皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
mozartさん |
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平均点: 6.02点 | 書評数: 202件 |
No.82 | 9点 | 十角館の殺人- 綾辻行人 | 2013/01/27 18:11 |
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文庫版を何十年ぶりかで再読しました。綾辻先生の後書きによると、文庫版の刊行に際して、最低限の修正に止めるはずが、結果的にゲラが真っ赤になるほど原稿に手を加えてしまった、とのことですが、ノベルズ版を読んだだけの私としても、特段の違和感なく読了できました。
それで改めての感想ですが、やはり本作のメイントリックには、文句なしに脱帽せざるを得ませんでした。強いて言うならば、動機がやや後出しぎみな点が気になるところですが、全国のミステリーファンに、十分過ぎるインパクトを与えてくれた記念碑的作品であることは、万人の認めるところだと思います。 |
No.81 | 9点 | 占星術殺人事件- 島田荘司 | 2013/01/26 14:42 |
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講談社文庫版を入手して何十年ぶりかで再読しました。メイントリックはあまりにも強烈だったため鮮明に覚えていたこともあって、最初に読んだ時のような、「???」に続く「!!!(衝撃)」は味わえなかったのですが、そのミステリー史上における価値は、最大限の敬意を持って認めざるを得ないと改めて思いました。
ただ、本作のストーリー自体は、その後の島田先生の作品群に比べると、所謂エンターテインメント度(あざとさ?)がやや不足気味かな、とも思いました。 |
No.80 | 8点 | 北の夕鶴2/3の殺人- 島田荘司 | 2013/01/21 10:56 |
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文庫版を再読しました。カッパノベルズで出た時すぐ読んだので30年近く前のことになりますが、メイントリックだけは強烈なインパクトがあって、未だに鮮明に覚えていました。それでも読み始めたらストーリー展開にも結構引き込まれて、結局数時間で読了しました。やはりこの頃の島田先生の作品は文句なく面白いと思います。 |
No.79 | 4点 | 木製の王子- 麻耶雄嵩 | 2013/01/16 18:46 |
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本作は、自分がこれまでに読んできた麻耶氏の作品群と比べると、読了するまでに結構時間がかかりました。あとからネタバレサイトで確認/納得させられる箇所(各章の導入部の話とか、「名前」とか)もあったのですが、如何せん、所謂「リーダビリティ」が本作には著しく不足しているんじゃないかしら、というのが率直な感想でした。
あと、この「事件」も探偵役がメルカトルだったら・・・、と思い巡らすのは私だけでしょうか(「アリバイトリック」など一瞬で解決しているだろうし)。 |
No.78 | 4点 | 生存者、一名- 歌野晶午 | 2013/01/09 10:28 |
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分量が中途半端だったわりにはそれなりに仕掛けもちゃんとしてあって、特に不満はないのですが、読者としては、書き手を含めて登場人物の誰にも感情移入できないような設定になっていることに加え、一連の殺人で犯人の取った手段(?)も、個人的にはちょっと感覚的に受け入れ難く、読後感はイマイチでした。 |
No.77 | 8点 | 鴉- 麻耶雄嵩 | 2013/01/07 19:05 |
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本作でのメルカトルが、何気に普通の「名」探偵だったりするところが意外でした。
小説の舞台設定(隔絶された村?)や、2つの大きなトリックについても、見事に騙された私としては、何も言うべきことはありませんです。私がこれまで読んできた麻耶雄嵩氏の作品群の中でも上位に位置することは間違いありません。 |
No.76 | 5点 | なぎなた- 倉知淳 | 2013/01/06 15:02 |
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全編を通してインパクトはそれほどありませんが、気楽にサクッと読み通すことができました。 |
No.75 | 4点 | 湖底のまつり- 泡坂妻夫 | 2013/01/02 17:37 |
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本作は図書館で創元推理文庫を借りてきたのですが、思わせぶりな表紙のイラストに加えて、背表紙に「華麗な騙し絵」とあれば、いかに鈍感な自分でも最初から身構えて読み始めてしまったため、「驚愕の・・・」とはならなかったのは残念なことでした。
ただ、それを割り引いても、散見される「官能小説」ばりの表現がどうも「普通の」ミステリーの読者としてはちょっと引いてしまいました。 あと、どうでも良いことですが、ダムが決壊するほどの地震の揺れでも震度「8」なんてことにはならない(そもそも震度は7までしか定義されていない)のですが・・・。 |
No.74 | 5点 | 貴族探偵- 麻耶雄嵩 | 2013/01/01 08:48 |
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それぞれの話のロジックがしっかり構成されていて、謎解きと言う意味では十分楽しめるのですが、この「貴族探偵」のキャラクターはちょっとどうかと。
同じ「奇人」探偵でも、銘探偵メルカトルの方が何百倍も魅力的だと感じるのは、単に慣れの問題なのでしょうかね。 |
No.73 | 5点 | メルカトルかく語りき- 麻耶雄嵩 | 2012/12/30 10:10 |
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最近になって麻耶氏の作品を少しずつ読み進めているところですが、本作もこういう(ある意味すっきりしない)結末の短編を集めたものとして、それなりに存在理由はあるかと思います。もちろんメルカトルの奇人ぶりは相変わらずで、最初の頃はそのブラックさを嫌悪していたものの、徐々に自分が虜になっていくようで、ちょっと怖いかも。 |
