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[ 本格/新本格 ]
炎舞館の殺人
ツユリシズカシリーズ
月原渉 出版月: 2021年07月 平均: 6.00点 書評数: 7件

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新潮社
2021年07月

No.7 6点 虫暮部 2023/11/30 12:52
 おいおい、悪魔憑きの犯行か。
 それはともかく、ちょっと効率的に書き過ぎではないか。ところどころで “必要な手続きをこなしているだけ” に感じられて残念。せっかく雰囲気のある舞台を作ったのだから、もっと味わいを重視しても良いのでは。いや、そうすると本格度が下がっちゃうのかな~?

No.6 7点 ミステリ初心者 2023/10/12 21:43
ネタバレをしております。

 ツユリシズカシリーズですが、本格色が強いにもかかわらず非常に読みやすいです。この作品もほぼ一瞬で読み終えられました。クローズドサークルであり、本筋とは関係ない無駄な話がないのも当シリーズの特徴で、それも読みやすいと感じる要素ですが、それだけでは説明がつかないほど読みやすいですw きっと、この作者は読みやすい文章を書くのが上手なのでしょうね!
 本作もクローズドサークルですが、館自体がとっても変わっております。陶芸家の館だけあり、なんだか館全体が窯のような感じでオシャレ(?)です。
 登場人物も一癖あり、手や足を失っている人、目が見えなかったり声が出せなかったりします。それがうまくトリックにかかわってきます。
 ラストシーンは少し悲しいですが、どことなく美しく、少ないページ数でもきちっと決まった良いラストでした。心に残りますねw

 推理小説部分について。
 長編にしてはやや弱いトリックでしたw 顔無し死体→入れかわりは何度も繰り返されてきたトリックですねw ただ、自分はわかりませんでしたw 自分のあまりのあほさに絶望しました。 いくつか伏線もあり、フェアだと思います。

 以下、好みで無い部分。
 あまり無駄な部分がない作品ですが、それゆえか、犯人や協力者の動機がやや弱く感じました。
 偽シズカ登場のためか、これまでのシリーズよりもシズカ活躍シーンが少ないです。少しだけシズカの過去が明らかになりましたが、論理的な推理を展開するシズカのシーンは少なめです。

 総じて、非常に読みやすく美しい作品でした。一方で、長編にしてはやや弱いトリックが不満です。結構甘い得点ですが、ラストが気に入ったため7としましたw

No.5 7点 メルカトル 2022/08/03 22:26
欠落を抱える者たちが陶芸で身を立てる山奥の函型の館。師匠が行方不明となり、弟子たちの間で後継者をめぐる確執が生じる。諍いが決定的になったとき、窯のなかでばらばら死体が発見された。奇怪なことに、なぜか胴体だけが持ち去られていた。炎の完全犯罪は何を必要とし、何を消したのか。過去の猟奇事件と残酷な宿命が絡み、美しく哀しい「罪と罰」が残される――。
ラストの1行に慟哭が響く。「このように生きるしかなかった者たち」への著者の深い共感が、全編をつらぬく本格ミステリー。
Amazon内容紹介より。

陰惨な事件が続くこの作品、『首無館の殺人』でも書きましたが、もう少しそれらしい雰囲気が欲しかった気がします。シリーズ第一作にあった明治の時代背景なども全くありませんし。しかし、身体に欠損のある弟子たちの特性を生かした連続殺人事件のからくりは見事の一言に尽きると思います。密室とかはオマケなので、それをどうこう言うのは筋違いではないかと、個人的に感じます。

好みは分かれるでしょうが、こうした異形の特色の強いミステリが私の嗜好にはピッタリ合うせいか、つい高得点を付けてしまいがちです。身体の欠損が決して単なるこけおどしでないことは、読んでいただければ分かると思います。もっと大作に仕上げる事も出来たはずですが、それを敢えてコンパクトに纏めたのはシリーズ他作品を意識しての事でしょうかね。これだけの内容であれば海外の作家なら軽く400頁超えを書いたことでしょう。

No.4 6点 人並由真 2022/06/27 06:36
(ネタバレなし)
 遅ればせながら、読み残していたシリーズ最新刊を賞味。

 紙幅がそんなにないこともあって2時間ちょっとで読めるが、ケレン味の凝縮感だけ言えば、シリーズ最高ではなかろうか。
 特に(中略)VS(中略)のあたりはある意味ボーゼンとした。

 たしかにどこかで見たようなトリックは、新旧の作品を連想させるが、ちゃんと主要人物の大半が身体欠損者という設定とも密接に絡んでいるし、良好なアレンジは為されていると思う。
 
 ただし犯罪計画の展望に関しては、nukkamさんのご指摘の通り。万が一名探偵の介入がなかったとして、この場をやりおおせたとしても、その先が見えないよね、これは。
 その辺はちょっと見過ごせないのでこの評点で。
 とはいえトータルでは結構、愛せる作品です。
 
 シズカシリーズとしても、ある意味で、必読の一編でもあるし。

No.3 6点 まさむね 2021/10/14 21:29
 ツユリ・シズカシリーズ第5弾。
 肝となるトリックの本質的な部分は、多くの方が既視感を抱くものと思われますが、一定の工夫は施されています。変に水増しせず、締まった分量での本格モノは、個人的には嬉しいかな。色々とあり得ないお話だし、突っ込みどころもあるのだけれども。

No.2 5点 makomako 2021/09/16 19:41
 私は本格推理小説が好きです。そしてこのシリーズは本格推理小説であることは間違いないのですが、推理ゲームのためにここまで人間をバラバラにしたりして楽しむといったお話にはちょっとついていけませんでした。
 何でもよいから刺激があって殺しをゲームを楽しむというお話はちょっとね。
 本格物でもあまりにもひどい人間が登場するのは好みではないのです。ことに主人公たちがそんな風だとちょっと引いてしまいます。
 それでも本格物が好きなのでなんだかんだと言ってこのシリーズを出るたびに読んでいたのですが、今回でやめようかな。

No.1 5点 nukkam 2021/07/31 22:06
(ネタバレなしです) 2021年発表のツユリ・シズカシリーズ第5作です。過去のシリーズ作品(できれば複数作品)を読んでいる読者は本書の変化球的なプロット展開に戸惑うのではないでしょうか(ここでは詳しく書きませんが)。新潮文庫版で300ページに満たない分量に濃厚な謎解き要素を詰め込んだ本格派推理小説であるところは大丈夫ですのでそこは安心下さい。トリックは某国内作家が1980年代に発表した有名作を連想しました。色々工夫を加えて単なるパクリ作品にならないようにしてはしていますけど。ただあの動機での犯行だというなら、もしも完全犯罪に成功したらその後犯人はどうするつもりだったのでしょう?せっかくのトリックが目的達成の足を引っ張りかねないように感じます。多少の突っ込みどころは目をつぶれますけどそこが1番釈然としませんでした。バラバラ死体や丸焼け死体とかなり凄惨な事件が続くんですが、中でも第3の事件の衝撃は半端ないです。


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