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makomakoさん
平均点: 6.20点 書評数: 774件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.22 7点 沈黙のパレード- 東野圭吾 2022/03/13 11:59
 初期の東野氏の作品はどれも本当に素晴らしかったのですが、このところ新作はでるが何となく薄利多売で、語り口のうまさで持たせているといった感じがしていました。
 本作品も読み始めるとすぐに犯人がわかりこれを語りのうまさでカバーするものかなあとやや心配気味でしたが、見事に良いほうへ裏切られました。
 凝ったトリックとそれだけで終わらない物語の真相。
 なかなかよかった。

No.21 6点 聖女の救済- 東野圭吾 2021/02/27 21:47
 トリックが好きで、といった方には評価が高いのでしょう。
 なんせ登場人物は少なく、ほとんど初めから犯人がわかっているのにどうやってが、なかなか分からない。作者は一つのトリックだけで長編を書いてしまったのです。
 結果がわかると、まあこんなことはほとんど考えにくいのですが、なるほどと思ってしまう。ある意味お話としては全く単純。それを最後まで読ませてしまうのはさすがです。

No.20 7点 素敵な日本人- 東野圭吾 2020/05/03 08:32
 短編編集ですが、それぞれのお話が全く別のもので何のつながりもありません。
 本格物から、SFまであります。
 こういった内容ですと多くは出来不出来が気になることが多いのですが、さすが作者は語り口がうまくどの作品もスラスラと読めます。
 逆に言えば、凄い、といったものもあまりないのですが、平均点高く粒ぞろいとも言えます。

No.19 6点 ラプラスの魔女- 東野圭吾 2019/12/27 21:49
これはSFというべき内容なのだが、作者の巧みな語り口で読んでいて現実に起こってしまうような感覚になってしまいました。そのあたりはさすがに東野氏の小説のうまさだと思います。
 ただ読みやすく誰もがある程度楽しめると思いますが、特有の冷たい感覚があることは否めません。
 多彩な作者は多くの作品を次々と発表し、ほとんどがベストセラーとなっています。確かにどの作品もまとまってはいますが、円熟というより悪い言い方をすれば薄利多売なに感じます。
 初期の作品からファンでずっと読んできたものにとっては、じっくり時間をかけて中身の濃い長編を書いてほしいなあ。

No.18 4点 恋のゴンドラ- 東野圭吾 2019/10/20 09:18
私が歳をとったのか作者が無理して若い世代を描いたのか、とにかくいまいちでした。
 こんな薄利多売のような小説を書いているとそのうちいけなくなりそうな気がするのですが、意外にこのサイトの評価は高いのですね。
 多分私の感覚がずれているのでしょう。
 作者は名手なので読むのはすらすらと読めましたが、全然心に響いてこないなあ。

No.17 5点 危険なビーナス- 東野圭吾 2019/09/08 21:04
例によって東野氏の作品はとても読みやすい。
 本作は比較的長い長編ではありますが、長さをあまり感じさせないところはさすがです。
 ところどころに伏線も張って会ってまあ不足はないように見えますが、内容は長さの割にちょっと薄い。恋も謎もスリリングな絶品ミステリーと帯には書いてありますが、色々盛り込んで読者にサービスしようとした意思が透けて見えるような感じがして、もう一つでした。
 売れっ子の作者は、薄利多売でもある程度の内容を作って読ませるといったテクニックがあるので読んで損はないのです。
 私としては、作者にはじっくり時間を取ってがっちりした作品を書いていただきたいのですが。

No.16 7点 祈りの幕が下りる時- 東野圭吾 2017/01/04 18:41
 面白いというより相当に悲しい物語でした。東野氏はこれ程多作なのによくもこんなストーリーをかけるものだと改めて感心しました。
 一見無関係な話が最後にはきちんと決着してくるところは見事なものです。ただとても暗い話で、やりきれないなあ。
 加賀警部補もだんだん偏屈で暗くなってきている。はじめは相当好きなキャラクターだったけど、こういった話を見せつけられるとちょっとつらい。
 最後の決着がどうなったかははっきり書いていないけど、推理小説としては完結しているのでしょう。

No.15 6点 麒麟の翼- 東野圭吾 2016/11/16 21:47
作者は話の始め方がとても上手な作家と思っていますが、このお話はそれほどでもない。初めのほうは加害者とされている人物や彼を愛する女性の悲惨な状態、そして被害者の家族がいじめにあったりしてちょっとやりきれない。
 次第に加賀の地道な捜査から、意外な結末が浮かび上がってくる。最後には何となくよかったといった終わり方なのだが、あまりすっきりしないのです。
 この結末ではとても重く取り返しのつかないことが残ったままで、全然すっきりとはしない。まあそこが物語の重さともいえるのですが。
 それにしても被害者が突然刺されたときに、瀕死の重傷を負いながら急に思いついて必死に歩いて日本橋まで行くというのがちょっと無理がある気もします。

