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[ 警察小説 ] 刑事の約束 刑事・夏目信人シリーズ |
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薬丸岳 | 出版月: 2014年04月 | 平均: 6.50点 | 書評数: 2件 |
講談社 2014年04月 |
講談社 2016年07月 |
No.2 | 7点 | take5 | 2019/07/29 22:01 |
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良心も残酷さも全てがない交ぜで人間が描かれています。
短編集でこれだけ世の中の問題を書き切れるのは凄い。 夏目シリーズの一作目で感じた作者の熱を懐かしくまた思い出しました。 但し、シリーズ故の読者側の思い込みかもしれないですが、 やり過ぎないと前作を越えないと作者に勘ぐられているような気もします。 |
No.1 | 6点 | E-BANKER | 2016/12/31 14:04 |
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警視庁・東池袋署刑事・夏目信人を主人公とするシリーズ。2014年発表。
短篇集「刑事のまなざし」、長編「その鏡は嘘をつく」に続く三作目が本作。 今回も作者らしい重いテーマを扱っているのだが・・・ ①「無縁」=小学生が犯した犯罪。しかし、その子供は世間と隔絶された生活を送り、自身がどこの誰なのか分からなかった(!) 作者が繰り返し挑むテーマが「少年犯罪」なのだが、今回も大人の事情の犠牲となった子供が登場する。黒幕として登場するある人物は前作で「影」を見せていた人物で・・・ ②「不惑」=夏目の高校の同級生の男。彼は同窓会&結婚式の舞台で過去の「恨み」を晴らそうと画策していた(!) しかし、夏目が看過した真実は違ったものに・・・。「恩」って時には残酷だな。 ③「被疑者死亡」=刑事が追い詰めた男が、目の前で車に轢かれてしまう(!) その男の行動を追ううちに、意外な事実が浮かび上がってくる・・・。少しでも家族のために贖罪しようとしていた男の姿に涙! ④「終の住処」=認知症を患っている老婆が、日頃世話になっている介護職員を突き飛ばし、大怪我を負わせてしまう。なぜ、老婆はそんな行動を取ったのか?というテーマなのだが、この超高齢化社会ではよくある光景なのかもしれない。犯罪者を息子に持つ老婆の、母親としての愛情に涙! ⑤「刑事の約束」=①~④にも増して重いテーマである。本編は「刑事のまなざし」を先に読んでいることが前提となるので注意。「…まなざし」で夏目が救ったはずの少年に再びスポットライトが当たるのだが、少年の心には思いもつかないような闇が広がっている・・・。何とも言い様がない悲しみに涙! 以上5編。 最初書いたように、何とも「重い」「重い」テーマである。 今回も少年や老婆、元犯罪者など、社会的に弱い立場にある人々が犯罪に落ちていく様が描かれている。 そして、その犯罪を見つめるのが、夏目刑事ということになる。 人はなぜ犯罪を犯すのか、環境のせいなのか、人間性の問題なのか? どれも読者の心に強く訴えてくる作品になっている。 特にラストの⑤。ここまでヒドイ話にする必要があるのかとさえ感じてしまった。 果たして、裕馬少年に未来はあるのだろうか? フィクションながら、心配せざるを得ない、そんな気にさせられてしまった。 (続編も読むんだろうな・・・) |