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[ 警察小説 ]
樹林の罠
道警シリーズ
佐々木譲 出版月: 2022年12月 平均: 7.00点 書評数: 1件

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角川春樹事務所
2022年12月

No.1 7点 HORNET 2024/06/05 22:53
 轢き逃げの通報を受け、臨場した北海道警察本部大通署機動捜査隊の津久井卓は、事故ではなく事件の可能性があることを知る。それは被害者が拉致・暴行された後にはねられた可能性が高いということだった。その頃、生活安全課少年係の小島百合は、駅前交番で保護された、旭川の先の町から札幌駅まで父親に会いたいと出てきた九歳の女の子を引き取りに向かう。一方、脳梗塞で倒れた父を引き取るために百合と別れた佐伯宏一は、仕事と介護の両立に戸惑っていた。そんな佐伯に事務所荒らしの事案が舞い込む…。それぞれの事件がひとつに収束していく時、隠されてきた北海道の闇が暴かれていくー。(「BOOK」データベースより)

 シリーズメンバー(津久井、佐伯、新宮、小島ら)がそれぞれの管轄で担当事案にあたっているうち、偶然にも同じ一つの事件に結び付いていく、という展開はある意味「相変わらず」だが、こちらもそれを織り込み済みで読んでいるところがあるので、そう考えれば期待どおり。
 道警に煙たがられている面々が、その捜査能力と嗅覚で、本人たちには図らずとも結果的には煙たがっている連中の鼻を明かしていくさまは、本人たちにその気がないからこそ余計に痛快。他作でもちょくちょく見る「国有地買取詐欺」を題材としながら、そこに目を付けた反社会勢力の企みという構図がよく考えられていて面白い。
 シリーズの完結(?)となる「警官の酒場」が最近刊行された。本当に完結してしまうならさみしい限りだが、読破してきたファンとしては、心行くまで楽しみたい。


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佐々木譲
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