No.14 6点 新参者- 東野圭吾 2016/10/30 15:23
 加賀恭一郎は東野氏の作品の中でも好きなキャラクターです。今回も彼らしいというか、彼らし過ぎる展開でした。
 物語の初めは淡々とした感じで、でも作者の巧みな導入でとても面白く読めます。 一章ごとが連作風となっていて、いずれもそれなりの解決を見る。なかなか人情もあって興味深い。どうしてこれが全体の話となるのか心配になるのだが、そこは東野氏で実に巧みに最終結末へと導かれる。
 なるほどね。よくできたお話。でも加賀がこんななんでもないことばかりやっていたのが、全部ストライクというのもできすぎな感じ。勿論そうでないと話としてまとまりがつかないのでありますが。
 ということで一つずつの話はかなり良いのですが、全体としてみるとなんだかこじんまりとまとまってしまった感じがして、私としてはやや評価が低くなりました。

No.13 7点 夢幻花- 東野圭吾 2016/10/16 11:30
 この小説は推理小説として謎の殺人事件、不可解な人物の登場、一見つながりのないように見えるお話、ちょっとしたラブストーリー、最終的に矛盾がない解決と爽やかな読後感がある、など名作となりうる要素はきちんと入っている。さらに作者の巧みな筆さばきですらすらと読んでしまえる。
 素晴らしい作品とも思えるのだが、その割に感動はやや少ない。作者の物語の語り口が巧みすぎてもいけないのだろうか。いかにもお話がうまくできているが、すらすらと書かれたような感じ(そんなことはないのかもしれないが)がして、ちょっと重みが少ないのでしょうか。
 近年の作者は相変わらず多作でしかも一定の水準を保っているのは立派だと思いますが、少しじっくりと書いたものが読みたいというのは読者のわがままかな。

No.12 8点 ナミヤ雑貨店の奇蹟- 東野圭吾 2016/09/20 19:39
 東野氏はやはりとても才能のある物書きさんなのっすが、最近相変わらずの多作でそれなりに売れる作品を書いてはいるのですが、何となくちょっと冷たくて薄味な感じが否めないと思っていました。
 なんせ小説を書くテクニックがあるので、どんな話を書いても一応面白く読めてしまうのです。これはこれですごいと思いますが、初期の作品のような情熱や優しさが少なくなっていると感じていました。読めば面白いが初期の作品のような情熱が不足していると思ってしまうのです。
 この作品も何となく買ってしまったのですが、これは近年になく面白い。
 氏の優しさが伝わってくるようです。一気読みしてしまいました。

No.11 6点 マスカレード・イブ- 東野圭吾 2014/10/25 08:03
マスカレードホテルでは連作風のエピソードを詰め込み過ぎて肝心のメインストーリーが薄められてしまったのの反省?からか、今回は連作でしかも分量も数なく、サクサク読めます。
 それぞれの話も語り上手で、それなりに興味をひき一気に読んでしまいました。
 だからとても感動したとかすごいといったことはありませんが、読んで不快というものでもなく一般的に言えばまあ良かったということでしょう。
 しかし私としては作者はもっと才能ある方と思いますので、こういった薄い作品を多量に書くのはそろそろやめて、じっくりと重厚な作品を書いてほしいのですが。

No.10 6点 マスカレード・ホテル- 東野圭吾 2014/10/21 19:47
 さすが東野氏は語りがうまい。一つ一つのエピソードがなかなか興味を引くのです。でも味が薄い。どうなることかと思えるようなシチュエーションを設定してくれるので、読むには退屈しないのですが、最終的にはえらくうまくいってめでたしめでたし。まあそれでも良いのですが、話を長引かせるために巧みに小話を追加したようで。
 売れっ子作家は色々と大変なのでしょうが、もう少し腰を据えて作品の質を高めてほしい。長編小説なのだが、連作集のような感じです。そのためメインの話がずい分薄められてしまい、心に響かない。
 それなりに面白くかけているのは才能でしょうが、作者が持っている冷たさが透けて見えてしまいます。初期の作品のような一途さを求めるのはもう無理なのでしょうか。
 

No.9 6点 疾風ロンド- 東野圭吾 2013/12/15 14:27
 東野圭吾氏は話題作を次々にかけるということだけでも本当にすごい才能だと思いますが、やはり多作すぎると内容は薄いものが出てきてしまうのは避けられないのでしょうか。
 本作品は細菌学兵器開発についてのお話なのですが、以前の氏の作品であったらもっと凝った内容となったのではと思われます。
 本格推理度はきわめて薄く、冒険物というほどでもありません。話の進行は二転三転しますが、どこか行き当たりばったりでご都合主義なのです。
 それでもさすがに物語を語る手腕があるのでなんとか最後まで読ませてしまいますが、帯にあるようなぶっとびとは程遠いのは残念です。
 まあ暇つぶし程度なら問題ない作品ですが。

No.8 7点 仮面山荘殺人事件- 東野圭吾 2013/11/10 09:19
 これを書いたころの東野氏の作品のほうが今のものより好きです。最近のものはこれだけ多作にもかかわらず比較的でこぼこが少なく良く出来ていると思うのですが、だんだん孤独で冷たい感じがするのです。その点20年ほど前のこの作品はどこかに暖かさがありしかもトリック、どんでん返しと読むものをひきつけます。
 この作品も登場人物がある面では寛容であたたかい。心の冷えた人間の心の冷えたお話というのはびっくりしたりぞっとしたりしますが読後感が悪いのです。

