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kanamoriさん
平均点: 5.88点 書評数: 2475件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.835 6点 歯と爪- ビル・S・バリンジャー 2010/07/23 18:01
返金保証付き一部袋とじミステリ。
魅力的なタイトルとサスペンス充分のプロットで、途中で投げ出す人はまずいないでしょう。
紹介文で煽る程の意外性は感じませんでしたが、奇術師の行動と法廷場面をカットバック方式で描く手法は新鮮で、トリックよりプロットで読ませる良質のミステリだと思いました。

No.834 7点 ジェゼベルの死- クリスチアナ・ブランド 2010/07/22 22:36
「東西ミステリーベスト100」海外編の90位は、「オランダ靴」と並んで、コックリル警部シリーズの第4作。
本書が、ブランドの持ち味が一番出た代表作ではないかと思います。
衆人環視状況の殺人の不可能性はいまいちピンとこなかったですが、首切断の動機は凄味を感じてしまった。仮説を立てては崩れ、コックリルの推理も外れ、終盤に容疑者が次々と”自白”していくところは、バークリーを彷彿とさせます。

No.833 7点 オランダ靴の秘密- エラリイ・クイーン 2010/07/22 22:08
国名シリーズの中では、とりわけフェア・プレイに徹したロジカルな作品という印象。
正に”読者への挑戦”を挟むにふさわしいパズラーですが、その分、「エジプト十字架」とか「ギリシャ棺」に比べると、ハッタリとか派手さがないので物語として起伏に乏しいと思いました。でも、解決編のロジックは非常に感心しました。

No.832 7点 リリアンと悪党ども- トニー・ケンリック 2010/07/22 21:52
疑似親子三人が企てる”誘拐劇”を基調に、スラップスティクスなドタバタが全編を覆っていて大いに笑える。
ウエストレイクの”不運な泥棒ドートマンダー”シリーズと同じテイストのクライム・コメデイの傑作。

No.831 4点 赤い館の秘密- A・A・ミルン 2010/07/22 21:36
のんびりした英国の田舎の雰囲気が漂う古典ミステリ。
トリック、プロットとも時代を感じさせる、もはや書誌的な価値しか見いだせない作品だと思います。

No.830 7点 九マイルは遠すぎる- ハリイ・ケメルマン 2010/07/22 21:28
ニッキイ・ウェルト教授シリーズの連作短編集。
表題作はあまりにも有名で、数語の会話文だけで思いもよらない結論を導き出す、安楽椅子探偵ものの名作。
収録作すべてがアームチェア・ディテクティヴではなく、「エンド・プレイ」など、正統派本格編としてよく出来ている。

No.829 7点 針の眼- ケン・フォレット 2010/07/22 21:13
第二次大戦終盤を時代背景に、英国潜伏中のドイツ人スパイを主人公にした冒険スパイ小説で、著者のデビュー作。
連合軍のD-デイ情報をヒトラーにいかにして伝えるか、サスペンス溢れる展開が続くが、孤島で出会う女性との交情は、後に、”ハーレクイーン冒険小説”と揶揄される片鱗も覗えて面白い。
本書のD-デイ情報を真珠湾攻撃情報に置き換えれば、佐々木譲「エトロフ発緊急電」になります(笑)。

No.828 5点 男の首- ジョルジュ・シムノン 2010/07/22 19:03
メグレ警視シリーズは、これと「黄色い犬」しか読んでいない(2作セットだったので)。たしか、脱獄囚を手引きする真犯人に罠を張るようなストーリーだったと思いますが、読書案内で紹介されている情感に訴えるような作風とは感じられなかった。
サスペンス小説としてはまずまずだったように思います。

No.827 6点 ナヴァロンの要塞- アリステア・マクリーン 2010/07/22 18:51
「東西ミステリーベスト100」海外編の80位は、戦争冒険小説の金字塔的作品。
おそらく団塊の世代のお父さん方にとって、冒険小説のバイブルでしょう。現在の人気は見る影もありませんが。
世界的登山家マロリー以下5名のミッション・インポシブルは非常にストレートな冒険小説。
最後の展開もマクリーンのお家芸でした。

No.826 6点 見えないグリーン- ジョン・スラデック 2010/07/22 18:34
素人探偵サッカレイ・フィン登場のシリーズ第2作。
70年代の米国では珍しい真っ当な不可能犯罪ものの本格ミステリで、最初のトイレの密室トリックなどユニークだと思います。
日本の新本格風のテイストもあるので、本格マニアには一定の評価を得られるのでは。

