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[ 警察小説 ] 悪女は自殺しない オリヴァー・フォン・ボーデンシュタイン&ピア・キルヒホフ |
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ネレ・ノイハウス | 出版月: 2015年06月 | 平均: 6.50点 | 書評数: 2件 |
東京創元社 2015年06月 |
No.2 | 6点 | 蟷螂の斧 | 2016/01/12 17:29 |
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デビュー作ということで、力が入っていることが分かります。ただ、幅を広げ過ぎた感もあります。つまり容疑者が多すぎるということです。そこが魅力と捉えるか、複雑すぎると感じるか・・・ということでしょう。男女の刑事コンビは初々しさがあって良かった。また初恋の人の登場や乗馬クラブの娘がいいアクセントになっていました。シリーズ7作中、まだ3冊の翻訳であり、残りの翻訳が望まれます。 |
No.1 | 7点 | kanamori | 2015/07/03 00:46 |
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上級検事の不可解な自殺事件につづき、飛び降り自殺に偽装された女性の殺害死体が発見される。地元警察の首席警部オリヴァーが率いる捜査班は、7年ぶりに復職したばかりの刑事ピアを加え捜査を始めるが、被害者女性イザベルを巡る複雑な人間関係と、背後に隠された複数の事件に振り回される--------。
オリヴァー首席警部&女性刑事ピア・シリーズの第1作。 本書は、既刊の「深い疵」(第3作)、「白雪姫には死んでもらう」(第4作)の高い評価で、”ドイツ・ミステリの女王”の称号を得たノイハウスが、本国でブレイクする契機となった作品ですが、当初は自費出版だったというエピソードが信じられない完成度です。 馬が専門の動物病院と地元乗馬クラブに関係する人々が容疑の対象となるが、被害者のイザベルがとんでもない裏の顔を持っていたことから、彼女に繋がる誰もが動機があるという状況。しかも、かれらは一筋縄ではいかないヤツばかり。さらに背後に隠されたいくつもの事件が絡み合って、オリヴァーの捜査が紆余曲折しながら、重要容疑者が次々と変転していく展開がやたらと面白い。 オリヴァーとピア、それぞれの配偶者との微妙な関係がシリーズを通した読みどころでもありますが、本書ではそれほど深く語られていない。既刊作品に繋がる2作目の訳出が今から待ち遠しい。 |