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[ 警察小説 ] 生者と死者に告ぐ オリヴァー・フォン・ボーデンシュタイン&ピア・キルヒホフ |
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ネレ・ノイハウス | 出版月: 2019年10月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 2件 |
東京創元社 2019年10月 |
No.2 | 7点 | HORNET | 2022/09/26 21:02 |
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犬の散歩中の高齢女性が突如射殺された。通り魔的な犯行かとも思われるが、80メートルの距離から正確に頭部を狙撃する腕はプロ並み。続けて翌日、森に建つ邸宅のキッチンにいた女性が頭部を撃たれて死亡。さらには自宅前で若い男性も―。ねらいを定めた殺人なのか、無差別殺人なのか、オリヴァーら捜査本部が迷走する中“仕置き人”と名乗る謎の人物から、警察署に死亡告知が届く。おなじみオリヴァー&ピアの名コンビが、連続射殺事件の謎に挑む。
無差別殺人なのか、何らかの背景がある殺人なのか?被害者のつながりを洗ううち、救急搬送された家族に臓器提供を強要されたある一家の悲劇が浮かぶ。その像が見えたらそこから突き進めていけそうなのだが、事件の背景は見えてきても「誰が」凶行に走っているのかが見えてこない。じりじりした展開の中、悲劇はさらに重ねられていく。 本シリーズの特徴として、本筋の謎解きと並行してオリヴァーやピアのプライベート面での物語が描かれていくことがあったが、本作はその色はやや薄め。言い換えれば物語が本筋の事件捜査で占められており、ミステリとしては濃度が濃い。(が、オリヴァーやピアのプライベートの話も読者としては苦ではなく、むしろ話の面白さを増していたので何とも言えないが) 事件の背後に巨悪が潜んでいる、という構図は「穢れた風」にも似たものがあるが、その内実が明らかになっていくうちに、純粋な被害者と思われていた者が悪に反転していく様は非常に読み応えがある。 やはりネレ・ノイハウスは技巧者だと、改めて認識した。 |
No.1 | 7点 | 蟷螂の斧 | 2020/02/23 16:40 |
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裏表紙より~『ホーフハイム刑事警察署の管轄内で、犬の散歩中の女性が射殺された。80メートルの距離から正確に頭部を狙撃されたのだ。翌日、森に建つ邸宅で、女性が窓の外から頭を撃たれて死亡。数日後には若い男性が心臓を撃ち抜かれた。そして警察署に“仕置き人”からの死亡告知が届く。被害者たちの見えない繋がりと犯人の目的とは。刑事オリヴァーとピアが未曾有の連続狙撃殺人に挑む!』~
評論家の杉江松恋氏が「ノイハウスってこんなにおもしろかったっけ?」と言っています。そうなんです、面白いんです(笑)。今回の犯人は狙撃の名手です。よって容疑者は少ないかなと思ったら、そうでもなく相変わらず容疑者は多かった。捜査チームはプロファイラーを押しつけられるのですが、”こいつ”がイライラする男でした。”こいつ”のおかげで犯人を見逃してしまった(苦笑)。 |