No.825 7点 別れを告げに来た男- ブライアン・フリーマントル 2010/07/22 18:22
チャーリー・マフィンシリーズの数年前に書かれた著者のデビュー作。
今作も、英国政府がソ連情報部に出し抜かれる様を描いたエスピオナージュの傑作で、短めの長編だけにキレは抜群。
ソ連からの亡命を求める二人目の科学者の目的はうすうす分かりますが、その方策が謎で物語のキモ。伏線がきっちり張られていて、まるでハウダニットの本格ミステリを読んだような感覚だった。

No.824 7点 復讐法廷- ヘンリー・デンカー 2010/07/21 21:55
スコット・トゥローの「推定無罪」以降、90年代に続々と出た法廷物のサスペンスですが、本書は、その数年前に出たリーガル・サスペンスの先駆的作品といえます。
これらは、いずれもメッセージ性を持つのが特徴で、本書のそれは”法で裁けない罪人”殺しでしょうか。被告人のリオーダン、青年弁護士ゴードンを始め裁判官、陪審員など造形も確かで、やはり法廷ものは人間ドラマの縮図を見るようで面白い。

No.823 5点 トレント最後の事件- E・C・ベントリー 2010/07/21 21:29
本格ミステリに恋愛を持ち込んでプロットの綾としたという事ですが、現在読めばごく普通のミステリ。
とりたてて、優れたアイデアはありませんでした。

No.822 6点 大穴- ディック・フランシス 2010/07/21 21:21
「東西ミステリーベスト100」海外編の73位は、競馬スリラー・シッド・ハレー初登場作品。
完成度では「利腕」に一歩譲るとしても、持ち前の英国冒険小説のテイストは同じで、”不屈の精神”を描いています。今作でのハレーが受けた肉体的苦痛はちょっと退きますね。

No.821 6点 ディミトリオスの棺- エリック・アンブラー 2010/07/21 21:03
トルコを訪問中の英国人作家が、死亡した国際的犯罪者・ディミトリオスの過去に関わるうち、謀略に巻き込まれるというストーリーでまずまず面白かった。
ディミトリオスの造形が少しづつ明らかになるにつれ、人間としてのスパイ像が浮き上がってきます。
荒唐無稽でないスパイ小説の先駆的作品。

No.820 5点 タイタニックを引き揚げろ- クライブ・カッスラー 2010/07/21 20:39
肩が凝らないスーパー・ヒーローものの冒険小説ですが、劇画ちっくでご都合主義のプロットは、ややシラケル。

No.819 7点 悪魔の選択- フレデリック・フォーサイス 2010/07/21 20:31
近未来ポリティカル・サスペンスの傑作。
ソ連の食糧危機に乗じた米欧の駆け引きから、KGB議長の暗殺を絡めた国際謀略を描いています。
今読むと、もはや「近未来」でないので、IF小説として古びれて緊迫感に欠けるきらいがあるのは止むを得ない。
しかし作者の緻密な取材力には感心します。

No.818 6点 シンデレラの罠- セバスチアン・ジャプリゾ 2010/07/21 19:09
「東西ミステリーベスト100」海外編の67位はフランス・ミステリの異色作。
「私はこの事件の探偵です、被害者です、目撃者です、そして犯人なのです。私は一体だれでしょう・・・」という惹句で話題をさらったサスペンス。今考えてみれば、主人公を記憶喪失にして、××ネタを使えば、この一人四役のプロット創作はわりと簡単だと分かりますが、当時は結構衝撃的でした。

No.817 6点 警官嫌い- エド・マクベイン 2010/07/21 18:53
ロングランの警察小説「八七分署」シリーズの第1作。
今作は、刑事たちの群像を描くことより、フーダニットの色合いを強く感じる。
ある意味、意外な犯人像ではありました。タイトルが巧いミスディレクションになっています。

No.816 6点 ホッグ連続殺人- ウィリアム・L・デアンドリア 2010/07/21 18:43
この当時の海外本格は低迷していたので、本書は一部で話題になったと思いますが、ミッシング・リンクものを逆手にとったアイデアは面白いものの、結末はどうしても拍子抜けの感を拭えない。

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