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mozartさん
平均点: 6.04点 書評数: 214件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.194 6点 ファラオの密室- 白川尚史 2024/02/03 12:31
古代エジプト時代の物語であるとかそこで信じられていること(冥界の存在や死者の蘇り等)が「事実」であるとかいったことを所謂特殊設定モノとして受け入れることが前提となっていますがミステリーとしては結構「本格」でした。某作家のようなややバカミス?風の密室トリックもあったし。最後の「どんでん返し」も謎とは直接関係ないかも知れませんが伏線の回収という意味ではそれなりに納得の行くものでした(勿論最後まで気付きませんでしたが)。

No.193 5点 君に読ませたいミステリがあるんだ- 東川篤哉 2024/01/26 10:44
作中作(連作)と最後での「仕掛け」にはそれなりにひねりがあって良かったと思うのですが、キャラ同士のやりとりを含めてラストシーンとかちょっと引いてしまう印象があったのも事実です。
以前は烏賊川市シリーズをはじめ本作者の作品群がとても好きだったのですが近年の作品にはそれほど魅力を感じなくなっている自分に気付きました。本作品も従来作のテイストと何ら変わるところはないと思うのですが……。
多分昨今のラノベ風/青春ミステリーとか特殊設定モノとかを好んで読むようになった自分の感性が変化したのだと思います。

No.192 7点 でぃすぺる- 今村昌弘 2024/01/24 19:29
最初はちょっと……となりましたが(所謂特殊設定モノを含む)従来のミステリー的価値観と常識(?)を一旦捨てて再読するとこれはこれで作中に「魔女」からの助言で示された前提条件に対して「ロジカル」に合致する解になっていることに気付いてすこぶる納得させられました。三人が登場するシリーズ物として続編を読みたいところですがなかなか難しそうではありますね。
ちなみにジャンルは「その他」となっていますが「『新』本格」としても良いのかも。

No.191 8点 地雷グリコ- 青崎有吾 2024/01/21 18:38
初読段階ではポピュラーなゲームに追加されたルール(とその立て付け)に対する深い洞察力と対戦相手の心理状態から想定される戦略を先読みする能力が「異常に」優れた主人公の明晰な頭脳を単に後追いでトレースすることでひたすら「感心する」物語かなと思いましたが、再読してみてミステリー作品として散りばめられた伏線・回収と読者向けのくどいほどロジカルかつ丁寧な(図解も含めてやや説明的な)解説がツボにはまってしまいました。それに加えて登場人物のキャラ設定(特に塗辺クン)が実に秀逸で非常に楽しめました。
これだけのストーリー展開を面白い読み物として作り上げることのできる作者の頭脳にもただただ驚嘆するばかりです。

No.190 6点 あなたが誰かを殺した- 東野圭吾 2023/11/08 20:36
発売日から数日遅れで図書館に予約したら18人待ちになってしまって昨日になってようやくゲットできました(一気読みしました)。図書館ではすでに予約が200人以上の待ち状態になっていてさすが紫綬褒章受章作家の人気シリーズというべきか。

で、加賀恭一郎の「○○が××を殺した」シリーズ(?)なわけですが予想に反して事件は(意外な真相も含めて)最後でちゃんと明らかにされます。それにしても相変わらず加賀はカッコイイですね。今作では「検証会」の司会&アドバイザー(?)であって、事件を直接担当する捜査官として関わっているわけではないせいか、いつもより「粘着度」は控えめでしたが。

どうでも良いことですが最初の方で登場人物の名前が漢字だったりカタカナだったりしたのは単にどういう漢字なのか知らなかった人物の視点で書かれていただけでしたが、ひょっとして叙述トリックかも?と邪推してしまいました(汗)。

(図書館に返却する前に再読したので追記)
地の文(というのかな?)の視点が何人か書き分けられていてその中には「犯人」も含まれているわけで、最初の方にちょっと疑問符が付く表現があったような…。まぁ、ギリギリセーフなのかも知れないけど。

No.189 6点 翼がなくても- 中山七里 2023/11/04 20:52
ミステリーとしてはほとんど想像通りの展開だったので安心して読めました(と言ってもこの作者のことだから最後に何かどんでん返しが待っているのかも知れないとページが残り少なくなってからちょっとハラハラしましたが)。

