海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 本格/新本格 ]
殺人予告状
大谷羊太郎 出版月: 1985年07月 平均: 6.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点するジャンル投票


徳間書店
1985年07月

アドレナライズ
2016年09月

No.1 6点 nukkam 2016/01/31 23:51
(ネタバレなしです) 大谷は初期には芸能界を題材にした本格派推理小説をいくつか書いたそうですが、1972年発表の本書もその一つです。巡業殺人シリーズ第1作と紹介されていますが、確かに東北巡業が描かれていますけど旅情はほとんど感じられません。このあたりは後年にトラベルミステリーブームを巻き起こした西村京太郎とは比べ物にはなりません。しかし芸能界描写という点では大谷らしい個性が発揮されており、特に第2章での戦後の音楽バンド活動についての語りは現代とは全く違う時代背景を感じさせて新鮮でした。謎解きプロットはやや変わっており、2つの出入口のある部屋での準密室殺人を扱っています。1つの出入口は施錠されて衆人監視状態なので普通に考えればもう1つの出入口が使われているはずなのですが、普段はそちらが施錠されているので犯人が侵入路として目を付けるとは考えにくいというのが準密室を成立させています。一応は両構えでの捜査となりますがバランスはかなり偏っていて、この辺はもう少し改善すれば謎解きがもっと複雑になって読者に色々と考えさせるのでしょうけど、徳間文庫版で300ページに満たない短い作品なのでそこまで望むのは贅沢でしょうか?


キーワードから探す
大谷羊太郎
1999年07月
加賀金沢殺意の刻
平均:5.00 / 書評数:1
1994年09月
二重アリバイ三重奏
平均:7.00 / 書評数:1
1994年03月
幽霊殺人事件
平均:5.00 / 書評数:1
1992年12月
奥州平泉殺人事件
平均:6.00 / 書評数:1
1990年05月
濡衣を着る男
平均:5.00 / 書評数:1
1989年03月
生れ変わった男
平均:6.00 / 書評数:1
1987年10月
悪人は三度死ぬ
平均:5.00 / 書評数:1
1986年02月
深夜の訪問者
平均:6.00 / 書評数:1
1985年07月
殺人予告状
平均:6.00 / 書評数:1
1985年01月
真夜中の殺意
1984年08月
盗まれた完全犯罪
平均:5.00 / 書評数:1
1981年09月
虚妄の残影
平均:6.00 / 書評数:2
1980年03月
複合誘拐
平均:5.00 / 書評数:1
1979年03月
青春の仮免許(プレ・ライセンス)
平均:6.00 / 書評数:1
1978年12月
虹色の陥穽
平均:5.00 / 書評数:1
1977年09月
モーニングショー殺人事件
平均:5.50 / 書評数:2
1977年07月
死を奏でるギター
平均:5.00 / 書評数:1
1973年01月
死の部屋でギターが鳴った
平均:5.50 / 書評数:2
1970年01月
殺意の演奏
平均:5.60 / 書評数:5