皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
文生さん |
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平均点: 5.85点 | 書評数: 456件 |
No.18 | 5点 | 死者のノック- ジョン・ディクスン・カー | 2023/06/23 22:20 |
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密室トリックに関しては不備が指摘されているものの、個人的にはアイディア自体は悪くないと思います。ただ、長篇でメインをはれるほどものではなく、どちらかといえば短編向きかなと。また、多くの人が指摘しているようにフーダニットミステリーとしては悪くありません。もっとも、それがいまいちミステリーとしての面白さに結びついていないというか、どうにも盛り上がりやケレン味に欠けている感じがします。カーのなかではかなり印象の薄い作品。 |
No.17 | 6点 | 猫と鼠の殺人- ジョン・ディクスン・カー | 2023/06/23 22:02 |
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不可能犯罪も怪奇趣味もなく、カーの作品としては地味ですが、ストーリーに緊張感があり、ヒネリの効いた皮肉な展開は十分に楽しめました。トリックに関しては可もなく不可もなくといったところ。 |
No.16 | 3点 | アラビアンナイトの殺人- ジョン・ディクスン・カー | 2023/06/23 21:41 |
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話が長い割に大した謎もなく、そのうえ、同じ事件を3人の視点から描かれるのだけど、どれも劇的な違いがあるわけでもないので読んでいてとにかく退屈でした。真相も凡庸で『盲目の理髪師』に並ぶつまらなさ。 |
No.15 | 4点 | 疑惑の影- ジョン・ディクスン・カー | 2023/03/11 13:12 |
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カー後期の作品としてはミステリーの仕掛けは悪くないものの、探偵役のハドラーに魅力がなく、話が盛り上がらないのが致命的。フェル博士をわき役に配置したのも中途半端で、できれば純粋なフェル博士シリーズとして読みたかった。 |
No.14 | 4点 | 死時計- ジョン・ディクスン・カー | 2023/03/05 10:54 |
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眩惑的な雰囲気は悪くないのですが、とにかく描写や説明がわかりにくい。そのため、フェル博士の推理を聞いても全くピンときませんでした。自分の中では雰囲気だけの作品という評価。 |
No.13 | 8点 | 曲った蝶番- ジョン・ディクスン・カー | 2023/03/05 10:49 |
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周囲に誰もいない開けた空間で、男が突然喉を掻き切られて死亡するというとびきりの不可能犯罪が登場します。しかし、このトリックはいくら何でも無理ありすぎて到底うまくいくとは思えません。エドワード・D・ホックが行った密室長編ミステリーを対象とした人気ランキングでは『三つの棺』『魔の淵』『黄色い部屋の謎』に次いで4位にランクインされているものの(5位は『ユダの窓』)、不可能犯罪という部分だけを切り取ればカーの作品の中でも最低クラスです。その代り、ケレン味たっぷりに語られ、二転三転する物語の面白さはその欠点を補って余りあります。むしろ、物語の雰囲気に荒唐無稽なトリックがうまく溶け込んでおり、欠点が欠点でなくなっているほどです。カーのストーリーテリングのうまさが存分に発揮された傑作。 |
No.12 | 3点 | 盲目の理髪師- ジョン・ディクスン・カー | 2021/09/27 21:17 |
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ドタバタ劇にまったく面白味を感じられず、読むのが苦痛に感じました。
そのうえ、真相もパッとしなくてがっかり。 個人的には30年代カーのワースト作品です。 |
No.11 | 5点 | 連続殺人事件- ジョン・ディクスン・カー | 2021/08/31 21:56 |
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SF作家のアシモフが実現不可能なトリックだと指摘したことで有名な作品です。しかし、カーの勘違いがあったのは確かですが、必ずしも実現しえないトリックだとは個人的には思っていません。ただ、それとは別にトリック+偶然で不可能状況が成立してしまう(完全な偶然ならいいのですが作為的なトリックと偶然が混じった結果の不可能状況はご都合主義に感じてしまう)作品はあまり好きではないので点数は低めです。
なお、もう一つ別の密室トリックもでてきますが、こちらは小粒で全体の評価を押し上げるほどではありません。 |
No.10 | 5点 | 帽子収集狂事件- ジョン・ディクスン・カー | 2021/08/31 21:18 |
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エドガー・アラン・ポーの未発表原稿の話が出たときはワクワクしましたし、帽子収集狂の存在はミステリアスで、霧のロンドン塔での殺人もそこはかとない不気味さがあっていい感じです。しかし、それらが一体となってどんどん面白くなっていくのを期待していたのに、それぞれの要素が大して交わることもなく、えらく地味なところに着地したのにはガッカリしました。
