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[ サスペンス ]
火の粉
雫井脩介 出版月: 2003年01月 平均: 7.03点 書評数: 30件

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幻冬舎
2003年01月

幻冬舎
2004年08月

No.30 8点 sophia 2019/09/25 00:23
設定が既に面白いので面白くなる予感しかしませんでした。最後まで読むと過去の犯行の一部始終が具体性を持って読者の頭に浮かんで来るのがこの作品の肝。隣人に信頼を寄せている人物、不審感を持っている人物、板挟みで動けずにいる人物、家族それぞれの視点から隣人が描かれ、正体が浮き彫りになっていく手法が採られています。メインの視点人物は雪見ですが、もう少し勲の視点で読みたかったかなと思います。馬鹿息子には辟易しておりましたが、最後の最後に男っぷりを見せてくれて溜飲が下がりました。しかし、赤の他人の男に義母の介護を手伝わせるというのはあり得なすぎます。

No.29 6点 メルカトル 2016/04/21 22:14
まあ、面白かったですよ。普通にサスペンスとして。
でもねえ、いわゆる怪しい隣人としての、武内の不気味さが今一つ伝わってこなかった気がするのも事実。あまりあからさまに異常性を暴き出してしまっては、サスペンス小説として機能しなくなるし、だからと言って単なるいい人の面だけを強調しても締まりがなくなってしまう。そのあたりのバランス感覚は優れていると言ってもいいだろう。
ドラマ化には大変向いていると思う。脚本次第では手に汗握る本格的なサスペンスドラマに仕上げることも可能かと。ユースケ・サンタマリアはどうなんだろう。ややおとなしすぎる感じがしないでもないが・・・やはり観てみないと分からないなあ。

No.28 5点 パメル 2016/02/08 16:29
薄気味悪い人間に付きまとわれるサイコサスペンス
隣人という最も近くにいる他人がある種の警戒感を生み出す存在になり
そういう恐怖に加えて判決の向こうの真実という
疑わしさが引っ張っていく心理ドラマ
常に不気味な空間に支配されている感じ
結末は大体想像した通りで特別驚きもなかった

No.27 6点 りらっくま 2015/03/09 22:22
物語の序盤、庭でドーベルマンを狂気に満ちた表情で角材で殴りつけた時
こいつがやはり一家三人惨殺の真犯人だったと思いました。

No.26 7点 TON2 2012/11/23 00:34
幻冬舎文庫
(ネタバレ)
他人に愛してもらいたい、理解してほしい。そんな感情がつのりすぎて異常な人間ができてしまった。誠心誠意他人につくすが、それが隣人としての度を越え、少しでも受け入れられないと「殺人鬼」と化してしまう。しかし、世間にはいい人としか見えない。彼と長くつきあった者だけが、その狂気に触れる。
高野和明の「13階段」では死刑執行をする刑務官の「俺は人殺しだ」という思いにふれたが、この作品では裁判官も死刑判決を出すと同じような思いにとらわれるということが描かれています。
物語の舞台となる裁判官一家の会話とその家族のものの考え方が自然です。自分もこう考えるなと共感できます。大変力量のある作家だと思います。

No.25 5点 mozart 2012/11/11 08:25
武内の異常性はともかく、じわじわと日常の中で追い詰められる者たちの混乱・焦燥・悲嘆・(自己)嫌悪・恐怖・悪意といった心の「負の連鎖」が何とも言えませんでした。ストーリーに引き込まれて一晩で読了したものの、読後感自体はそれほど良くなかったのも事実です。

No.24 9点 モグ風 2011/12/08 10:47
幽霊や怪物のような怖さでなく、ごくありふれた日常がある出来事をきっかけに崩れ、リアリティ溢れる正体不明の恐怖がじわりじわり忍び寄る様子をを巧みに描いた良作サスペンスですね。




(以下ネタバレ含む)


ストレートでひねりはないが、犯人はあの人で終わるのが無理がないしベストだと思いながら読んだ。
リアリティを追求するなら、やはり作者のように無理にひねりすぎずラストにもっていくほうがいいね。

