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[ 社会派 ]
ピース
樋口有介 出版月: 2006年08月 平均: 5.14点 書評数: 7件

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中央公論新社
2006年08月

中央公論新社
2009年02月

No.7 4点 ayulifeman 2014/06/28 22:17
表紙とタイトルで勝手に子ども探偵ものかな…と想像して読み始めたものの結構ディープな田舎の大人のお話でした。
どの登場人物にも感情移入ができず小説世界をリアルに体感できなかった。
つらい読書ではなかったけど、満足読書ではなかったです。

No.6 6点 メルカトル 2014/04/30 22:24
『ピース』洒落たいいタイトルだねえ、まあ誰が考えてもそれ以外ないんだけど。それと装丁(文庫版)も実にいい味出している、読後思わず見返してしまったよ。
肝心の中身は、秩父での連続バラバラ殺人事件を追う刑事と、被害者がピアノを弾いていたスナックのマスターやバーテン、そこに通う常連たちの物語が入り乱れての人間模様が中心に描かれており、若干本格ミステリとは言い難い。しかし社会派ではないと思うね。一応、その中に伏線が張られてはいるのだが、それらを頼りに真相にたどり着くのは無理だろう。なにせ、何の前触れもなしに、いきなりある人物が犯人を指摘し、真相を語りだすのだから。その段になって、やっとあの時のあれはそういうことだったのか、などと考えが至るのみで、さすがにここまではたどり着けないと思う。
そしてラスト、刑事のセリフが回りくどすぎて、なんだか締まりのない終わり方になってしまっている気がする。もう少し、ズバリと切り込まないと、せっかくの作者の狙いがぼやけてしまって、後味の悪さに繋がっているのではないだろうか。
しかしまあ、全般的に重苦しい雰囲気ではあるものの、特にホワイダニットについては、なるほどと首肯させられるだけのものはあった。ただ、いくつかの謎が謎のまま回収されていないものがあり、やや気持ち悪さが残ってしまっている点は残念。

No.5 5点 2013/06/14 11:09
連続バラバラ殺人もの。被害者の共通点は何か?
事件を追うのは、埼玉県警の田舎刑事。他に関係者たちが個別に嗅ぎまわる。

ブックオフ大型店では飽和状態のようです。おそらく書店POPで話題になり売れたのでしょう。読後、ネットで確認してみたところ、この程度で話題になるのかと驚かされました。肩透かしでもなければ、ネタバレというほどでもないし、特に問題ないのでは。まあ、いろいろ感じ方はありますからね。とにかく売り手側の勝利でした。
アマゾン評を見れば、ミステリーではない、幕切れに不満あり等々の声が多く、売行きに反して意外なポイントの低さです。少しは理解できますが、伏線が未回収だとかいってミステリーになぜ定型パターンを求めるのか、不思議に感じます。まあ嗜好の問題ですけどね。
個人的には、背景や真相、ラストをふくめ、わりに好みのスタイルで、まずまずの満足度です。欠点を挙げるなら、群像劇であること。群像劇のよさもありますが、分散してキャラクタが薄くなりぎみなので、そこがちょっとね。これも嗜好の問題です。

満足度は予想以上ですが、内容自体も予想とは大違い。このタイトル、あの表紙の絵から、誰がこの重い内容を想像できるでしょうか。作者本人が以前から書きたかった経験ネタだそうで、もっと明るく軽くしたかったようですが、重く暗い雰囲気になってしまったとのこと。
とても印象に残る作品でした。

No.4 5点 イガ者 2013/04/19 03:48
とりあえず、読むとお腹が減ります。
タマネギ・・・グギュルルルル~。

No.3 7点 makomako 2012/01/07 20:43
 無口な店員とマスター、そして食事のレシピなどなんだか北森鴻の世界みたいだなと思っていたら、途中からしっかりミステリーとなる。
 連続ばらばら殺人が起きるが、被害者にまったく関連性がなく登場するおじん刑事もぜんぜんさえないなあと思っていたら、警察とは無縁の人物から急遽犯人が指摘される。なるほどこういったこともありかな、でもまだ大分ページが残っているのに解決というもの変だなあと思っていると、話はさらにひねくれて意外な結論(だいたい私はこういった展開は推定できていません。だから面白く読んでもいるのですが)となる。ただ最後にいたってもマスターの八田やバーテンダーの梢路にはまだ謎の影が残る。
 なかなか楽しめました。

No.2 3点 卑弥呼 2011/08/18 22:14
このサイトに来る人なら書店のポップで落ちが分かってしまうレベル。
意外な結末も、残りページで大体わかってしまう。
その意外な結末も、悟空がドラゴンボールで生き返る程度の意外さ。
登場人物も、一番心理描写の多い女性記者が鼻持ちならないし、主役クラスの刑事の話し方がウザイ。
一番初めにネタフリしてた女子大生や、中途半端に掘り下げた料理人の過去にまつわる謎がただ思わせぶりなだけで、シリーズモノにしようとして失敗したんじゃないかと勘ぐってしまう。
読み終わった後壁に思い切りぶつけました。

No.1 6点 シーマスター 2011/08/10 22:38
秩父地方が舞台の連続猟奇殺人事件。

秩父って、山と川だけのイメージだったけど、それなりの社会があるんですね。(失礼千万なコメントですね。すみません)

本作は終盤までは比較的オーソドックスなミステリーの形態をとり、そのキモは「Why?」だが、まぁこれはわからんわ。
全く無関係に見える被害者たちの共通項は何か? 彼らはなぜ殺されたのか?
その答えは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「ピース」

そして最後の「転回」・・・大半のミステリーファンは、あまり好ましくない印象を抱くでしょうね。

撒きっぱなしで回収されない謎もいくつか残るが、あまり深く考えずに暇つぶし程度のつもりで読めば、軽妙な文体で手軽な小説といえるだろう。


全くの偶然ですが、日にち的に結構タイムリーな作品でした。


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