メインの事件のトリックもそれなりによくできてはいるものの、乱歩のいう「密室以上の不可能トリック」と呼べるようなものではありません。魅力的な要素は多々あるものの、全体としては凡作の域を出ない作品です。 |
No.9 | 5点 | 四つの兇器- ジョン・ディクスン・カー | 2021/08/27 02:42 |
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1932年の『蝋人形館の殺人』以来、5年ぶりのバンコランものですが、なぜあえてバンコランなのか意図が図りかねる作品です。かつてのバンコランものにあった悪魔的な雰囲気も皆無ですし、これならフェル博士でもよかったのではないでしょうか。
また、四つの兇器を巡る謎はそれなりに興味をそそられたものの、ミステリーとして驚くような仕掛けがあるわけでもなく、終わってみれば可もなく不可もなくといったところです。 |
No.8 | 5点 | 囁く影- ジョン・ディクスン・カー | 2017/11/01 15:51 |
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カー中期の佳作という位置付けの作品で確かに全体のプロットはよくできている。しかし、個人的には最初の不可能犯罪のトリックと犯人が瞬時に分かってしまったのでその時点で興が削がれてしまった。というか、あそこで用いられた手法は不可能犯罪における基本トリックのひとつなのでカーを読み慣れた人であれば誰でもすぐにピンとくるのではないだろうか。それを前提に読むと第2の殺人における展開もさほどサプライズではなくなり、高い評価は与えられなくなってしまう。 |
No.7 | 8点 | 緑のカプセルの謎- ジョン・ディクスン・カー | 2015/03/06 13:09 |
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カーといえばおどろおどろしいオカルト趣味、ベタベタなスラップスティック・コメディ、大仰な密室殺人といったコテコテな要素が満載で手にしただけでお腹いっぱいになりそうなイメージがあります。
しかし、本作はそうした過剰な装飾物はなく、パズラーとしてすっきりした仕上がりになっています。プロットも実に良くできており、読者をだます手管はこれ以上ないというほど巧妙です。 中期の作品では他にも『皇帝のがき煙草入れ』『貴婦人として死す』という本書と同様の魅力を持つ傑作があり、カーは苦手だが、パスラーは好きという方におすすめです。 |
No.6 | 6点 | 魔女の隠れ家- ジョン・ディクスン・カー | 2012/04/07 13:10 |
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1930年のデビューからの数年、雰囲気優先でミステリとしての面白味に欠けていた初期と1934年の『プレーグ・コートの殺人』以降、傑作を連発した全盛期とを繋ぐ過渡的作品。
トリック自体は地味だが、おどろおどろしい雰囲気にミステリ的な仕掛けが有効に作用しており、バランスの良い作品に仕上がっている。 |
No.5 | 6点 | 夜歩く- ジョン・ディクスン・カー | 2012/04/06 10:08 |
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カーのデビュー作。
往年の作品と比べるとミステリとしては色々と物足りない作品だが、強烈な怪奇性をはじめとしてストリーテラーとしての才は垣間見ることができる。 荒削りではあるが捨てがたい味のある佳品。 |
No.4 | 2点 | テニスコートの謎- ジョン・ディクスン・カー | 2012/04/05 14:41 |
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カー作品における足跡のない殺人ものといえば、『白い僧院の殺人』と『貴婦人として死す』、それに本作が挙げられるが、この作品は他のふたつと比べて出来は大きく劣る。
肝心のメイントリックが全く面白味がない上に推理小説として他に見るべき点もない。 カーの長編の中でもかなりつまらない部類の作品である。 |
No.3 | 7点 | 皇帝のかぎ煙草入れ- ジョン・ディクスン・カー | 2012/04/03 01:44 |
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極めて巧妙な作品だと思いますが、misty2さんと同じく真相に気づいてしまったのがなんとも残念。
小説自体はカーにしてはケレンに乏しく、これを物足りないと感じるか、読みやすいととるかで評価が分かれそう。 |
No.2 | 7点 | 死者はよみがえる- ジョン・ディクスン・カー | 2010/01/19 14:20 |
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本格ミステリとしてはアンフェアもいいところなんですけどこの堂々としたアンフェアっぷりが逆に面白かったですね。
まあ、それもカーに愛着があればこそで、もしこれがこの作品ひとつしか書いていない作家のものなら壁に本を投げつけていたかもしれませんけど。 |
No.1 | 5点 | 三つの棺- ジョン・ディクスン・カー | 2010/01/19 14:16 |
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中学生の頃に読んだ作品。
事件そのものは謎だらけでワクワクしたのですが、トリックは無理に無理を重ねた感じでかなりがっかり。特に犯行時間錯誤のトリックはそりゃ無茶でしょうと言いたくなる代物だった。なにより問題はリアリティ云々よりもトリックがごたごたしすぎて分かりにくかった点。そのため、真相が明らかになった時に素直に驚くことができなった。唯一感心したのは「2発目はおまえにだ」という台詞によるミスリード。あの真相の反転だけは素直に感心できました。 カーの代表作ということになってますが、『ユダの窓』や『火刑法廷』などに比べるとかなり落ちる出来に感じました。 |