皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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makomakoさん |
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平均点: 6.19点 | 書評数: 850件 |
No.710 | 7点 | 忘れられた花園- ケイト・モートン | 2020/08/10 14:58 |
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3つの時代とお話が交錯する。次々と時代が変わるので記憶力の怪しい私には苦手の部類の入る展開でした。
名前の一覧があったらよかったのに。一部の登場人物の名前が単純すぎて(ネル、リル、ヒューなど)区別をつけて覚えにくかった。まあトルストイの戦争と平和ほど複雑多彩なのも困るのですが。 はじめのうちはちょっと退屈、でも読んでいくと次第にお話に引き込まれます。上下に分かれているけど上巻だけでやめないように頑張ろう。 純粋な推理小説ではないので、お話の途中で謎のかなりの部分がわかってしまい(いやな読者になったものです)、訳者があとがきに述べているような矛盾も多少気になりましたが、良しとしましょう。 作者のほかの作品も読んでみたい気にさせられました。 |
No.709 | 6点 | 薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理- 塔山郁 | 2020/07/24 14:48 |
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薬剤師が探偵となる小説は時々見かけますが、この作品も一応その中に入るものでしょう。
愛想はないがまじめで一途な毒島薬剤師とホテルマン水尾君のちょっとほんわかとしたところがスパイスとなっているが、推理小説としてはかなり弱い。 まあ半分ほんわか、ちょっと推理といった頃でしょうか。 すぐ読めて悪くはありませんが、とても素晴らしいというほどではないようです。 |
No.708 | 5点 | オリジン- ダン・ブラウン | 2020/07/24 07:39 |
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我々はどこから来てどこへ行くのか。こんな深刻なテーマが解決されたというすごいお話。
これを聞いたユダヤ教やイスラム教の指導者が死んでしまう。なぜかキリスト教の指導者は無事。 おいおい大丈夫ですかね?こんな壮大なテーマで。と心配しつつ読みました。解決されたとする内容はなかなか出てこない。最後になって公表されるが、これが何ともしょぼい(ネタバレとなるので詳しくは書きませんが)。この程度の説ならすでにいくらでもあるでしょ。はやった映画にもなっているよね。 こんな話を聞いて宗教指導者が愕然とするかなあ。仏教指導者なら全然動じずそれもありとするかもしれませんが、なんせキリスト教の国のお話ですからそんなことはおくびにも出てきません。 最後に機械文明がとんでもない事にもなるといったところはなかなか面白かったですが、全体としてメインテーマの解決が大したことがないためパッとしませんでした。 |
No.707 | 4点 | ウサギの天使が呼んでいる- 青柳碧人 | 2020/07/11 17:08 |
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こういった作風を好みの人には良いのかもしれませんが、私にはあまりあいませんでした。
変人の名探偵は昔からいっぱいあるのですが、登場する人物は駒であり、心が全くない。殺人事件が起きても誰も何ともない。 短編集なのでまあ何とか読めるが、これが長編となったらきっとうんざりしてしまうでしょう。 |
No.706 | 7点 | 退職刑事1- 都筑道夫 | 2020/07/04 07:04 |
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日本の安楽椅子探偵のはしりとなった作品ということですが、私は初めて読みました。
発表年代を見ると私が学生時代の頃。内容は結構古臭いなあ。私の若い頃ってこんなにタバコ吸ったり、戦前の話が話題になったりしたのかなあとも思ったのですが、よく考えると中学時代にバスの中でおじさんたちが「中尉殿」なんて呼びながら話していたのですから、こんなものかもしれません。 お話の内容はかなり理論的で骨組みがしっかり考えられている。作者が余計なものは削り落としたというが、結構色っぽいところはあってそれはそれでよろしい。 何冊も出ているようだからもう少し読んでみましょう。 |
No.705 | 5点 | メゾン・ド・ポリス 退職刑事と迷宮入り事件- 加藤実秋 | 2020/06/28 07:29 |
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このシリーズもそろそろマンネリ化してきたようです。
新しい未解決事件が提示され、それと伴って新しい事件が発生する。新しいほうは解決したが、未解決事件はもよもやのまま。たぶん次の作品へ持ち込むつもりなのでしょう。 こういったシリーズものは登場人物のキャラクターで読ませるところが大きいのですが、さすがにキャラクターだけで続けていくことには限界があるようです。当然作者もそれを考えていると思いますが、今回は次へ繰り延べ感が強くあまり感心しなかった。 |
No.704 | 6点 | ミステリなふたり- 太田忠司 | 2020/05/30 18:24 |
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このシリーズは読み過ごしていたため、初めの作品が手に入らず、はからずも発表された逆の順番で読むこととなりました。