沙良のキャラはちょっと誇張されていますが、二十歳そこそこの若者であればあのような「凝り固まった」考えに囚われてしまうものなのか、と思わせておいて最後は…、というのもベタベタの展開だったのに感動してしまいました。

No.188 7点 ヴァンプドッグは叫ばない- 市川憂人 2023/11/01 16:32
マリア・ソールズベリー&九条漣の「○○は~ない」シリーズの中でも読みやすさ、伏線の回収、(数度にわたる)どんでん返し等のレベルは出色だと思います。途中インサイド、アウトサイド、インタールードに分かれたストーリーがどのように収束していくのかワクワクしながらページを繰る手が止まらず一気読みしました。
ただ登場人物間の関係等への理解とかを考えると(多少こみ入った感があるので)一連の過去作には目を通しておいた方がより楽しめると思います。マリアが途中のダメダメ状態から最後になって急に「名探偵」ぶりを発揮して(?)真犯人を糾弾するというパターンにも慣れるし。特に今作以降(?)のことを考えると例の人物の絡みでは「ボーンヤード~」は先に読んでおいた方が良いかも知れません。

No.187 6点 ヒポクラテスの誓い- 中山七里 2023/10/28 15:09
法医学教室が舞台でもグロい描写はそれほどでもなく医療用語も簡単な説明とともに適度に使われていて読み辛いことはなかったです。

教授が学問的好奇心(真実の探求)を人間の感情より優先するキャラで、何故か隠微された真相を嗅ぎつける超人的な能力があって時には法的手続を無視するような傍若無人の振る舞いも決して誤りは犯さない(結果オーライ?)、というのがちょっと鼻についていたのですが、最後になって実は極めて人間的な感情がその裏に隠されていたことが分かってほっとしました。
最後の主人公を受け入れるところはベタ過ぎましたが。

No.186 6点 超・殺人事件―推理作家の苦悩- 東野圭吾 2023/10/25 08:19
ミステリーとしてではなくブラックジョーク(?)として楽しめました。特に最後の「超読書機械殺人事件」の「ショヒョックス」。昨今の生成AIの動向を見るにつけ「妄想」とは言えなくなっているような。流石に有名どころの文学賞の選定に(今のところ)利用されていることはないと思いますが、あるいは某書評サイトあたりには…。

No.185 5点 犯人のいない殺人の夜- 東野圭吾 2023/10/24 14:34
表題作を含む短編集(文庫)を読みました。
かつては(平成20年頃までは)乱歩賞受賞作は欠かさずにリアルタイムで読んでいたので本作者の受賞作「放課後」(昭和60年受賞)も随分昔に読んだことになります。この短編集も特に「小さな故意の物語」などはその頃の(はっきり言って「暗い」)雰囲気を思い出しました。
最近の読者のツボを押さえた作品群とは明らかにベクトルの違った感性で書かれていてちょっと読み辛かったです。

No.184 5点 クビキリサイクル- 西尾維新 2023/10/20 12:48
メフィスト賞受賞作とのこと。さすがに(キャラクターを含め)マニアックな設定と凝ったストーリー展開でしかもちゃんと「本格」であると。ただ自分にはちょっと合わなかったようで読み進めるのに若干苦労しました。

どうでも良いことですがHDDのサイズがたかだか「100TB」で驚くようなスペックとして記述されていますが20年前だと確かにそうだったのでしょう。今なら10TBのHDDが数万円で購入できるのでせいぜい数十万円程度のスペックでしかないけど。

No.183 5点 掟上今日子の備忘録- 西尾維新 2023/10/18 12:46
このシリーズを読んだのは今作が最初です。というかまだ今作しか読んでいません。掟上今日子探偵のアノ設定はそれなりにユニークで事件の解決だけでなく行動パターンにも制約を与えていてなかなか興味深く読めました。ただ彼女の探偵「能力」がどうかというと…。緻密なロジックで凡人を唸らせるとか奇抜な着眼と慧眼ぶりが際立つとか言ったわけでもなかったような。主人公(語り手)との絡みもこの設定で期待できそうもないし。
と思っていたら最後で脳ではなく身体に残っているとかでちょっと反則気味かも。彼女のキャラは気に入っていたのでエンディングの一言はどんなもんでしょう。続編を読めばそのあたりも納得できるんでしょうかね。

