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[ 警察小説 ]
御子柴くんの甘味と捜査
御子柴くんシリーズ
若竹七海 出版月: 2014年06月 平均: 4.67点 書評数: 3件

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中央公論新社
2014年06月

No.3 4点 E-BANKER 2019/03/21 22:08
~長野県警から警視庁捜査共助課へ出向した御子柴刑事。甘党の上司や同僚から何かしらスイーツを要求されるが、日々起こる事件はビターなものばかり・・・~
というわけで、大人気(?)シリーズとなった葉村晶シリーズのスピンオフ的位置づけの連作短篇集。
2014年の発表。

①「哀愁のくるみ餅事件」=長野県上田市の甘味にまつわる事件・・・というわけではなくて、上田市の山中で発見された不審死体にまつわる事件。今どき、こういうニートの子供を持って苦労する親って多いんだろうな・・・
②「根こそぎの酒饅頭事件」=酒饅頭かぁー確かに旨いやつもある!っていうわけでなく、何だか怪しい奴がいっぱい出てきて何が何だか分からないうちに解決されちゃった事件(あくまで雰囲気です)
③「不審なプリン事件」=どんなやつだ?「不審なプリン」って?? 長年逃亡を続けてきた殺人犯をめぐって、軽井沢の教会を舞台に起こる事件・・・。で、何なんだ「不審なプリン」って?
④「忘れじの信州味噌ピッツァ事件」=味噌ピッツァとは、長野県駒ヶ根市のB級グルメだそうです。甘味じゃねえじゃん! でもこれがミステリー的には一番まとまってる気がした。
⑤「謀略のあめせんべい事件」=何なんだ?「謀略のあめせんべい」って?? 長めの割には実につまらない事件、っていうかプロット。

以上5編。
主人公はタイトルどおり御子柴刑事だけど、探偵役は短篇集「プレゼント」に登場する長野県警の小林警部補。全編、御子柴君からの報告を受けて、小林警部補の“気付き”から事件が解決するというパターンとなっている。

まぁ正直言ってつまらん。その一言。
そう言ってしまうと身も蓋もないのだけど、やっつけ仕事感が半端ないっていう感じだ。
作者あとがきで、作者自身もそれっぽいことを書いてるんだから、もはやそういうことなんだろう。
こういう巻き込まれキャラっていうのも既視感ありありだしね。

葉村晶シリーズのファンとしてついつい手にとってしまった本作なんだけど、うーん、余計だったな・・・

No.2 5点 まさむね 2018/03/12 23:48
 御子柴刑事って誰? 小林警部補の元部下って言われても、そもそも小林警部補って誰? 短編集の「プレゼント」に登場していた?ほほう、娘のセーラームーンの自転車に乗って現場に駆け付けた警部補ねぇ、確かに記憶にはあるな。でも相棒の若い刑事なんて覚えてないよねぇ…って感じ。
 その御子柴刑事、長野県警から警視庁に出向し、両者の様々な調整をさせられているという設定で、その気苦労については、立場は違えどかなり身につまされました。「調整」って、漢字で表すとたった2文字なのに、実際はもの凄く複雑だし、そもそも自分の心はまったく整うことがないのですよねぇ。頑張れ御子柴クン、っていう印象だけが残りそうな連作短編集かも。

No.1 5点 kanamori 2014/09/16 17:25
短編集「プレゼント」でシリーズ探偵の葉村晶と共演した小林警部補の部下、御子柴刑事を主人公とする連作短編集。
あとがきによると、編集部から彼を20年ぶりに再登場させる原稿依頼があったとき、作者は「小林警部補? 誰それ」状態だったらしいので、読者が憶えているわけがありませんw

長野県警から警視庁に出向し、捜査共助課で長野と東京が絡んだ事件の調整役を務める御子柴刑事が、甘党の捜査一課主任からちょっかいを掛けられながら、5つの事件に関わるといった構成になっています。
スイーツとミステリの組み合わせは、またか!の感があり、「哀愁のくるみ餅事件」「忘れじの信州味噌ピッツァ事件」など各話タイトルも、某小市民シリーズを連想してしまいますが、コージー風のキャラクターのわりに、警察が扱うだけに事件はわりと殺伐としています。謎解きの妙味よりも捜査小説としての展開の面白さを狙った連作ミステリでした。


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