うーん、初めはこんな感じなんだ。 どの作品もそれなりに工夫されていた。かなり良いなあと思っていたが最後の方に来て景子の態度があまりに悪く(普通の人にこんな態度でいたら誰でも気分が悪いでしょう)さらに最後の作品は後に出るアラカルトの最後の作品と類似ですよねえ。 こちらが先に発表されたのだからこちらから読めば問題ないが、たまたま逆に読んだためちょっと興ざめしてしまった。発表順に読めば問題なかったのですがね。でもアラカルトで興ざめとなるか。 |
No.703 | 2点 | 困った死体は瞑らない- 浅暮三文 | 2020/05/27 17:41 |
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異色の短編集です。
はじめのお話が豆腐で頭蓋骨を割られたお話、つぎがプールの中で焼死したお話。 当然ばかばかしいお話なのです。 これだけでお付き合いするのは大変そうだが、異色の作品と思って読んでみました。 登場人物が実にいやらしい。これだけでも読む気が失せてしまいます。 解説にも波長が合う人は楽しめると書いてあったが、私は全然波長が合わず楽しくも何ともなかった。 |
No.702 | 6点 | ミステリなふたり a la carte- 太田忠司 | 2020/05/27 17:32 |
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シリーズものとして読めば楽しめます。
今回は短編のお話がお食事とセットになった形になっています。 相変わらず読みやすく内容が殺人事件の割に軽い雰囲気ですが、作者の小説はどれもですが、嫌味な感じは全くありません。これが読者によっては漫画チックでちょっと物足りないかもしれません。 一つずつが短いのでちょっとした時間でも読むことができます。それなりに面白いが、とても素晴らしいというほどではないかな。 |
No.701 | 6点 | もっとミステリなふたり- 太田忠司 | 2020/05/25 19:18 |
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このシリーズはかなり短いお話ばかりですが、内容はそれなりに充実していると思います。
さらにその中に京堂夫妻のエピソードが加わって結構楽しめるのです。 お話の内容がそれなりに猟奇的だったり重かったりしているのに、さらっと解決してしまう。読みやすいといえば読みやすいが、ちょっと物足りないような気もします。 奇抜に見えるお話でも、解決があまりにスムーズなため、お話としてはあれれ、といった感じもしてしまいます。 一話ずつが短く嫌味な話ではないので、ちょっとした生き抜きとして読むならなかなかです。 |
No.700 | 6点 | 影の斜塔- 麻見和史 | 2020/05/24 08:26 |
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警視庁に文書捜査官なるものが果たしてあるのかいささか疑問ではありますが、本作品はその部署のシリーズもののようでした(シリーズはじめを読まず途中から読んだこととなりました)。
絶対無理そうな捜査を申し付けられ、そこから直観のみ(のような)操作方法で、不思議と肝となるところを見つけ出してしまう。 本当にこんな部署がありこんなミッションがまかり通っていたらむちゃくちゃのような気もしますが、お話を読んでいる分にはことに矛盾した感じは受けませんでした。 それにしても警察内部ってこんな悪いやつばかりが出世しているのかなあ。 まあお話として読むなら警察小説としては読みやすく悪くはないです。 このシリーズは何冊か発行されているようです。ものすごく読みたいわけではないが、もうひとつふたつは読んでみようかなといった気にはなりました。 |
No.699 | 6点 | やっぱりミステリなふたり- 太田忠司 | 2020/05/21 18:02 |
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ミステリなふたりの3作目。
太田氏の作品はかなり読んでいるつもりですが、このシリーズは初めて読みました。 本格物の短編集です。不可解な殺人が出てきて愛知県捜査一課の氷のように鋭い女性警部補が担当するが、もう一つ解決できず、夫の優しい新太郎に相談する。 夫はたちまちに事件を解決してしまうというワンパターンの短編ばかりですが、その中にちょっとしたスパイスが混ぜてありそれがなかなか面白い。 事件そのものは結構猟奇的なものも含まれてはいますが、スラスラと読めてしまいます。 作者の最近の長編はSF様のパロディーがかったものが多くちょっと寂しい。 こんな長編がたくさん書けるのですから、もうちょっと温めて本格長編をお願いしたい。 |
No.698 | 8点 | マツリカ・マトリョシカ- 相沢沙呼 | 2020/05/18 18:08 |
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このシリーズ1作、2作(ことに2作目)は主人公の柴犬君があまりにうじうじしすぎで、しょうもない話だなあといったところでしたが、3作目はがらりと様相が変わって、精緻な推理小説であり青春小説となっていたことにまず驚きました。
シリーズ初の長編なのですが、マツリカさんの出番はかなり少なくなっています。従ってエロっぽい話は少なく青春を生きる若者たちの推理が主体です。かれらが次第に成長しつつ友情が芽生えてくるのも、なかなか良い。 お話は過去と現在の密室が複雑に絡み合っており、それを試行錯誤しながら少しずつ解明していく過程は大変精緻で、エラリークイーンのようでもあります。 このシリーズで飛びぬけて素晴らしい内容と思いました。 続編が出るとよいなあ。 |
