/02/08 18:03
「女の人生ってのはね。母をゆるす、ゆるさないの長い旅なのさ。」

人物の関係が親子それぞれの視点で
えがかれる様が見事です。北海道の
一地域に暮らす、特別な容姿をもつ
二人の関係を軸に進む物語。見事な
描写心象の数々でした。流石桜庭氏

No.326 7点 終りなき夜に生れつく- アガサ・クリスティー 2025/02/02 13:22
私個人的にアガサ・クリスティ作品の中では、
『春にして君を離れ』がお気に入りなのですが
ノンシリーズとして本作も同様に評価します。

300ページまでスムーズに進む恋愛ミステリー
ラスト40ページで反転するのは叙述の力です。
しかし40ページはやや冗長かなとも思います。
80年前の作品で、古臭くないのはさすがです。

タイトルがキーワードになっていて、物語中盤
対役の女性が奏でるしらべ、読み終わってから
気づいていたのかと、ハッとさせられました。

No.325 7点 宿命と真実の炎- 貫井徳郎 2025/01/26 18:30
前作『後悔と真実の色』の続きなので
キャラの造形がはっきりしている分、
入り込みやすく600ページ一気読み
主人公西条がコンサル役で、代わりに
女性刑事が活躍する分かりやすい構成
ただし前作よりも古書店主などサイド
ストーリーも充実していて、三島から
推理するとかご都合主義健在ですが、
ガルシア・マルケスとか飽きさせない
工夫としていろいろぶっ込んでますね。
Whoダニット+Whyダニットとして、
複数の成りすましもなるほど納得です。

No.324 6点 去就- 今野敏 2025/01/25 20:47
私それほど読むのは遅くない人ですが
400ページを2時間強で読めるのは
シリーズならではのテンプレ展開故に
↑褒めてます。竜崎署長のブレの無い
姿にカタルシス(悲劇ではないが浄化)
そしてキャラ立つ戸高や伊丹の安定感
全て安心するエンタメの極致。これは
6作目ですが、今後もこのままですね
↑褒めてます。旧態依然男性限定で笑

No.323 7点 さよならドビュッシー- 中山七里 2025/01/19 17:23
ドビュッシーの『月の光』また
『アラベスク』の表現が繊細。
しかし話の筋自体はスポコン。
そしてひたすら読みやすい展開
およそ2時間半で読了でした。
終盤での謎解きもなるほど納得
中山七里のデビュー作として、
このミス大賞肩透かし無しです。
音楽を生業とする方は如何に?

No.322 7点 名探偵じゃなくても- 小西マサテル 2025/01/12 18:23
『名探偵のままでいて』に続く第二弾。
このミス大賞は私には微妙な事があり、
されど前作は良い意味で裏切られたので
今作もおおいに楽しみにしていました。

全五章からなる短編集ですが、第一章が
前作のおさらいで第二章からエンジンが
かかります。作者の古今ミステリー愛は
相変わらず端々に表れています。例えば
刑事コロンボの愛犬、『シンデレラの罠』
セバスチャン・シャプリゾも懐かしい!

正直、各章が短い為にご都合的な流れも
ありますが楽しめるので私は許容範囲。

名探偵が名探偵でなくなる日が遠からず
来そうです。それでも次回作を期待する
そんな作品です。大団円希望で如何に✨

No.321 8点 わたしたちに翼はいらない- 寺地はるな 2025/01/04 11:42
登場人物が、
なぜそのような行動をとるのか?
それはどの様に認知されるのか?
認知の変化は何がもたらすのか?

それぞれが学生時代を引きずって
生きている様が筆力高く描かれる
人生の機微こそミステリーです。

寺地はるなさんは人間を描いたら
名人だなと思う次第であります。

No.320 6点 後悔と真実の色- 貫井徳郎 2025/01/03 13:40
500ページを一気に読める
リーダビリティの高い警察物
カットバックの手法で犯人の
狂気が明らかになってきます

フーダニットで最後まで押す
勢いはありますがこの作者、
女性の描き方がご都合主義で
デビュー作品の書評に書いた
ように女性読者に受けなそう。
本庁捜査一課がホームレス迄
一気に行きます?三万でもつ?
あ、私男性故に一気読みです笑

