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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
エトロフ発緊急電
第二次大戦三部作
佐々木譲 出版月: 1989年10月 平均: 6.75点 書評数: 4件

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新潮社
1989年10月

新潮社
1994年01月

双葉社
2004年06月

No.4 6点 E-BANKER 2026/03/08 11:27
実に久しぶりに作者の作品を手に取ることに。
前々から「読まねば」と思ってた本作。新潮文庫版で700頁超え。大作である。心して読もう!
山本周五郎賞受賞作。1989年の発表。

~1941年12月8日、日本海軍機動部隊は真珠湾を奇襲。この攻撃の情報をF.ルーズベルトは事前に入手していたのか?海軍機動部隊が極秘裏に終結する択捉島に潜入したアメリカ合衆国の日系人スパイ、ケニー・サイトウ。義勇兵として戦ったスペイン戦争で革命に幻滅し、殺し屋となっていた彼が、激烈な謀報戦が繰り広げられる北海の小島に見たものは何だったのか・・・~

太平洋戦争、真珠湾攻撃、南京大虐殺、特高警察に代表される戦時下の日本の異常な空気・・・
これまで散々コスられてきた題材といえる。
どこを切り取るかでも変わってくるけれど、現代日本からすると耳を疑うような世界、千人に千人の人生のドラマがある世界。毎回違った感情が湧いてくる。

で、作者が舞台に選んだのが、今の北方領土。「択捉島」。北海道の方は馴染みがあるのかもしれないけど、私にとっては「未知の場所」。何となく雪と氷に閉ざされた孤島というイメージだったのだが、当然ながら戦前は日本人が住み、暮らしていた島。
その島にロシア人との混血で生まれ、美しい女性に成長したのが、主人公のひとり「岡谷ゆき」。
戦下で生きる彼女の姿も、作者により描かれることになる。
うーーん。粗筋なんてとても書ききれないな。とにかく、作者の用意した物語にまかせ、読み進めるしかない。
ラストは、それまでに登場してきた多くの人物が択捉島に集結。悲しくも、未来へとつながる結末を迎えることになる。
ラストは当然なんだけど、個人的に一番の山場は、ケニー斎藤が東京から択捉まで、スパイとしての経験と才覚をフルに使って特高の追っ手をまいていくところ。根室から漁船をチャーターしたら船員に襲われ、択捉に上陸すると強烈な寒さに苦しめられる・・・。そんな彼を救ったのが「ゆき」だったのだ。

本作は1993年にNHKでドラマ化されてるとのこと。まさに、ひと昔前、年末年始にやってたスペシャルドラマ枠で主演級の俳優が勢ぞろい、っていうのがピッタリだろう。(岡谷ゆき役が若き日の沢口靖子だったのね・・・なるほど)
BSなんかでぜひ再演してくれないかな。でも戦艦集結の場面なんか今なら絶対CGだろうけど、特撮だと迫力が違うんだろうな、でも予算がなあー、なんていらぬ心配をしてしまいそうだが…

No.3 7点 あびびび 2016/08/29 12:42
ハワイ真珠湾攻撃は、相手の目を欺くために択捉島のある小さな港に軍艦が集結し、それから火蓋が切られた…。

その情報収集にアメリカから日本語の話せるケニー・ケイイチロウ・サイトウと言う日系人がスパイとして送られる。その男は東京に潜伏した後、鍵は択捉にあるという情報を得て、北海道から択捉まで、追手を間一髪のところで避けながら択捉島にたどり着いた…。

日本人離れしたスケールの大きな話で、現代の佐々木さんとはちがうスタンスの味わい深い作品だと思う。

No.2 7点 TON2 2012/11/12 13:36
新潮文庫
この作品は、平成2年「山本周五郎賞」日本推理作家協会賞」「日本冒険小説協会大賞」を受賞した作品です。
1941年12月8日、大日本帝国海軍機動部隊は真珠湾を奇襲。この攻撃情報をアメリカは事前に入手していたのか?日系人スパイが艦隊集結地の択捉島に潜入する。
ケン・フォレットの「針の眼」に非常によく似た内容です。ストイックなスパイ、冬の北の島が舞台、島の孤独な女性と愛し合う、とどれも同じです。
登場するのが、日系人スパイ、ロシア人との混血娘、半島から連行された朝鮮人、北の島から連行されたクリル人、信仰に生きられない牧師と皆自分の居所を失った人間ばかりです。

No.1 7点 itokin 2010/07/12 09:03
太平洋戦争勃発のスパイの物語。スケールが大きく、構成、テンポも良く主人公も魅力的に描かれている。真珠湾攻撃のいきさつも解かり易く書かれており徐々に盛り上げる手法は流石です。(推理協会賞、周五郎賞受賞作品)


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