No.697 | 6点 | マツリカ・マハリタ- 相沢沙呼 | 2020/05/15 21:00 |
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このシリーズは現在3作出ています。本屋で3冊とも買ったので1作目があまり好みではなかったが2冊目も読みました。ゴールデンウイークがコロナでどこも出かけられなかったので読書するしかなかった。
最初はあーどうしようもないなあといった感じ。 こんなうっとうしい男には全くイライラさせられます。マゾとエロしかないではないか。暇でなかったら絶対読むのをやめていた。読んで損した、と思っていましたが、マツリカさんのぞが解明されていくにしたがって興味しんしんとなり、最後は一気読みとなりました。 初めのところは評価3ぐらいでしたが最終的にはこんな評価となりました。 |
No.696 | 6点 | 彼女の色に届くまで- 似鳥鶏 | 2020/05/15 20:51 |
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作者はちょっとおふざけな感じの軽いお話を書いているものと思っていましたが、これはだいぶん違っていました。
十分に美術ミステリーといってよい内容なのです。内容だけなら結構深刻で本格の美術ミステリーで十分通ると思います。 作者はかなりの美術愛好家のようで、その方面に詳しい方が作った本格物なのです。 ただ作者が入れた訳注が結構あり、これを見るとやっぱりおふざけを加えないとおれないようです。さらに無駄に長いあとがき。 せっかく魅力的な女性探偵と個性的な若者を登場させたのですから、このお話の中ではおふざけはできるだけおさえてほしかった。 こんなお話は好きなんです。できればシリーズ化してほしいぐらい。 |
No.695 | 5点 | マツリカ・マジョルカ- 相沢沙呼 | 2020/05/09 19:59 |
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かなりへんてこりんなお話でした。
主人公のマツリカさんは極めて傲慢、それに従う柴犬君は何とも優柔不断。読んでいてイライラさせられます。 一応推理小説となっていますが、マジョリカさんの推理がうまく述べられていないのか、私にはわかりにくいお話もありました。 もともとあり得ない設定なのですからこんなもんでよいのかもしれません。一番良かったのはマツリカさんのセクシーシーン |
No.694 | 7点 | 海に消えた神々- 今野敏 | 2020/05/08 21:33 |
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前作の「神々の遺品」はUFOやピラミッドといった超有名だがかなりいかがわしいものも多い謎を取り上げていたので、推理小説としてはもう一つとの印象でしたが、本作品は謎のいかがわしさが少ないせいか、愉しく読めました。
これなら次作が出てもまた読んでみたいといった内容です。 お話もひねりが効いており、どんでん返しというほどではないが、意外な結論になっています。ただ謎を解く道筋がかなりご都合主義的なところもあるので、そこがちょっと減点かな。 |
No.693 | 5点 | 神々の遺品- 今野敏 | 2020/05/06 11:46 |
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古代文明の謎に迫る推理小説と宣伝されています。
こういった話は好きなのです。巻末にある参考文献らしきものも結構読んだことがあります。ただし私はそういった話を信じているのではなく、たんに興味がある程度なのですが。 作者はベテランで語り口もうまいので、かなり期待して読みました。 読んだ感想はもう一つ。 超古代文明とそれにかかわる謎の巨大組織が強い力を持っているというお話となると、どうしても推理小説というよりは昔でいう伝奇小説のほうが向いていそうです。 伝奇として書いたなら結構面白そうなのですが、ずいぶん昔に否定されたことなどもごちゃまぜにしてあると、推理小説としてはちょっと興味をそがれます。 |
No.692 | 7点 | 素敵な日本人- 東野圭吾 | 2020/05/03 08:32 |
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短編編集ですが、それぞれのお話が全く別のもので何のつながりもありません。
本格物から、SFまであります。 こういった内容ですと多くは出来不出来が気になることが多いのですが、さすが作者は語り口がうまくどの作品もスラスラと読めます。 逆に言えば、凄い、といったものもあまりないのですが、平均点高く粒ぞろいとも言えます。 |
No.691 | 4点 | アリバイ崩し承ります- 大山誠一郎 | 2020/05/01 18:03 |
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ほかの方も書いておられるようにクイズの出題と答えといった感じを強く受けるお話でした。
登場人物が全然現実感がなく機械のような感じがします。作者ならもっと膨らませて魅力的な女性に描けそうに思うのです。わざとこんな風にしたのでしょうか。 作者の新しいトリックを追及するという姿勢は大いに買っているのですが、こんな風にしてしまうと面白くも何ともありません。 以下ちょっとネタバレ 第1話は絶対成立しません。事件があった時間をずらす画期的方法のようにみえますが、人間の生理機能を無視した話です。つまり成り立たない。さらに末期すい臓がんなら解剖を行って見逃すなんてことはあり得ませんね。 第2話もパクリとのことですが、これもちょっと無理がありすぎます。 それ以後の話は無理やりのところはありますが、まあ全体成り立たないというわけではないので許せる範囲ではあります。 |