No.319 6点 正しい愛と理想の息子- 寺地はるな 2025/01/02 11:13
「ああ、そうか。
とつぜん視界が開けた。
すべての愛は、正しくない。
正しい愛などというものは、
この世に存在しない。」

タイトルからの反転。主人公ハセが、
詐欺まがいの人生から気づく境地に、
私にも作品から気だるさ曖昧さと共に
やはり気付かされる事がある様です。

No.318 6点 慟哭- 貫井徳郎 2024/12/31 10:25
リーダビリティがかなり高い娯楽作
第4回鮎川哲也賞を近藤史恵『凍える島』
に敗れて獲れなかったデビュー作品。
叙述物としても優れていますし、警察物
社会派としてカルト宗教も描きます。

難癖をつけるとすると、主人公と女性の
遣り取りが、いかにも男視点で書かれ、
仕事の苦労やら背負ってる物の苦労やら
胡散臭いなあと女性読者や若い人に全く
受けないだろうなと、思う次第です。

No.317 8点 川のほとりに立つ者は- 寺地はるな 2024/12/29 16:20
「川のほとりに立つ者は、
水底に沈む石の数を知り得ない。」
※作中『夜の底の川』より

多くの物語がそうである様に、
傷ついた人々が他者に救われ、
そして再生していく。
そんな展開を希望する…

その思い込みこそが罪かもしれない。
作者は作中でそう語ります。

人は誰でも物事を一人称で捉えます。
ここでいう物語は現社会と同意です。
私たちはこの物語を読みながら、
主人公が、勇気を出して差し伸べた手を
振り払われた瞬間の、
痛いほどの恥ずかしさを、
いたたまれなさを追体験するのです。

見えている世界を反転させた時、
痛みと共にそれでも必要だったと
思える読後感を得られました。
読書の可能性を感じる222ページ✨

No.316 3点 死体の汁を啜れ- 白井智之 2024/12/29 12:31
はらわたといけにえの間の作品
いけにえには遠く及ばず、且つ
はらわたにも及ばない私的判断
グロがどうこうという前の問題
へぇというカタルシスもなくて
他の方とかけ離れた評価です。

No.315 7点 タイムマシンに乗れないぼくたち- 寺地はるな 2024/12/27 14:03
人はなぜ同調圧力を疑いながら
そこに屈してしまうのだろう?
人の心の機微を繊細に描く作品
全ての短編が心に残る200ページ
河合隼雄物語賞受賞作者による
素晴らしい物語の数々でした。

No.314 6点 エレファントヘッド- 白井智之 2024/12/22 16:25
『名探偵のいけにえ』の衝撃を
更に追求したらこうなったか!?

グロテスクです。前作よりも更に。
タイムリープという特殊設定で、
パズラーとして多すぎる伏線を
回収しまくりのために描写過多。
真相の一つ前のダミーも上手で、
ロジックを追求したのは分かります。
作者が賢いのも分かります。しかし
これを続けていくといずれ作者が
シスマを投与しないと書けなくなる
という危惧があります。
好みの問題でこの点数御免なさいね。

No.313 8点 今日のハチミツ、あしたの私- 寺地はるな 2024/12/22 09:36
「もし明日人生が終わるとしたら、
 きっとわたしは、喜ぶ。」
という主人公の碧の物語。
ラスト、
「まぶしく光っている方向を目指して、
 ゆっくりと自転車を漕ぎ出した。」
まで、
こうやってネタバレしても構わないほと、
綺麗事とは対極の人物描写。
「あさのはちみつ」がキーアイテムで、
誰の?何処の?何故そのネーミング?
これらが230ページあまりで見事に
描き切られます。
書き下ろし。
私も今朝ははちみつりんごトーストを
食べました。

No.312 6点 ラプラスの魔女- 東野圭吾 2024/12/15 10:25
6年前に読んでいた事すら忘れ、
筋を最初から楽しむという失態。
設定がSFを含むところが最高に
至らない理由ですかね。しかし
相変わらずリーダビリティの鬼。

この世の構成要素として欠けて
いい存在は何一つないという事
流体力学や社会学で証明されました✨

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take5さん
ひとこと
古今東西ミステリーは沢山ありますが、
すばらしい古典に出会った時、
人間が描かれている作品に出会った時に、
ああ読んでよかったと思います。
そういう作品に一つでも出会えればと、
このページを覗...
好きな作家
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採点傾向
平均点: 6.61点   採点数: 391件
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