No.23 7点 koo± 2011/09/08 11:49
じわりと滲むような恐怖が真に迫る。結構なページ数だったが、先が気になって一日でイッキ読みしてしまった。クライマックスから結末に掛けてが如何にもな2時間サスペンスで悔やまれる。これはこれでベタに分かりやすくていいんだけど、私的にはもう一捻りほしかった。

No.22 8点 蟷螂の斧 2011/08/19 08:02
犯人の「優しさ」と「狂気」が十分楽しめた作品。

No.21 5点 3880403 2011/04/05 23:35
読み易いのだが、ラストのラストが二時間ドラマっぽかった(笑)
途中まではすごく面白かった。

No.20 7点 E-BANKER 2009/08/07 22:36
作者の代表作とも言える作品。
背中が「ゾクッ」とするようなサスペンスミステリー。
~元裁判官、梶間勲の隣家にかつて無罪判決をくだした男、武内が引っ越してきた。溢れんばかりの善意で、梶間家の人々の心を掴む武内の裏側に隠された本性とは?~

これは評判どおりの面白さ。
武内という男の「悪意」が、徐々に梶間や梶間の家族を追い詰めていく様子が何ともサスペンスフル。
読者にはいわば「神の目」が与えられているわけで、武内の本性に気付かない梶間家の人々に対して、「何やってんだ!」という理不尽な気持ちになってしまいます。
ラストもなかなかのもの。
証拠や法令に基づいて「判決」を下す職務を忠実に務めてきた梶間が、実は人の一生を決めるという「大事」にあまりにも「淡々」とし過ぎていたことに気付かされる。
そして、追い込まれた末にやっと「熱い気持ち」が湧いてくる・・・何か手に汗握ってしまいました。
読んで損のない1冊でしょう。
(人の本性って分からないもんだねぇ・・・)

No.19 5点 あるびれお 2009/06/23 05:14
「犯人に告ぐ」でも感じたことだが、サスペンスの描き方が上手いし面白い。本著の場合、ある意味、感情移入できる登場人物はほとんどいないのだが、それにもかかわらずそれなりに読ませるのは、筆力なんだろうな。

No.18 5点 frontsan 2008/12/15 09:43
終盤まで面白かったのですが、最後がいまひとつ私には合いませんでした。

No.17 7点 あびびび 2008/11/30 12:03
隣人の恐怖を克明に描いたサスペンスだが、この手のものは映像より、小説の方が怖い。
ただそれだけの題材なのに、ここまで書き切るのは小説家としての資質そのものだと思う。

No.16 9点 ある 2008/10/03 21:51
ジワジワと怖さが伝わってくる作品でした。
「尋恵さんに3万円…」が忘れられません。
上手く映画化してくれたらなぁ…。

No.15 8点 ひこうき雲 2008/08/13 23:59
まさにサスペンス。
不気味な隣人にドキドキしながら読みました。

No.14 6点 白い風 2008/06/04 12:04
ザンネンながらこの手の話はあまり好きではありません。
犯人はもちろん元裁判官、その息子等々に感情移入出来ませんでした。
私には「火の粉」が飛んできたと云うよりか「ぼやをちゃんと消さなかったから延焼しちゃった」と云うイメージでしたね。
理不尽なホラー(サスペンス)と思えば楽しめるのかな。

No.13 5点 ElderMizuho 2008/05/21 16:53
著者が書きたいコンセプトは面白いと思うがラスト事件での主人公(?)の心理描写がほぼないのでわけがわからないまま終わってしまった印象。
脳内補完はしてるが、それでもあの展開には何度シミュレートしてもならないが・・

No.12 9点 jaws 2008/05/21 14:46
これはミステリではなく、サイコ・ホラーです。
優しかった筈の隣人のイメージが変貌してゆく様子が、文庫約600ページに渡って実に丹念に描写されてゆく。そして、クライマックスに遂に狂気が噴出し・・・
もう本を読んでいる間中冷や汗が止まりませんでした。作者のベクトルが常に“読者をハラハラさせること”に向いているから、全く間延びしないのでしょうか。

No.11 1点 あきら 2008/05/21 01:28
むりでした。


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