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[ ホラー ]
撮ってはいけない家
矢樹純 出版月: 2024年11月 平均: 7.50点 書評数: 2件

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講談社
2024年11月

No.2 7点 メルカトル 2025/05/07 22:16
「その旧家の男子は皆、十二歳で命を落とす――」映像制作会社でディレクターとして働く杉田佑季は、プロデューサーの小隈好生から、モキュメンタリーホラーのプロットを託される。「家にまつわる呪い」のロケのため山梨の旧家で撮影を進める中、同僚で怪談好きのAD・阿南は、今回のフィクションの企画と現実の出来事とのおかしな共通点に気付いていく。そして現場でも子どもの失踪事件が起こり……。日本推理作家協会賞短編部門受賞『夫の骨』著者の最新作!
Amazon内容紹介より。

正にノンストップホラーの見本の様な作品。最初から最後まで非常に良く練られ、サプライズもあったりして細部まで神経が行き届いた好篇に仕上がっています。序盤から謎の連続で、これら全てをどう回収するのか不安になる位、何もかもが謎めいています。徐々に不可思議な現象が解き解されていく様は、読んでいて爽快感すら覚えました。ホラーとしてはほとんど怖さはないので、そこはちょっと物足りないかなとは思いましたが、それは贅沢というものでしょうね。

流石にミステリ作家だけあって伏線の回収は見事の一言。一つひとつの怪異や事件が混然一体となって読む者を圧倒します。物語は変遷しながらも予期せぬ方向へ向かって進み、意外な真相の絵図を描きます。一瞬の予断も許さないホラーの秀作です。

No.1 8点 虫暮部 2025/02/19 12:31
 作者の筆力が十全に発揮されたホラー・ミステリ。新機軸に挑んだ為に想定外のポテンシャルが活性化したのか?
 伏線はそれなりに拾った心算だったが、それを超えて張り巡らされた蜘蛛の糸に翻弄された。オカルティックなのに合理的な語り口が怖さを増幅する。解決編で怒涛の情報量に溺れかけたので、そのへんもう少し余裕を持って整理されていたら、とは思う。


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矢樹純
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