No.182 5点 揺籠のアディポクル- 市川憂人 2023/10/16 11:33
主人公目線で進む本編(特に事件が起こってからの展開)はなかなか緊張感があって読み応えがありました。映画的とも言える情景の描写の中で主人公の感情もしっかり吐露されていて感情移入しやすくなっていました。

(ややネタバレぎみ)
ただ、事件の直前で主人公が見た「夢」の中で「顔を恐怖に染めながら、必死に叫ぶコノハ」とあるのはいくら後ろめたい気持ちがあったとしてもちょっとあざとい(ミスリードを誘う)表現かな、と。実際は「タケルへ.txt」の通りだったんだろうから。

No.181 5点 あなたのための誘拐- 知念実希人 2023/10/14 15:15
一気読みしました。サスペンス感は比類がなく展開に目が離せなくなってしまいました。ただ読後感は…余り良くはなかったですね。結末からするとやむを得ないことでしょうが。
フーダニットに繋がる犯行動機について後出し感が強いんだけど(伏線が張ってあったことは認めますが)。それにしてもちょっと…。

No.180 6点 名探偵のはらわた- 白井智之 2023/10/10 11:15
結構前に(「いけにえ」より前に)読みました。本作者はグロが売り(?)らしいので警戒しながら読みましたがやや肩透かし気味でした。ちなみにこれと「いけにえ」の二作しか読んでいないので「グロ上等」の境地には至っておりません。
内容については記憶の彼方に行ってしまった部分もありますが、その「特殊設定」がなかなか面白く本筋のメインパートに絡んでくるものの各話とも本格ミステリーとして機能しており好感を持てたことは記憶しています。読後感も悪くなかったです。

No.179 6点 神薙虚無最後の事件- 紺野天龍 2023/10/08 20:07
冴えないキャラの主人公に何故か親しくしてくる超カワイイ女子、しかも名探偵であると。関係する主要キャラが美人揃い(主人公の「恋路」に加勢する一名を除いて)と。最近こうした設定のミステリーが多いように感じるのは自分の嗜好がそちらに向いているからなのでしょうかね。

(ややネタバレ)
作中作に××××××が使われていてしかもそのキモは○○○○であると。これも何か既視感ありまくりでした…。多重解決の謎解き部分はそれなりに面白かったです。

No.178 5点 アミュレット・ホテル- 方丈貴恵 2023/10/06 11:46
竜泉家の一族シリーズに比べると短編集なので小粒なのは良いとしてもこの「特殊設定」にはちょっと拒否反応が出てしまいました。オーナーの価値観(ホテルの外で実行されるならば殺人も含めてあらゆる犯罪に便宜を図る一方で麻薬は御法度とか)にもいささか疑問符が付くし。
それでもそれぞれの謎解き部分はそれなりに楽しめました。

No.177 7点 その殺人、本格ミステリに仕立てます。- 片岡翔 2023/10/01 14:08
最初は脱力系なのかと思いましたがそんなことはなくしっかりとした本格ミステリーでした。どうでも良いことですが、さすがに「風゛」という字は読み辛くて何度でもそこで目が止まってしまい読み進める上でテンポが悪くなったのが個人的には残念でした。

彼女のキャラには結構好感が持てたのですが(コンビを組んだ形での)続編はさすがに無理でしょうね。

No.176 5点 Iの悲劇- 米澤穂信 2023/09/29 07:36
最後のIの「喜劇」は確かに意外なオチというところなのでしょうが、「深い沼」で主人公に共感できたせいか、読後感は少し悪くなりました。

No.175 4点 透明な螺旋- 東野圭吾 2023/09/24 08:35
(かなり前に)発刊後すぐに読みました。ガリレオシリーズが好きなので期待して読み始めたのですが……。湯川の過去が明かされるわけですがこういうのはちょっと……残念な印象が強かったです。カッコウの卵もそうですが、この作者は「生まれついての能力差」なるものに何か特別な思い入れがあるのかも。

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