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[ 本格 ]
グリーン家殺人事件
S・S・ヴァン・ダイン 出版月: 1950年01月 平均: 6.88点 書評数: 34件

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1950年01月

東京創元社
1956年01月

新潮社
1959年01月


1959年06月

東京創元社
1959年06月

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1962年01月

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1963年01月

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2012年12月

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2022年02月

東京創元社
2024年01月

No.14 7点 isurrender 2010/11/01 20:25
「今となっては」という言葉が当てはまってしまうことが残念でならない
現代のミステリ読者の大半はかなり序盤で犯人・トリック全体がわかってしまうだろう

犯人が過去の実際の事件のトリックを模倣したという話であったが、現実にはこの小説のトリックが後世、多くの推理小説で模倣されているというのが皮肉なところ

ただ、動機の面が長々としすぎている感があったので、その点がマイナス評価ですね

No.13 9点 阿多緑 2010/07/23 14:15
初めて読んだ海外物。
すごくスリルが有ってよかった、今でも犯人の名前を覚えている。

No.12 8点 kanamori 2010/07/18 18:17
「東西ミステリーベスト100」海外編の22位に入った本書は、館ミステリの代表格として、戦後の日本ミステリ界に与えた影響は甚大でしょう。
「そして(犯人以外)誰もいなくなった」と揶揄されるように、フーダニットとしては大きな欠点もありますが、次々と殺人事件が発生し家人が少なくなるにつれ、屋敷を蔽う陰惨な雰囲気とスリルが増殖していく所は、いまでも読み応え充分だと思います。

No.11 7点 2010/03/26 15:32
ストーリーの流れは読者に対して実に丁寧です。100ほどの手掛かり項目の列挙も丁寧さを示すものですが、これは作者の自信の表れかもしれません。このような作者の自信は、場合によっては自己満足的にも見られがちとなり、エンターテイメント性に欠ける要因にもなって、現代ではやや受け入れがたくなっているようにも思います。でも私は、なぜかこの作品に、同じジャンルの「Y」や「犬神家」よりも今風の現実感を感じます(だから好きだというわけではありませんが)。そういう面で、今でも誰もが違和感なく楽しめる作品だと思うのですが。。。
とにかく、本書の後世のミステリに与えた影響はすごく大きいですね。その辺りを含め私は高く評価しています。
私にとってヴァン・ダインといえば、その作品群よりも「二十則」がまず頭に浮かびます。ノックスの十戒は冗談半分で作ったとも聞きますが、二十則のほうはどうみても真剣そのもので、著者の生真面目さを窺い知ることができます。おそらく著者の作品群は、真面目すぎるほど真剣に取り組んだ結果生まれたものなのでしょうね。

No.10 5点 文生 2010/01/24 12:38
良く言えば王道、悪く言えばありきたりな推理小説で現代の目から見れば突出した所は何ひとつないのですが、洋館の中での連続殺人というひとつの定型を作り出したという点では『そして誰もいなくなった』と双璧をなす金字塔的作品です。

No.9 7点 frontsan 2009/11/28 10:21
犯人はわかってしまうのですが、半世紀以上前にこれを書いたという点で、その功績にプラス1点。

No.8 7点 E-BANKER 2009/10/20 22:53
ミステリー史上の名作の1つとして、この評価です。
「一家(一族)連続殺人事件」というスタイルを確立し、日本の作家に影響を与えた功績は大でしょう。
いわゆる「意外な真犯人」という範疇に入るのだと思いますが(当時)、まぁ今読むと”普通の作品”の域は出ないかもしれません。
ただ、「古き良き探偵小説」を十二分に感じさせてくれる一作
であるのは間違いないでしょう。

No.7 7点 okutetsu 2009/07/01 23:38
Yの悲劇とよく比較されますが流石に出来は後発の向こうには敵いません。
まぁしかし洋館物としては傑作だと思います。
日本人好みの設定なのも良し。
これと次の僧正だけでも読んでおいて損はないです。

No.6 9点 測量ボ-イ 2009/05/29 20:04
(ネタばれ有!)
これも「意外な犯人」ものに分類されるであろう名作で、
いわくありげな屋敷と住人の中で連続殺人が起こる、古き
良き探偵小説の臭いがする作品です。

要するにこの作品のメイン・トリックは、「犯人が被害者
の一人を装って、嫌疑を免れる」というものです。
このトリックを考案したのは僕の知る限りではこの作品が
最初で、この点は氏の大手柄でしょう。後年、いろんな作
品で(見せ方は違えど)このトリックの亜流が存在する事
からも、その影響力は大きいと思います。

この作品、僕は推理小説を読み始めて間もないときに読ん
だので、見事に騙されてしまいました。真犯人を知ったと
きの衝撃はあの「アクロイド」以上だったと思います。

No.5 7点 2009/02/09 22:24
最初の事件のトリックを先に知っていたので、当然事件が起こった時点で、犯人もわかってしまった上で読み進むことになったのですが…
これは最近の凝ったミステリを読んでいなくても、犯人の見当がつくでしょう。ヴァン・ダインは、1人の人が書けるすぐれたミステリは6冊ぐらいのものだと言っていて、一般的な評価も後期の6作は低いですけれども、むしろ最初期の作品の方が真相を簡単に見破れるようなところがあります。しかし、難解さの度合い=評価点と決まったものでもないところが、ミステリの小説たるゆえんでしょう。本作も、すぐに犯人が指摘されてしまっては、全体を覆う暗い雰囲気やサスペンスが楽しめなくなってしまいます。

No.4 10点 nukkam 2009/01/19 14:31
(ネタバレなしです) 1928年発表のファイロ・ヴァンスシリーズ第3作で(子供用のリライト版は別ですが)私が初めて読んだ推理小説なので、10点評価には思い入れの分も織り込まれています。現代の本格派推理小説には本書よりも優れた内容の作品はいくらでもあるでしょう。とはいえサスペンス濃厚な雰囲気は今なお十分に魅力的だし、100近い項目に分類しての手掛かり分析はまさしく謎解きの王道路線を貫いています。

No.3 5点 ロビン 2008/09/21 23:13
確かに類似点は多いですが、10点物の『Yの悲劇』には遠く及ばない。これが読後の正直な感想です。
解決編までの展開は随所にサスペンス性、館物独特の閉鎖性からくる恐怖感があり楽しめました。しかし、解決編に入った途端に失速。
犯人による証言が事実でなく嘘だったということになると、どうも拍子抜け。特にそれが暗示的なものであれば、そこからロジックを組み立てるのではないかと期待してしまう。
拳銃消失のトリックも、あれならば警察が見つけられないはずがないし、機械的なアリバイトリックもどうも……。
(すいません、クイーンびいきなのでつい辛口になってしまいました)

No.2 6点 こう 2008/05/12 00:12
僧正殺人事件よりは現在でも通用する作品だと思います。これも以前のは読みにくかった覚えがあり新訳となっていればよいのですが。クイーンの某作品と非常に似た所がありますがこちらの方が出版は先です。 ヴァンダインが確立したスタイルが後世のミステリに与えた影響が大きいということで世評ではもっと評価が高いと思いますが作品自体は楽しめたというくらいかと思います。作風の古さはどうしようもありません。

No.1 8点 あい 2008/03/03 15:26
面白かった。ただ、容疑者が減りすぎて簡単に犯人が分かってしまう。


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S・S・ヴァン・ダイン
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