皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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kanamoriさん |
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| 平均点: 5.88点 | 書評数: 2475件 |
| No.975 | 5点 | ペンギンは知っていた- スチュアート・パーマー | 2010/08/09 21:03 |
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| オールド・ミスの女教師・ウィザーズが探偵役を務めるシリーズ第1作。
シリーズ長編は14冊あるも邦訳は本書のみのようで全貌は覗えないが、本書はコージー風ながら伏線がきっちり張られたオーソドックスな本格ミステリ。 ただ、同時代のエラリー・クイーンと比べるとロジックは比較的単純でパズラーとしての歯ごたえがあまりなかった。 |
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| No.974 | 6点 | 他言は無用- リチャード・ハル | 2010/08/09 20:36 |
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| 英国風ブラック・ユーモアが漂う軽ミステリ。
上流階級の社交クラブを舞台に、会員の不慮の毒死事件と脅迫状をめぐる騒動を軽妙なタッチで描いています。 米国風のドタバタではなく、なにげない言動や行動にニヤリとさせる上質のユーモアが持ち味で、個人的には「伯母殺人事件」より楽しめました。 |
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| No.973 | 6点 | 絞首人の手伝い- ヘイク・タルボット | 2010/08/09 20:06 |
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| 長編は2作しか書いていないが、オカルト趣向と不可能トリックでマニア受けをする作家です。
なんといっても発端の怪奇趣向の謎の提示が魅力的で、本書も死後2時間で腐敗する死体とか不可能性は巨匠のカーに劣らないと思います。ただ、大風呂敷を広げた謎に対して、トリックの真相がちゃちで小粒になっているのは「魔の淵」と同様で、若干拍子抜けの感もあります。 |
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| No.972 | 5点 | 殺人は広告する- ドロシー・L・セイヤーズ | 2010/08/09 18:47 |
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| ピーター・ウィムジイ卿シリーズの第8作です(ネタバレになるのかな)。
シリーズ作の初期数冊は読んでいないのですが、本書はコージー風というか通俗ミステリ臭を前面に出した異色作でした。都会的で軽めの作風はOKですが、ミステリ趣向の面であまり読みどころがない作品という印象です。 |
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| No.971 | 7点 | カリブ諸島の手がかり- T・S・ストリブリング | 2010/08/09 18:27 |
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| 心理学者ポジオリ教授シリーズの連作短編集。
西インド諸島の島々を舞台に、教授が遭遇する5つの事件が収録されていますが、ちょっと不思議なテイストの作品集です。 カリブ諸島の風習、宗教、人種などは興味深く読めますが、はたして、これが名探偵もののミステリといえるのかという感じを持ちながら、最後の「ペナレスへの道」で吃驚仰天。 かなり衝撃的な結末で、印象に残る問題作と言っていいでしょう。 |
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| No.970 | 6点 | 不変の神の事件- ルーファス・キング | 2010/08/09 17:44 |
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| 傑作とまでは言えないですが、ドタバタ風の逃亡サスペンスから最後にサプライズを仕掛けた本格ミステリで面白かった。
妻を自殺に追い込んだ脅迫者を殺してしまった夫と家族たち、彼らを追う捜査陣という通俗的ながら場面転換を多用したテンポのいい構成で、最後にワン・アイデアで驚かせてくれます。 戦前に、いくつか本格編を書いているようで、ちょっと気になる作家ではあります。 |
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| No.969 | 7点 | 検死審問ふたたび- パーシヴァル・ワイルド | 2010/08/08 20:57 |
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| 前作の構成をそのまま踏襲したプロットですが、陪審員のイングリスが主役級の活躍?をして審問をかきまわすさまが最高に面白く、まったく二番煎じの感はない。
引っ越してきたばかりの作家の焼死事件が今回の審問対象で、例によって関係者の証言がとんでもない方向に逸れていって、審問が長引けば日当が増えるスローカム検死官の思惑が見え隠れするのも笑えます。 これで伏線を張り巡らしたりっぱな本格ミステリに仕上がっているから不思議だ。 |
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| No.968 | 7点 | 八点鐘- モーリス・ルブラン | 2010/08/08 20:21 |
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| アルセーヌ・ルパンものの第3短編集。
レニーヌ公爵ことルパンが恋する女性のために8つの冒険を繰り広げるが、本格ミステリ作品集といっていいほどトリックが満載されています。 「テレーヌとジェルメーヌ」の密室トリックは後にヴァン・ダインやカーの作品にも応用されたもの。そのほか、アブナー伯父シリーズや乱歩の短編とほとんどトリックが被っている意外な殺人手段ものなど楽しめる。 |
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| No.967 | 7点 | 第二の銃声- アントニイ・バークリー | 2010/08/08 18:55 |
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| 国書刊行会の世界探偵小説全集で出て評判を呼び、一気にバークリー未訳本の翻訳ラッシュに火をつけた作品。
パーティの余興中の殺人で容疑者になった友人からの依頼で迷探偵シェリンガムが乗り出すというストーリー。 なんといっても友人のピンカートンの特異な造形が面白く、真相が分かってから再読すると、彼のいろいろな言動が皮肉なユーモアで真相を内包していたことが分かります。メインの仕掛けも、その手段をとる理由が某有名作品と比べて必然性がある点は評価できると思います。 |
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| No.966 | 6点 | こわされた少年- D・M・ディヴァイン | 2010/08/08 18:20 |
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| 普通の本格パズラーであれば、後半になって事件が動き出すあたりから小説が始まってもおかしくないのですが、冒頭の少年の失踪から、学校及び家庭の人間関係、事件の背景の説明などで小説の半分を費やすというゆったりとした展開は、ディヴァインの作風を知らないとちょっとついていくのがきつそうです。
