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まさむねさん
平均点: 5.89点 書評数: 1282件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.42 5点 ジェネラル・ルージュの伝説- 海堂尊 2010/05/10 23:02
表紙に「海堂尊ワールドのすべて」とあるとおり,海堂ワールドを振り返りたい(又は知ってみたい)方にはお薦めですね。
特に「作者の歴史(の前半)」と「自作解説」が面白い。「心に響く名ゼリフ」も,ちと笑いを誘って(?)何気に良かった。
なお,収録中編「ジェネラル・ルージュの伝説」は,速水ファンには楽しめると思う。もっとも,ミステリーではないですけど…。

No.41 6点 列車消失- 阿井渉介 2010/05/08 22:05
「列車消失モノ」結構好きなんですよね~。
終着駅に着いてみたら,車両が乗客もろとも1両消えていた!
犯人は,身代金の受け渡しに寝台特急を指定!
その寝台特急の中で…
いやぁ,弱いんですよね~。この設定ってば!
(以上,中盤までの感想。以下,読後の感想。)
トリックの評価は,なんといいますか「微妙…」。
「本格」好きの方からは厳しい意見もありそう。
社会派テーマも,好き嫌いありそう。(嵌らないひとはとことん嵌らないと思う。)
舞台設定に関する個人的な「弱いんですよね~」があったからこその,この点数ということでご理解ください。

No.40 5点 Pの密室- 島田荘司 2010/05/05 18:49
個人的には「鈴蘭事件」の方が良かったですかね。サラッと楽しめましたから。幼稚園児って設定は…まあ面白かったから良しということで。
表題の方ですが,建物見取図が「一部ずつ」開示されている時点で…。小学校低学年の御手洗が「占星術」時代よりも圧倒的に「オトナ」であったところが見どころでしょうか…。ちなみに,私は,人間味のある占星術時代の御手洗の方がいいなぁ。

No.39 5点 疑惑- 折原一 2010/05/04 23:59
軽いタッチで読み進めやすい短編集。
現実的にどうかとか,そんなことを考えず読み進めていくのが良いかしれませんね,この作品は。

No.38 5点 上高地の切り裂きジャック- 島田荘司 2010/05/01 22:55
中編2本で構成。
いすれの事件も「謎の不可解レベル」は申し分なし。
(以下,ネタバレ含む。)
ただし,「上高地の~」については偶然性があまりに強すぎる感が(しかも何となく2時間ドラマっぽい),「山手の~」は強引すぎる感が(隠し通路って…),それぞれ否めないような気がします。

No.37 5点 絶叫城殺人事件- 有栖川有栖 2010/04/29 09:16
6つの短編集。すべての短編名が,「『建物名』殺人事件」で統一されています。
ちなみに,建物名が付されているからといって,「密室モノ」に特化しているわけではありません。
一番よかったのは,表題にもなっている「絶叫城殺人事件」。
トリック云々でなく,雰囲気としては「黒鳥亭殺人事件」も好きですね。
その他の短編は…標準レベルでしょうか。

No.36 10点 占星術殺人事件- 島田荘司 2010/04/18 18:11
その後の作家に与えた影響も考えると,日本ミステリ界の至宝といってよい作品。
しかし,改めて某少年漫画の罪深さを感じる…

No.35 6点 むかし僕が死んだ家- 東野圭吾 2010/04/16 22:14
舞台移転が基本的になし,登場人物2名のみ,あとは日記と手紙…。この限定的な状況下で読ませてしまうのは,さすがとしか言いようがありません。
(以下ネタバレあり)
ただし,当初から「出生(というか幼年期の)失われた記憶探し」という,結末が一定程度想像しやすい謎であるせいなのか,はたまた「猫」や「玄関脇の絵画」等の伏線が分かりやすすぎるせいなのか,それとも日記や手記の記述がいかにも“叙述トリックですか~”のせいなのか,いずれにしても驚愕の結末ではなかった。むしろ,「彼は結局のところ無関係なわけね。ある種騙された!」
でも面白かったですよ。

No.34 8点 秘密- 東野圭吾 2010/04/11 17:49
純粋なミステリではないので,この点数にしましたが,小説として見れば秀逸。素晴らしい。
切ないし,泣ける。
主人公も妻も娘も,結婚相手も,みーんな切ないなぁ。読み終えた後,「秘密」の真意を噛み締め,しばしため息が…。ホントにこれで良かったのかな~などなど考えながら…

No.33 7点 赤い指- 東野圭吾 2010/04/10 21:42
ミステリ要素云々は置いておきまして,純粋に良作。
教育・介護・家族…考えさせられますね。本当に東野さんは,うまい。
加賀恭一郎もピタリはまってますしね。いとこの松宮も良い。
後半はページをめくる手が止まりませんでしたが,ミステリ性を期待していた人はどうなんだろう?人間ドラマとして読んだほうが楽しめるかもしれません。
しかし,馬鹿餓鬼とその母には相当ムカムカしますよ。ご覚悟を。

No.32 5点 笑う警官- 佐々木譲 2010/04/10 21:25
テンポがよく,楽しめました。
ただ,実際の事件をヒントにしている割には,現実感がない。警察の隠蔽体質はそのとおりなのだろうが,百条委員会への証人出席阻止のために「射殺命令」を出しますかね。近未来国家が舞台ならいいのですが…完全に現在を舞台にしてるしなぁ。
それと,「うたう警官」から「笑う警官」と改題したことについては,他の方と同様に意味不明です。絶対に「うたう」の方がしっくりくる。あとがきに,角川春樹顧問から改題の打診を受けたと書いていますが,言い訳でしょうか?組織内(?)力学に弱いとすれば,作風と相当に違うような気が…ああ!むしろ弱いからこその,この作風なのか!
なんてことまで考えてしまいました。

