皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
makomakoさん |
|
---|---|
平均点: 6.18点 | 書評数: 861件 |
No.221 | 5点 | 鎌倉ユガ洞殺人水脈- 浅黄斑 | 2011/09/11 08:16 |
---|---|---|---|
結構いろんな小道具が出てきたり、薀蓄も盛り込まれているのだが、いかんせん話のテンポが悪く凡長な感じは否めない。誘拐の捜査は実際にはこんな感じなのかもしれないが、それをそのまま読まされてもねえ。悪くはないのだがよくもない。何となく作者の限界を感じさせるところが多々あるが。次回に期待しよう。 |
No.220 | 6点 | ブラジル蝶の謎- 有栖川有栖 | 2011/09/11 08:09 |
---|---|---|---|
有栖川氏の短編物は一発芸のようなところがあり、当たれば爽快だが外れるとなあんだということとなりがち。この作品集はあたりではなかったが、大はずれでもない。旅行中のつれづれに読んだので退屈しのぎにはなったが、心に残るようなものでもなかった。氏のファンであるので多少甘めの評価かもしれない。 |
No.219 | 7点 | 迷路館の殺人- 綾辻行人 | 2011/08/21 10:25 |
---|---|---|---|
綾辻氏の館シリーズはすべてリアルタイムで読んだ。次の作品が出るのが待ち遠しく発売直後に購入した頃が懐かしい。このシリーズは言ってみれば密室の謎が「実は抜け穴がありました」といった禁じ手のようなところもあるのだが、それでもなお読ませる勢いと情熱を感じていた。迷路館はその中でも実に凝ったつくりが魅力的で、作中作、謎かけなど興味が尽きない。禁じ手ぎりぎりのところも多々あるがそれをいやみとさせないところが作者のすごさでしょう。20年以上たって再読してみたがやっぱり面白かった。最近の作者には円熟と引き換えにこういった楽しさがうせてきているのは残念なところです。がんばれ綾辻! |
No.218 | 7点 | 龍臥亭事件- 島田荘司 | 2011/08/18 21:48 |
---|---|---|---|
力作であることは分かるが、やっぱり長いなあ。社会派と本格と文章的表現のいずれをも大切としたという姿勢は分かるけどちょっと凡長にすぎる。小説の雰囲気はとてもよいと思うのだが切れ味が悪い。30人殺しの真実を伝えたいという試みも悪くはないと思うしこの小説にとって肝心なところではあるのだが、ここまでだらだらと書く必要はないのでは。犬坊里美の冒険を読んで久しぶりに読み直したが発表当時に読んだ印象とあまり変わりはなかった。 |
No.217 | 2点 | ストロベリーナイト- 誉田哲也 | 2011/08/11 07:42 |
---|---|---|---|
まず主人公の姫川が好きでないことが大きい。さらに強圧的な警察官が出現して犯人でもなんでもない人の都合など一切無視して無茶苦茶を言いまくる。言葉使いも最低、といったところにいたっては読むのが苦痛となったほど。もし現役の警察官がこれを読んだらさぞかし憤慨すること(そう願いたい)と思う。 |
No.216 | 6点 | つきまとわれて- 今邑彩 | 2011/07/31 07:46 |
---|---|---|---|
魅力的な謎とどんでん返しと推理小説のお約束はきちんとふんだ小説であり読んでいる間は面白かったのだが、なぜか印象が後に残らない。インパクトもそれなりにあると思うのだが。 |
No.215 | 7点 | なぜ絵版師に頼まなかったのか- 北森鴻 | 2011/07/31 07:42 |
---|---|---|---|
北森氏得意の連作。話は明治初期の東京大学雇われ外国人に仕える冬馬が中心となって周囲におきる事件を順々に綴っていく。はっきり言って推理小説としては若干弱いところがあるが、作者の巧みな筆により昔学校で習った(と記憶する?)有名外国人たちがそれぞれが極めて特徴的でもあり、日本と日本文化とんでもなく愛していたことがほほえましく描かれている。愛すべき小説でした。 |