二人目の被害者が少年の姉に言った「あなたは彼に似ていない」という伏線は面白いのですが、提示方法が巧くなく効果をあげていないのがちょっと惜しい。 トリックをほとんど使わず、ミスディレクションのみで意外な犯人の設定ということで、作者の特徴の出た作品だと思います。 |
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| No.965 | 6点 | はだかの太陽- アイザック・アシモフ | 2010/08/08 14:04 |
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| 「鋼鉄都市」に続く地球人刑事イライジャとロボットコンビによるSFミステリ第2弾。
今回は、ロボットが大多数を占める別惑星が舞台になっていて、密室からの凶器の消失という不可能トリックを扱っています。特殊世界の本格ミステリという点では前作と同じですが、真相はやや意外性に欠け、前作より出来は落ちる気がします。 ただ、惑星ソラリアに関する趣向はSF作家の本領が発揮されていて読ませます。 |
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| No.964 | 7点 | 死者の中から- ボアロー&ナルスジャック | 2010/08/08 13:45 |
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| この作品もボア&ナルの心理サスペンス・ミステリの傑作だと思います。
死んだはずの女性の出現というのは「悪魔のような女」を踏襲したかのようですが、その意味合いは全然違います。高所恐怖症の男という主人公の心情描写が丁寧に描かれていて、それが第2部で主人公が陥る悪夢の状況を際立てているように思います。 文庫は絶版のようですが、簡単に読めない状況はもったいない逸品です。 |
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| No.963 | 7点 | 悪魔のような女- ボアロー&ナルスジャック | 2010/08/08 13:20 |
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| ボア&ナル・コンビの合作ミステリ第1作で、サスペンスミステリの教科書のような作品。
逆にいえば、今では愛人と結託した妻殺しのプロットは定型すぎて、謎解きミステリとしては仕掛けがほぼ見えています。タイトルもある意味ネタバレ気味ですが、心理サスペンスの古典名作には間違いありません。 |
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| No.962 | 3点 | ゴールド1 密室- ハーバート・レズニコウ | 2010/08/08 13:00 |
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| 80年代に出たコテコテの密室ミステリということで、珍品ではありますが、文章の酷さ(翻訳の問題もある)で読み終えるのが非常に苦痛でした。
密室の中の被害者と重要容疑者というシチュエーションは、多分に「ユダの窓」を意識した状況ながら、トリックはいささか平凡。 探偵役の人物造形も酷い。 |
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| No.961 | 6点 | 衣裳戸棚の女- ピーター・アントニイ | 2010/08/08 12:49 |
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| 素人探偵ヴェリティものの本格ミステリ第1作。
さすがに、”戦後最高の密室ミステリ”という惹句は大袈裟ですが、誰もが考えつかなかったバカミス的解決法がユニークではあります。軽妙なユーモアと味のある人物造形でサラッと読めます。 |
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| No.960 | 6点 | メリー・ウィドウの航海- ニコラス・ブレイク | 2010/08/07 20:59 |
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| ギリシャ周遊の観光船上の殺人を扱った私立探偵ストレンジウェルズものの後期の作品。
容疑の船客たちが、いわくありげで過去に何らかのつながりがあるという設定で、最後は関係者全員を集めての謎解きというまさに正統クラシック・パズラーそのものでした。 金持ちの未亡人など登場人物たちの造形が面白く、何気ない描写が伏線になっていて、まずまずの佳作という印象です。 |
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| No.959 | 6点 | 死の殻- ニコラス・ブレイク | 2010/08/07 20:43 |
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| 私立探偵ナイジェル・ストレンジウェイズ登場のシリーズ第2作。
往年の名飛行士への脅迫・殺人事件を扱っていて、テーマは復讐です。足跡のない殺人のトリックは陳腐ですが、もともとトリック主体のミステリではなく、プロット自体の仕掛け(構図の逆転)がキモで、登場人物の性格描写がしっかりしているため、真相にも説得力があるように思いました。 |
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| No.958 | 7点 | 心ひき裂かれて- リチャード・ニーリィ | 2010/08/07 20:24 |
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| 小泉喜美子のエッセイで、ニーリィのミステリはフーダニットでも、ハウダニットでも、ホワイダニットでもない。謎そのものが謎だ、という趣旨の分析があったが、まさに同感。
精神不安定で暴行魔に襲われた主人公の妻を巡る心理サスペンスを、連続して発生する暴行事件を絡めて描いていますが、訳文の悪さもあり中盤まではちょっとリーダビリティに欠ける。しかしながら、隠されていた謎が判明する終盤のサプライズは相当のもので、作者の最良作だと思います。 |
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| No.957 | 6点 | 殺人症候群- リチャード・ニーリィ | 2010/08/07 16:17 |
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| 連続殺人もののサイコ・サスペンス、と思わせて、叙述の仕掛けで驚かすタイプのミステリ。
最近は類似趣向のミステリがいくつか出ているので、サプライズの程度は読書経験によって異なるでしょうが、少ない登場人物のシンプルなプロットながら、大きな驚きを与えてくれる逸品でしょう。 |
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| No.956 | 7点 | ロウフィールド館の惨劇- ルース・レンデル | 2010/08/07 15:29 |
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| 異常心理もののサスペンスの傑作。
サスペンス小説は、いったいどういった結末が待っているのかの興味で物語を引っ張っていくのが通常だと思うが、本書は冒頭でいきなり結末を明かしたうえで、物語が展開していく。 文盲という他人に知られたくない秘密をかかえた家政婦ユーニスの心の闇と崩壊の過程を描くだけで、ここまでのサスペンスをものにする作者はやはりスゴイとしか言いようがない。 |
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