No.31 8点 水車館の殺人- 綾辻行人 2010/04/03 17:35
全体の雰囲気は,大変素晴らしい。
まあ,主人が仮面をかぶっているあたりとか,死体がバラされているあたりとか,すべて「想定内」のトリックではありますが,その散らし具合、パズルのピースを丁寧に当てはめていくような解決までの構成力は,改めて評価されてもよいと思う。
現在と過去が交互に語られる構成も,私は好きです。

No.30 7点 背の眼- 道尾秀介 2010/03/24 23:13
「ホラーサスペンス大賞特別賞」受賞作品であるが,作品構成は,ホラーサスペンスというよりも「本格ミステリ」と言っても決して過言ではない。冒頭からのいくつもの謎,慎重な(むしろ慎重すぎるかな…)伏線,そしてそれらの謎と伏線を不足なく回収した上での理論的な解明。デビュー作品としては,特に構成力という面において,相当良質な作品であると思う。
無論,全体的に冗長すぎるし,表現の拙さも多々ある。さらには,某作家の某シリーズとの露骨ともいえる類似性など,否定的な視点で見れば,色々と意見はあるかと思う。
しかし,そこを敢えて脇においてこの作品を読んでみたい。この作家のその後の評価・活躍を十分に予測させる潜在能力を感じたのは私だけでしょうか。

No.29 5点 花と流れ星- 道尾秀介 2010/03/21 10:40
どの短編も決して悪くはないのだが,作者の他の長編に比べればキレもパンチ力も物足りない。
「流れ星のつくり方」は,作者らしさを感じたが。やはり「少年主人公モノ」に長けているのでしょうか?

No.28 6点 深追い- 横山秀夫 2010/03/19 21:03
お得意の県警+個人心理+短編モノ。
地味で渋い短編ぞろいだが,すべての作品が平均点を軽くクリア。この安心感というか安定感はすごい。

No.27 5点 ジーン・ワルツ- 海堂尊 2010/03/18 20:42
唯一といってもよいミステリー的要素の「答え」はすぐに察しがつく。ミステリーの色合いは相当に弱い。
しかし,さすが現役医師の作家らしく,非常にトピックでかつ国民的に関心が高いテーマについて,専門的知識をうまく織り込みながら構成されており,純粋にためになったし,楽しめた。
ロジカルな議論で相手を打ちのめすシーンとか,司法や某省庁をけちょんけちょんに書き落とす「海堂節」は,かなり食傷気味なのですが…まあそれはそれで。

No.26 6点 犬はどこだ- 米澤穂信 2010/03/08 21:30
基本的に探偵と助手の2視点での一人称ですが,何ら違和感なく入り込めます。(まあ,読者としては両視点での情報を入手しているだけに、「互いに報告しとけよ」っていうもどかしさもあるでしょうが…)また,時折織り込まれている,チャットやログなどの「電子的文章」がいいアクセントになっており,素直に読み進めやすいですね。
後半~ラストは,好みの問題もあると思いますが,私は「余韻」というよりも,やや中途半端なイメージが残りました。
しかし,各キャラクターがなかなか魅力的で,純粋に楽しめます。シリーズ化が楽しみ。

No.25 7点 動機- 横山秀夫 2010/03/05 21:41
さすが短編の名手。内面の葛藤を描く巧みさには脱帽です。
よかった順に,逆転の夏⇒動機⇒密室の人⇒ネタ元 でした。
特に「逆転の夏」は,横山氏にしては珍しく(?),「職業人」モノとは異なった視点で深みのある作品。
逆に「ネタ元」は標準レベルかな?ということで,総合的にこの採点となりました。

No.24 5点 そして名探偵は生まれた- 歌野晶午 2010/03/01 23:07
4つの中短編。作品ごとに差がありすぎ(?)と感じたため,採点は控えめになりました。
よかった順に書評を。(一部ネタバレあり)
①「生存者、一名」
 スリルもあり,「なるほど」と思わせる箇所もあり,超良作。中編でここまで表現できるのは素晴らしいのヒトコト。読後の余韻の中,「題名」について考えざるを得ないあたり,さすが歌野さん。
②「館という名の楽園で」
 結構前段階で「館」トリックが概ね分かってしまう方が多いのでは… 中編で「館モノ」にアタックした意気込みと,ラストの仕掛け(?)は買います。
③「夏の雪、冬のサンバ」
 トリックにかなり無理があると思いますが(傾きすぎ!),国際色豊かな点は悪くないかな?(まあミスリードの一部ですが)
④「そして名探偵は生まれた」
 作者の「ねらい」はどこにあったのか、ややつかみかねますね。中途半端な印象が…。

No.23 8点 葉桜の季節に君を想うということ- 歌野晶午 2010/02/22 21:52
例の叙述トリックのインパクトが強く(きれいに騙されました…),そこだけに目がいきがちですが,それ以外にも「歌野らしさ」が散りばめられており,楽しめました。
テーマも奥深いものがあり,非常によいですね。読み終えたあとに,改めてタイトルを噛み締めざるを得ないところもにくい。
サクッと読んで,サラッと騙され,ググッと考えさせられた,そんな印象です。

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まさむねさん
ひとこと
ミステリとしての特別な知識なく乱読していますので、私の書評はあまりアテにしないでくださいね。
好きな作家
道尾秀介・東野圭吾・東川篤哉
採点傾向
平均点: 5.89点   採点数: 1282件
採点の多い作家(TOP10)
東野圭吾(58)
有栖川有栖(45)
東川篤哉(44)
森博嗣(37)
島田荘司(29)
道尾秀介(28)
伊坂幸太郎(26)
西村京太郎(24)
米澤穂信(23)
歌野晶午(21)