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[ ハードボイルド ]
顔に降りかかる雨
村野ミロシリーズ
桐野夏生 出版月: 1993年09月 平均: 6.40点 書評数: 15件

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講談社
1993年09月

講談社
1996年07月

No.15 5点 レッドキング 2020/03/22 21:56
本格ミステリのヘソが「密室殺人」ならば、ハードボイルドのそれは「行方不明」てことで、一億円と共に失踪した女を探す女探偵ミロがヒロイン。「女流ハードボイルド」てジャンルになるんだろうが、ミロって名前から連想する、ジェフリー・ディーヴァー作品の元モデル警官やタレントのローラの様な長身美形の女ではなく、バツイチで欲情にも弱い適度にダメな女って設定がよい。金と殺人を巡るフーダニットもきっちり仕込まれてる。

No.14 6点 HORNET 2018/08/25 19:08
 ストーリーテラーとしての才はこのころから十分に感じられる。話、文章としては苦痛なく読み進められるリーダビリティがあり、その点では十分面白い。ただ、ミステリとして評価するとなると、やや厳しい評価になってしまうのも否めないかな。
 でも自分は、一旦決着がついたかに見える終盤のくだりで結構騙されていて、その後の「真犯人」は予想外ではあった。つまり騙された。そのことが推理できる伏線もちゃんとちりばめられていた(気がする)ので、よく練られた作品であったことは素直に感じた。

 それにしても、何をもって「ハードボイルド」というのか?昔からよく理解できていないが、本作が「ハードボイルド」と冠されることでますますわからなくなった。(決して「違うでしょ」という意味ではない。何せ、分かっていないので(笑))

No.13 5点 E-BANKER 2014/07/05 09:46
1993年。第三十九回の江戸川乱歩賞受賞作が本作。
女性をハードボイルドの主役に据えるという斬新なプロットが話題となった作品。

~親友のノンフィクションライター・宇佐川燿子が一億円を持って消えた。大金を預けた成瀬時男は、暴力団上層部につながる暗い過去を持っている。あらぬ疑いを受けた私(村野ミロ)は、成瀬と協力して事件の解明に乗り出す。二転三転する事件の真相は? 女流ハードボイルド作家誕生の乱歩賞受賞作品~

確かに処女長編としてはよくできているし、旨さを感じる。
突然事件に巻き込まれる序盤から、事件解明を進めていく中盤、そして事件のウラやカラクリが判明していく後半・終盤・・・というわけで、ミステリーとして実に真っ当な体裁を整えているといっていい。
次々と登場する“性倒錯者”も本作に華を添えている存在だろう。
(ちょっと気持ち悪いけど・・・)

ただ、やっぱりミステリーとしては平板な印象は拭えなかった。
先程は褒めたプロットも、裏を返せば「紋切り型」で「ありふれた」ものという方も多いだろう。
“主人公を男性から女性に置き換えてみました”・・・では、さすがに途中で飽きてくる。
謎解き要素もあるにはあるけど、最初からミエミエでは仕方ない。

ということで、厳しい評価をしているが、デビュー作としては十分及第点という水準ではないか。
本作以降、「OUT」や「東京島」など、話題作を次々に発表した作者だし、ここは単なる通過点ということだろう。
評点としては・・・こんなもんかな。

No.12 7点 TON2 2012/11/05 20:16
親友のノンフィクションライターが、一億円を持って消えた。大金を預けた男は、暴力団上層部につながる暗い過去を持っている。あらぬ疑いを受けた私(村野ミロ)は男と協力して解明に乗り出す。二転三転する事件の真相は?女流ホードボイルド作家誕生の、1993年江戸川乱歩賞受賞作。

No.11 5点 2011/07/23 12:24
乱歩賞受賞作品ですが、ミステリとしてはラストがあまりにも陳腐で貧弱です。著者はエンタテイメント資質がよほど欠けているのか、そもそもミステリ要素はどうでもよいと思って書いたのか、どちらなのでしょうか。
犯人を予想できたとはいえ、その犯人が明かされるラストに向けてどう話をもっていくのか、わくわくしながら読んでしまっていたのがわれながら情けなくも感じます(笑)。
筆力はあるのですね。本作後の作品を読むのが楽しみです。

追記
登場機会は少なかったが主人公のミロの父「村善」は、バイプレイヤーとして光っていた。次の作品にも出るのだろうか。映像なら、つい先日亡くなった原田芳雄が似合いそう。

No.10 6点 frontsan 2011/06/07 15:09
ハードボイルド好きなので、読んでみました。女性が主人公のハードボイルドは初めて読みましたが、今ひとつ迫力に欠けていたと思います。今後気が向いたら、このシリーズの続きを読んでみます。

No.9 6点 STAR 2010/02/18 15:18
乱歩賞受賞なので、読んでみました。ハードボイルドが好きではないので、他の乱歩賞と比べるとあまり・・・かも。

No.8 6点 Tetchy 2008/12/14 00:26
ミステリを読み慣れた人ならば、この真犯人は容易にわかったのではないか?
私は結構早い段階で解ってしまった。

上手さを感じたのはネクロフィリア及び性倒錯の世界をモチーフにしたアングラパフォーマンスなど、読者の心に揺さぶりを掛ける要素を取り入れた事と失踪人である耀子が行ったベルリンでの取材を物語に盛り込み、膨らみをもたせた事。

ただ1作目ではそれぞれの登場人物がステレオタイプに感じて、さほど魅力を感じなかったなぁ。
特に肝である失踪人宇佐川耀子の存在がもっと魅力的に浮かび上がるかと思ったら、結局訳のわからないコンプレックスの塊のような女性でしかなかったというだけで、陳腐な感じを受けたのが痛かった。

No.7 7点 アデランコ 2007/08/10 20:21
ミロの魅力に尽きます。
かっこいい女性素敵です。

No.6 6点 884 2004/05/09 11:33
 火曜サスペンスくさい筋…でもないか。女の主人公のどろどろしたのは、生理的にちょっと微妙、かも。

No.5 7点 J 2003/11/10 14:07
テンポよくこちらの興味を惹きつけてくれるので、すんなり最後まで読めた。深読みせず楽にかまえていたので真相には多少驚いた。シリーズらしいので続きを読みたいと思った。

No.4 9点 ai 2003/10/17 15:36
この作品を読んで桐野さんにほれました。
死体愛好家、ネオナチなど興味のあることがたくさん書かれてて良かったです。シリーズ読破しました。

No.3 8点 Alice 2003/08/07 19:10
 真犯人に気付いてしまったってそれは主眼じゃないだろうに。
 とにかく描写力に感嘆させられました。構成もなかなかだったと思うけど、あと2点は人物描写の甘さ。もっと主人公の心情を書き込んで欲しかった。

No.2 5点 ろん 2003/07/24 11:02
まぁ楽しめたって感じですかね。
それ以上でも以下でもないって感じがしますが、時間を無駄にしたとかは思いません。

No.1 8点 能田 鈴 2003/07/20 13:22
勝気なミロちゃんの魅力がたまらないです。これは立派なハードボイルドですな。ビュンビュンと流れるようなストーリーが桐野夏生の良い所。途中で真犯人の目星がついてしまうのが残念!


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