No.214 | 6点 | よもつひらさか- 今邑彩 | 2011/07/24 09:46 |
---|---|---|---|
今邑氏の作品はどれをよんでもきちんとした構成と練った内容が読み取れて面白い。私としては作者の長編物のほうが好みではあるが、短編もどれもひねりが効いている。「ささやく鏡」や「茉莉花」南下は結構好きだが、好みでないお話もあり(穴二つなんかは好きでないな)全体としての印象はまずまずといったところでした。 |
No.213 | 5点 | 葬神記 考古探偵一法師全の慧眼- 化野燐 | 2011/07/24 09:35 |
---|---|---|---|
考古探偵という聞きなれないエキセントリックな探偵が登場するとの見出しに誘われえて読んでみた。さすが考古学を専門としていた作者らしく極めて専門的な話も出てくるが何とか理解できた。考古学の発掘という全く知らない世界も垣間見えてこの分は興味深かったが、推理小説としてみるとイマイチ。とくにいろんな事件の黒幕を見つけるに当たってはアンフェアーな展開でしょう。巻末の銅鐸の図解も物語とは関係ないと思うのだけど何で載せたのかなあ。
ちょっと新分野に属するような小説のなりうると思うので、次回を期待しましょう。 |
No.212 | 6点 | 少女Aの殺人- 今邑彩 | 2011/07/16 14:39 |
---|---|---|---|
私は推理小説が好きなくせに、読んでいて犯人あてをしようと思っていないのか馬鹿なのか犯人が途中で分かることが少ないのですが、これは残念ながら途中で犯人が分かってしまった。犯人は結構以外ではあるのですが。当初はこんなみえみえで大丈夫かと思っているとそれ自体はうまくまとまって意外な展開とはなる。ちゃんと本筋ははずさないところもあるが、いかんせん犯人が分かってしまったのでちょっとつまらなかった。 |
No.211 | 8点 | いつもの朝に- 今邑彩 | 2011/07/16 14:32 |
---|---|---|---|
これは厳密にいうとミステリーではなく、評にも書かれているように兄弟小説ではあるが、なかなか感動的でした。でもミステリーの要素はしっかりと書き込まれており、ストーリーも二転三転、そして意外な結末も用意されている。長編であるが一気に読んでしまった。最後のほうがちょっとくどいのがちょっと減点。 |
No.210 | 7点 | 七人の中にいる- 今邑彩 | 2011/07/16 14:24 |
---|---|---|---|
かなり面白い。結構長いお話なのに一気に読んでしまった。確かに多少地味かもしれないがミステリーの基本をしっかりと押さえた作風は好きです。作者はサスペンスといっているがちゃんとしたミステリーだと思います。発表当時はあまり注目されなかったようだが、やはり主人公が地味なことと、男からみると登場する女性がもうひとつかわいくない。女性の視点からみるとこうなるのだろうし多分この方が現実として正しいかもしれないのだが。
いずれにせよ最近作者の作品が次々に復刻されて誠に喜ばしいことだと思います。 |
No.209 | 7点 | 龍臥亭幻想- 島田荘司 | 2011/07/10 14:35 |
---|---|---|---|
初めの部分は物語の伸展が話し言葉でつづられてしかも岡山ベンなので多少読みにくい。まあすごい話ではありました。トリックも強烈で犯人も意外なと本格物としてすばらしいのですが、残念ながらこのトリックは成り立たないことが職業柄分かってしまい多少興ざめ。 |
No.208 | 7点 | そして誰もいなくなる- 今邑彩 | 2011/07/02 07:29 |
---|---|---|---|
名作のオマージュはどこか作者の独りよがりのところが垣間見えてなかなか良いものには出会えないが、この作品はまず一定のラインはクリアーしていると思います。初めはこんな設定で大丈夫かなあと思っていたが、無理なく物語りは進行して最後のほうはお約束のどんでん返しもある。ただ個人的好みからいえば最後の話はなしのほうがすっきりとするのですが。 |