以下ネタバレがあります。
 本作品は殺害?された明美も非常にかわいく同情の念を禁じえません。
 ただ雪絵がこの役割をどうして引き受けたかがわからない。この娘がいなければ話は成り立たないのだが、こんなこと普通絶対引き受けないと思うのですが。
 ここが多少減点です。でも大変面白く優れた本格物と思います。

No.7 8点 ある閉ざされた雪の山荘で- 東野圭吾 2013/11/03 08:01
 この作品は20年ほど前に読んだのだが、当時は本格物の変り種といった印象が強かった。作者はかなりのへそ曲がりで新手の種を思いついたのでさっさと書いてみたという風に思えたのです。
 今回再読してみるとこの物語はまるみえの虚構のようでそうでもなく、登場人物がだまされそれを読むものもだまされるといった凝った内容がとても楽しかった。最終的にある意味でのハッピーエンドでもあり最近の東野氏にない暖かさがあった様に思います。
 ただ犯人の執念はすごすぎますけどね。

No.6 6点 赤い指- 東野圭吾 2012/07/21 07:52
 読んでいて楽しい小説ではないですね。特に前半は嫌になってしまう。まあそれだけ作者が上手に小説を書いているのですが。
 だいたい殺人事件を現実的でシリアスの書けば書くほど嫌な感じがするのはある面で当然で、それを好んで読むかどうかは読者の選択ということとなるのでしょう。
 東野氏の小説は時々こういった嫌な感じが表へ出てくるものがあり、そういった作品群は個人的には好みではありません。どこか冷たい感じがするのです。
 登場の少年は商売柄ときどき似たようなヤツ(あえてヤツと呼ぶ)と遭遇します。自分がうまくいかないとみんなが困ると思っているのです。加賀と同じような感じを抱いてはいます。
 いろいろあるけど本当は素直でいいやつなんですよ、といったところがないので読んでいるとつらいだけになってしまいます。そんなふうなところが少しあったらぐっと点数は上がったのに。
 甘いかな。

No.5 5点 美しき凶器- 東野圭吾 2012/04/08 19:15
 タランチェラなる女がやたら強く、簡単に人殺しを続けていく展開に納得できるかどうかで評価が分かれそう。
 ただただ陸上競技だけのためにサイボーグとなっていた女性が、どうして関係ない人間でもあっさり殺せるのかと思ってしまうと、もうこの小説にはついていけそうもない。 
 ヒットメーカーの作者だけにたくみに読みやすくストーリーを展開してくれて入るのだが。
 私は最後まで読むのがちょっと苦痛でしたが、読み終わってみると美しき凶器とはタランチェラだけではないかもしれない様に感じられ、多少良い印象となりました。

No.4 7点 名探偵の呪縛- 東野圭吾 2012/03/31 18:50
 前作「名探偵の掟」ですら最後にはちょっと長すぎたなあと思っていたのでまさか続編が出るとは意外でした。まあこんな切り口もありなんでしょう。さすがは東野圭吾、色々仕掛けてくるねえ。
 作者の本格物に対する考えや変貌した理由などがわかってそれなりに興味深い。最近の作品では謎がなくなったのではないのだが、本格志向が全くといってよいほどなくなってきている理由も分かるような気がしました。
 本格ものを書いている作者たちがしばらくして行き詰ってしまっていくのを尻目に、作者が話題作をどんどん発表できているのもこういった変革があってのことなんだと妙に納得しています。
 でも無邪気な本格物のファンとしては、初期に書いていたような作品をもう一度書いてくれないかなあと願うばかりですが。無理ですかね。

No.3 7点 名探偵の掟- 東野圭吾 2012/03/25 09:36
 なるほど推理小説作家はこんなことを考えて書いているのだ妙に納得して読みました。私もここで語られているようないい加減な読者なので、きちんとした本格ものではほとんど犯人もトリックも分からず、だいたいは名探偵の推理に感心してしまう。作者にとっては実にありがたい読者なのです。
 この小説パロディーとしても面白いのだけどちょっと長すぎて、最後のほうになると息切れがしてくる。この三分の二ぐらいのところで終わっていたらもっと面白かった。

makomakoさん
ひとこと
歴史ミステリーや、本格物が好きです。薀蓄も結構好き。変人が登場するのは嫌いではないが、冷たい人間が出てくるのは肌に合いません。外国ものは登場人物が理解不能であったり翻訳文が合わないことが多くあまり得意で...
好きな作家
鮎川哲也、山田隆夫、綾辻行人、法月綸太郎、高田崇史、伴野朗
採点傾向
平均点: 6.20点   採点数: 774件
採点の多い作家(TOP10)
高田崇史(31)
樋口有介(30)
アガサ・クリスティー(29)
有栖川有栖(28)
太田忠司(27)
北森鴻(24)
東野圭吾(22)
東川篤哉(22)
今邑彩(17)
エラリイ・クイーン(16)