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[ 警察小説 ]
廃墟に乞う
佐々木譲 出版月: 2009年07月 平均: 5.75点 書評数: 8件

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文藝春秋
2009年07月

文藝春秋
2012年01月

No.8 7点 itokin 2016/01/30 19:00
短編集でありながらどの作品も情景が丁寧に描かれ物語は淡々と進みながら主人公のキャラがじわっとくるこうゆうのは大好きです。終わり方も余韻を感じるし短編集としては佳作だと思います。

No.7 7点 itokin 2016/01/30 19:00
短編集でありながらどの作品も情景が丁寧に描かれ物語は淡々と進みながら主人公のキャラがじわっとくるこうゆうのは大好きです。終わり方も余韻を感じるし短編集としては佳作だと思います。

No.6 5点 E-BANKER 2012/04/17 23:10
第142回の直木賞受賞作。
ある事件が元で任務を離れた刑事・仙道を主人公とする連作短編集。

①「オージー好みの村」=北海道はニセコ、ヒラフというと、今やオーストラリア人に席巻されてる町(らしい)。そこで起こった殺人事件の容疑者にされたオージー(オーストラリア人)を救うためやって来た仙道だが・・・
②「廃墟に乞う」=今や寂れ果てた旧炭鉱町を故郷に持つ男が、再び起こした殺人事件。男はやはり故郷へ戻ってくると思われたが、そこには哀しい母子の想い出があって・・・
③「兄の想い」=今回の舞台はオホーツク海を望む小さな漁師町。気性の荒い漁師たちが幅を利かす町で、妹想いの兄貴がとった行動が事件の焦点に・・・
④「消えた娘」=札幌のはずれの町で消えた1人の女性。娘を追って名寄から出てきた父親が縋った男はまたも仙道・・・。女性を監禁する趣味を持つ容疑者が判明するが、消えた女性はなかなか見つからず・・・
⑤「博労沢の殺人」=舞台は日高・浦河地方の牧場地帯。大牧場のオーナーだが、商売柄敵の多い男が殺害される。そして、容疑者として挙がったのは2人の息子たち・・・。因みに「博労沢」は架空の地名だそうです。
⑥「復帰する朝」=刑事に復職するため、札幌に戻ろうとする仙道に電話が・・・。結局、依頼主のために帯広まで向かうことに。そして巻き込まれた殺人事件と、知ることになったある女性の裏側の貌(おーコワッ!)

以上6編。
上記のとおり、本作は北海道のあちこちで起こる事件に、主人公である休務中の刑事・仙道が巻き込まれてしまうというスタイルをすべてとってます。
ベテラン作家らしく、何とも言えない「安定感」を感じる作品が並んでいて、さすが直木賞を取るだけのことはある・・・というのが表向きの感想。
ただ、「なぜだか分からないけど、あまり面白くない」というのが真の感想。
まぁ警察小説だから、本格ミステリーほど「謎解き」に関する面白さを追及するのは酷だが、全ての作品が最初から最後まで割と平板に終わったなぁという読後感になってしまった。
(「それがしみじみしてていいんだ」という方も当然いらっしゃるとは思うが・・・)
小説である以上は、やはりもう少しエンターテイメント性が欲しいと思うのだが・・・。

No.5 4点 ZAto 2011/04/11 00:09
表題作の『廃墟に乞う』が秀でているのは、傷を負う者同士の不思議な連帯を描きながら、時代論と都市論をさりげなく織り込んでいったことにあるのかもしれない。
それだからこそ、この表題作を囲んだその他の短編の凡庸さが惜しまれてならない。

No.4 6点 HORNET 2011/01/09 19:53
 直木賞受賞作品。精神療養の為休職中の仙道孝司という警官を主役にした短編連作。川久保巡査を主人公にした「制服捜査」に似た構成で,ある意味著者らしい作品です。

No.3 6点 まさむね 2010/10/30 21:52
過去の事件で精神的に傷を負い,休職している刑事が主人公の連作短編集。直木賞受賞作。
ミステリ性は極めて薄いが,まぁ良い読書時間ではあったのかなぁ…そんな印象。
氏の連作短編であれば,「制服捜査」の方が良作かも。

No.2 5点 kanamori 2010/03/06 13:28
ある事件の影響で休職中の刑事を主人公にした連作短編集。
設定から「刑事くずれ」のミッチ・トビンをイメージしたが、それほどのトラウマはないようです。
警察小説三羽鴉でいうと、エンターテイメントに徹した今野、どんでん返しのある横山に比べて、いかにも地味な印象。直木賞なら「エトロフ発緊急電」なんかで20年前に獲っててもおかしくなかった作家なんだけど。

No.1 6点 白い風 2010/02/26 22:40
初めての佐々木作品でした。
6編の短編集で、直木賞受賞作品。
最初、主人公の過去に違和感がありました。
「え?これって前作があるの?」って。
主人公の仙道が負った心のキズが周知の如く進んでいく…。
そんな不安定な心の持ち主の仙道が鮮やかに事件の真相にたどり着く。
ちょっと地味な作品だったけど、それなりには楽しめたかな。


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