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[ パスティーシュ/パロディ/ユーモア ]
検死審問ふたたび
リー・スローカム検死官
パーシヴァル・ワイルド 出版月: 2009年03月 平均: 6.50点 書評数: 6件

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東京創元社
2009年03月

No.6 5点 YMY 2021/10/18 23:20
前作の風俗小説的な渋さが好みだったので、ユーモア色が濃くなった本作は好みから外れている。あとメタフィクション的な趣向が目についた。

No.5 6点 ボナンザ 2020/04/19 14:18
前作以上にユーモラスながら、しっかりミステリとしても完成度が高いのは流石。まあ、馬鹿ミスの類と言われればそうですが。

No.4 6点 蟷螂の斧 2015/02/21 14:34
前作では伏線が不明だったので、今回はメモを取りながらの読書でしたが、メモの中に伏線はありませんでした(笑)。本作は本格というより、やはりユーモア小説でしょう。狂言回しのイングリスがいい味を出しています。心情(愚痴、批判)を誰にも読まれないよう速記するも、検死審問の速記者に読まれてしまうあたりは大笑いです。なんといっても最大のユーモアはトリック自体でしょう?!(それとも当時は本気???)。

No.3 7点 E-BANKER 2012/11/25 20:44
1942年発表。前作「検死審問」の好評により出されたのが本作。
スローカム検死官をはじめ、「魅力的な」メンバーたちがまたも集結!

~女流作家の怪死事件を見事全員一致の評決へと導いたリー・スローカム検死官が、再び検死審問を行うことになった。今回の案件は火事に巻き込まれ焼死したとおぼしき作家・ディンズリー氏の一件。念願の陪審長に抜擢され、大いに張り切るうるさがたのイングリス氏は、活発に意見を述べ審問記録に注釈を加え、更には火災現場まで実地検分に出掛ける気合の入れよう。果たしていかなる評決が下るのか・・・~

これは隠れた(?)名シリーズだろう。(2作しかありませんが)
前作の面白さも秀逸だったが、今回も負けず劣らずの出来。
紹介文のとおり、本作では陪審員の1人・イングリス氏を狂言回しに当て、スローカムの飄々とした受け答えとの対比を鮮明にしている。
これが当たり!
ついつい単独行動で先走ってしまうインテリ・イングリス氏が、ラストには強烈なしっぺ返しに遭ってしまう!(これがなかなか憐れ・・・)

前作でも唸らされたが、とにかく本作のスゴさはプロットの妙に尽きる。
もともとは劇作家である作者の腕と言ってしまえばそれまでだが、検死官たちの会話や証人たちの証言だけが続く展開なのに、いつの間にか、作者の術中に嵌ってしまう。
例えていうなら、『スローカムののらりくらりとした検死審問に付き合ってるうちに、何だかトラックを一周して元の場所に戻っていた』とでもいう感じ。

プロットの「鍵」自体は最初から凡そ察しのつくものだが、それはそれで十二分に楽しめる作品。
評点としては前作と同等としたい。
(とにかく登場人物たちの会話や風刺のきいた注釈が滅法面白い・・・)

No.2 7点 kanamori 2010/08/08 20:57
前作の構成をそのまま踏襲したプロットですが、陪審員のイングリスが主役級の活躍?をして審問をかきまわすさまが最高に面白く、まったく二番煎じの感はない。
引っ越してきたばかりの作家の焼死事件が今回の審問対象で、例によって関係者の証言がとんでもない方向に逸れていって、審問が長引けば日当が増えるスローカム検死官の思惑が見え隠れするのも笑えます。
これで伏線を張り巡らしたりっぱな本格ミステリに仕上がっているから不思議だ。

No.1 8点 nukkam 2009/03/31 10:54
(ネタバレなしです) 「検死審問」(1939年)の続編的な1942年発表のリー・スローカムシリーズ第2作で、本書を先に読んでも支障はありませんが共通する登場人物も多いのでできれば前作を読んでから本書を読むことを勧めます。証人の証言シーンが続くので単調と言えなくはありませんがこれが実にユーモアたっぷりで、派手などたばたがないのに全くだれることなく読み進めました。ユーモア一辺倒ではプロットが腰砕けになりがちですがそこはさすがワイルド、緻密な仕掛けを施した用意周到な謎解きが用意されており本格派推理小説マニアも満足できると思います。


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パーシヴァル・ワイルド
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