No.207 | 3点 | ネジ式ザゼツキー- 島田荘司 | 2011/06/28 08:00 |
---|---|---|---|
どうも雲をつかむような話で、しかも長い。御手洗もいつの間にか脳科学者となり以前のようなエキセントリックなところがほとんどみられない。好みの問題でしょうが私は退屈してしまった。 |
No.206 | 1点 | 密室殺人ゲーム王手飛車取り- 歌野晶午 | 2011/06/26 08:14 |
---|---|---|---|
私にとってこんな設定の話は不愉快なだけでとても楽しむことはできない。 |
No.205 | 6点 | 「裏窓」殺人事件 tの密室- 今邑彩 | 2011/06/24 07:43 |
---|---|---|---|
一見無関係な事件がだんだんと捜査するに従いつながってくる過程は興味深く読める。探偵の貴島は陰気で暗く、あまり好きなキャラクターではない。彼の性格上結構衝撃的な話なのに物語の伸展が平坦な感じがする。目撃者の女の子もえらく気が強そうでもうひとつ魅力に欠ける。登場人物がよければこの話はもっともっとよくなりそうなのに。 |
No.204 | 5点 | シャドウ- 道尾秀介 | 2011/06/23 08:03 |
---|---|---|---|
この作者とは愛称が悪いようだ。出だしから暗くて読みにくい。精神障害に興味があるようだが本で読んだ精神科といった感がとても強い。、精神科から神経科へ転科(神経内科ならともかく)とか、精神科医?が狂った人の治療と述べたり(これは多分ありえない。精神科医は病気と捕らえている)。
こういった本が共感されるということは精神科医や精神科医療が多くの人にこのように捕らえられているということを示すのかもしれないので、この方面に携わっているものとしては何だか心配な気もする。 主人公が精神科医の苦悩に絶望して国家試験を受けなかったというのもぜんぜん納得できない。医師にとってはほかの臨床科目はいっぱいあるし(むしろ精神科はマイナーなほう)、それが嫌なら基礎分野にも進める。 色々書いたが作者の筆力はなかなかのものと思うので、こういったことが気にならないならもう少し良い印象となるのだろう。 |
No.203 | 7点 | 「死霊」殺人事件- 今邑彩 | 2011/06/19 09:06 |
---|---|---|---|
私は結構この作品好きです。初めからかなり解決が大変と思われる謎が提出され、刑事はあちこち振りまわされつつ意外な結論へ到達していくところなんかはなかなか面白かった。ただ欠点もある。女性が書いた作品のせいかは登場人物の女性がちっとも素敵でない。若いツバメ(死語?)がおばさんを捨てて若い女のところへ走ってしまうにも相手の若い女が狸顔で無教養下品ではねえ(そんな女のところへはいかないでしょ)。主人公の刑事も何となく暗い過去を待ったのはよいが、捜査会議で突然死体が殺人を犯したなどと言うだろうか。刑事のキャラクターがエキセントリックなら仕方がないが、常識をわきまえた普段の行動とはかけ離れていて違和感がある。
評価が余りよくないが私は楽しく読みました。 |
No.202 | 5点 | 犬坊里美の冒険- 島田荘司 | 2011/06/15 07:27 |
---|---|---|---|
主人公の犬吠泣きすぎ。だらしないったらありゃしないのに妙なところでがんばる。ミニスカートで化粧バッチリ、緊張してしゃべるとミーハーのようなへんちくりんな言葉。私は高学歴高地位の女性と一緒に働いたり接したり機会が比較的多いがいずれの女性もきわめて優秀で、男なんかによりはるかに丈夫。彼女たちにこれを読ませたらきっと作者は女を馬鹿にしているんじゃないと怒り出しそう。こんな女性がいたらかわいいとは思うが弁護士では頼りないでしょうね。
日本の裁判制度に対する批判のようなものは読み取れるが、作者のミステリーとしてはちょっと薄味。 |