No.72 | 7点 | 螢- 麻耶雄嵩 | 2012/12/27 12:06 |
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自分の様な(注意力のない)読者でも、ある人物を疑いながら読んでいましたが、今ひとつ確信につながらなかった状況に、まさか「○○○」を使っていたとは!見事に騙されました。
もう一つのトリックについては、その斬新な意図は分かるのだけれど、取って付けた感があって、それほど感服できませんでした。あと、やっぱりラストについてはちょっとアレでした。 |
No.71 | 8点 | 11枚のとらんぷ- 泡坂妻夫 | 2012/12/16 10:58 |
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【ややネタバレになるかも】
話の展開上、「犯人」が限られた範囲内にいることは、おそらく「前提条件」として読み進めるべきなのでしょうが、作中作における人物描写が、結果として効果的なミスディレクションとなっていることもあって、最後まで「犯人」が分かりませんでした。また、「犯人」から本当の(ある意味逆転する)「真相」が明らかにされる展開も秀逸で、ラストでの桂子の振る舞いにも余韻があって、良い読後感を与えてくれました。 |
No.70 | 5点 | キングを探せ- 法月綸太郎 | 2012/12/16 09:03 |
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ページ数の割にはサクっと読める内容だと思います。ラスト近くの犯罪者側のシナリオ再構築には感心しましたが、途中の展開にそれほど緊迫感がなく、全体的にイマイチかな~、という感想でした。 |
No.69 | 7点 | 金雀枝荘の殺人- 今邑彩 | 2012/12/12 15:20 |
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冒頭、登場人物の家系図や一覧リストに名前がズラッと並んでいるのを見て、これはちょっとフォローするのが大変かも、と思いましたが、読み始めたらぐいぐい引き込まれて、ラスト(とそれにつながる冒頭)もそれなりに雰囲気が良く、とても楽しめました。幽霊が見えるだとか、多少、ホラーというか、ロジカルでない部分もありますが、謎が解き明かされるにあたって決定的な影響はなかったし、本格ミステリーとして許される範囲内だったと思います。 |
No.68 | 5点 | 人面屋敷の惨劇- 石持浅海 | 2012/12/08 11:10 |
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そこそこ破綻なくストーリーが展開しているし、最後も「どんでん返し」とは言わないまでも、「う~ん、(やはり)そう来たか」的な結末で、まずまずの感想です。ただ、特異なシチュエーションとはいえ、登場人物(特に亜衣)のキャラクター設定にリアル感なさ過ぎな点がちょっと・・・。 |
No.67 | 5点 | 生首に聞いてみろ- 法月綸太郎 | 2012/12/06 17:20 |
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有名な作品なので、今更ですが読んでみました。確かにストーリーはよく練られていて、驚きの真相につながる伏線もしっかりと描かれていたのですが、イマイチ読後に爽快感というかカタルシスが不足するのは、途中の展開に緊迫感が足りないせいではないかと思っています。 |
No.66 | 4点 | 慟哭- 貫井徳郎 | 2012/12/04 11:03 |
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先入観なしで(ここでの書評には目を通さずに)読み始めましたが、最初からソレっぽい雰囲気だったので、多分そうじゃないかと怪しみながら読み進めていました。従って自分にとっては「衝撃のラスト」ではなかったのですが、それを差し引いても、結末が尻すぼみで、読後感も悪く、ちょっと残念だった、と言うのが正直な感想です。 |
No.65 | 8点 | 過ぎ行く風はみどり色- 倉知淳 | 2012/12/02 17:38 |
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ここでの皆さんの書評を読んで、地元の図書館にはなかったものの、何としても読みたくなり、他の図書館との「相互貸借」制度を利用して取り寄せてもらいました。
結果は・・・。予想通りと言うか、見事に騙されてしまいました。読後感も非常に良くて、とても楽しめました。あらためてこのサイトの皆様に感謝いたします。確かに、最初の事件の「動機」については若干不満が残りますが、適当に「脳内補正」することで、ほとんど問題はなくなるかと。 |
No.64 | 4点 | 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件- 麻耶雄嵩 | 2012/11/25 07:55 |
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この作家の作品を読んだのは、「メルカトルと美袋のための殺人」と「隻眼の少女」に続き三作目でした。前者で銘探偵メルカトルのキャラクターに(好きになれないものの)興味を持ったので、「最後の事件」であるならば読んでみても良いかも、と思って手を出しました。「隻眼の少女」で作者のパワーに打ちのめされた経験もあって、結構期待しながら読んだのですが、全体的に読みにくいのはともかく、やはりこの作品のカラーは自分向けではなかった、というのが正直な感想です。 |
No.63 | 6点 | そして誰もいなくなる- 今邑彩 | 2012/11/22 10:39 |
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超有名作品のオマージュとしてもよくできている作品だと思います。ただ、細かい部分で色々不満があるのも確かです。いくら何でも最初の事件の動機では青酸カリは使わないだろうし、「裁かれざる犯罪」というのもややムリヤリ感が隠せない。そして何よりも、夕美に関わる最後の話が「どんでん返し」のカタルシスを薄めてしまっているのがちょっと・・・。 |