皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格/新本格 ] 複合誘拐 |
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| 大谷羊太郎 | 出版月: 1980年03月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 2件 |
![]() 光文社 1980年03月 |
![]() 光文社 1986年06月 |
![]() 光文社 1986年06月 |
| No.2 | 7点 | 斎藤警部 | 2026/08/31 01:10 |
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| “人質発見の現場では、事件の流れを大きく変えるような事態が起きていた。”
誘拐されたのは社長令嬢。 誘拐現場はTV局。 噴き上がったのは、騙し合いと思惑違いのバトルロイヤル。 あの手この手で違和感こんもり。 こりぁ複雑じゃわい。 事件は俊敏に、思いも寄らぬ様相を次々と見せ始め、いつの間にか、疑惑圏外だったはずの人物が、次々とミステリ再検討の俎上へと連行される。 これはたまらない。 ‘真犯人’、 まさかあいつじゃ ・・・ と匂わせるあの人物はダミーなのか。 仮にそうだとした場合、本命容疑者(仮真犯人)の立ち位置が、想像を絶する事態になりやしないか。。 「怨恨と秘密保持の二つが殺人動機ですよ」 血湧き骨跳ね肉躍る犯罪ストーリーだが、最後の、謎をたっぷり残した詰めの一幕こそミトコンドリアが振動を隠さなかった。 ‘80年の刊行にして、ヴァーチャルリアリティ的トリックの登場には驚いた。 幻の◯◯◯って・・ > 第十二章 容疑者一巡 > 第十三章 真犯人 ↑ この目次の訴求力がもう、読み進めるほど増し増しになって行くわけだ。 手を替え品を替えるが如く、いつまでもいつまでも搾り出し切れない、肝腎の謎と、付いて回る匂わせ、そしてカタストロフへの予感。 事件真相の、皮が剥がれても剥がれても、むしろ見せつけるように居座る大きな謎の本丸。 それは、小説としてのラスボス的本丸なのか、それとも小説内の事件そのものとしての ・・・ そんな焦れた思惑に聖剣をぶっ刺すミステリロジックの煌めきと来たらもう、ちょっと無かったぜ。 オチも、斬新ではないが、鮮やかだ。 タイトル、嘘はついていないわけだ。(それどころか・・) 「とにかく、そうするのが自分の幸福につながるから、何も聞かずに言うとおり動いてくれ」 本作の弱点と思うのが、nukkamさん仰る > 前半ほとんど登場しない人物が突然容疑者として浮上 このあたりに象徴される、「えっ」 と思うような、意外な肩透かし感が終盤に至りところどころ現れる所ですかね。 一方で、前述したように、終盤に迫る、解決を待つ謎群の圧迫感は本当に凄いものがあるのですが、最後の最後にちょっとだけ崩したバランスのおかげで、空気がシューと抜けました。 でもやっぱり熱い、面白い、凝りに凝った、複雑系誘拐モノ意欲作である事は否めません。 果敢に仕掛けて来る攻めの姿勢には故・東野圭吾氏に大いに通ずるスピリットを感じました。 |
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| No.1 | 5点 | nukkam | 2016/06/17 12:02 |
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| (ネタバレなしです) 1980年発表の誘拐サスペンスと本格派推理小説のジャンルミックス型ミステリーです。誘拐トリック、人質輸送トリック、身代金受け取りトリックとトリックメーカーの作者らしさを発揮していますがトリックだけでなく誘拐事件自体がタイトルの通り複雑な展開を見せ、追う立場の人間をまた別の人物が追ったりと二転三転どころでないひねりが読者を翻弄します。後半になると殺人事件が発生し、こちらの謎解きもどんでん返しの連続が圧巻ですが惜しくらむは少々やり過ぎ気味に感じられます。前半ほとんど登場しない人物が突然容疑者として浮上したり、ある容疑者にアリバイがありますと指摘されて「共犯者を使ったと考えればいい」と短絡的な発言が飛び出すなど、何でもありの謎解きでは読者がなるほどと得心しにくいと思います。 | |||