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ミステリの祭典

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okuyamaさんの登録情報
平均点:5.60点 書評数:55件

プロフィール| 書評

No.35 4点 私が彼を殺した
東野圭吾
(2002/09/22 13:23登録)
「解答を書かずに読者に犯人を当てさせる」作品としては、ほぼ完璧な出来だと思います。容疑者達の視点で書かれているのも効果的でした。
しかし、個人的には、犯人が捕まったり逃げおおせたり、といったオチを楽しみにミステリを読んでいるので、読後感がイマイチでした。犯人は分かるのですが、指紋に問題があると思います。普通にオチがつく作品ならば、そこまで考えずに納得してしまうのですが・・・。


No.34 5点 8の殺人
我孫子武丸
(2002/09/20 14:55登録)
「犯人が予期せぬ偶然」があってもいいが、3つ重なるのは多すぎると思った(ドアと雷と犬)。
作品の「軽さ」は良かった。重く書いたら、もっと高評価だったかもしれないが・・・。
個人的に好きなのは、?主人公が”か弱く謎めいた美少女”を救うために奮闘したが、結局「えー?」というヤツにかっさらわれる、というお約束通りの結末と、?薄毛を気にする主人公が、フサフサの男を犯人じゃないかと疑ったり、薄目の人を持ち上げたりするところ。


No.33 2点 ガーデン
近藤史恵
(2002/09/19 10:31登録)
驚きは、「探偵が、実は探偵ではなかった」という点のみでした。このシリーズを読むのは初めてなので、点が辛いかもしれません。
1990年前後の純文の女性作家作品のような雰囲気が出ています。主人公をもっと徹底的に「女神」として描いた方が良かったと思います。


No.32 5点 夏の夜会
西澤保彦
(2002/09/17 13:57登録)
結婚式で再会した小学校の同級生が、当時の殺人事件について各々の記憶をもとに推理していく、という展開が面白かったです。趣向としては『麦酒の家の冒険』に近いかな。スラスラ読めます。
同窓会(じゃないけど)の雰囲気、小学校の思い出など、ノスタルジックで良かったです。


No.31 7点
麻耶雄嵩
(2002/09/16 00:36登録)
巧妙なトリックが隠されていたことに唖然としました。読者に「当然・・・」と思わせておいて、「あれ?」と思わせる書き方が秀逸です。数ある叙述トリック作品の中でも、気づきにくさは抜群ではないでしょうか。
ただ、作品世界にイマイチ入り込めませんでした。たまに出てくるメルカトルは良かったです。


No.30 7点 黒い仏
殊能将之
(2002/09/16 00:27登録)
そう来るか!
1アイデアの作品ですが、新しいし、面白いし、オッケーです。「名探偵」への嫌味がたっぷり。楽しんで書いていることがひしひしと伝わってきます。
肝心の犯罪部分がもう少し斬新なら、もっと良かったのですが・・・。
ちなみに私は野球に詳しくないので、中村さんに感情移入しながら読みました。


No.29 6点 メルカトルと美袋のための殺人
麻耶雄嵩
(2002/09/01 14:56登録)
中編が書けるくらいのトリックが盛り込まれていて面白かった。各作品の傾向が違うのも良い。
それにしてもメルカトルって・・・。


No.28 7点 まほろ市の殺人 秋
麻耶雄嵩
(2002/08/28 22:03登録)
わずか128ページの中に犯人、便乗犯、怪盗、刑事、素人探偵が登場し、殺人は13回、謎解きとエピローグも印象的だった。犯人の謎かけも悲哀が漂っていて良かった。
コストパフォーマンスの良い作品。


No.27 6点 奪取
真保裕一
(2002/08/25 15:15登録)
友情を何より大切にする主人公が、ひたむきに努力して、どんどんレベルアップしていく。最後はコン・ゲーム、そして、どんでん返し。面白い。一気に読める。ディテールも細かい。
凄く良くできているんだけれど、衝撃がなく、読後に何も残らなかった。


No.26 6点
麻耶雄嵩
(2002/08/25 15:12登録)
展開は早くて飽きないし、トリック・犯人についても良くできている。しかし、全てをきれいに解き明かさず、勧善懲悪にもならないので、フラストレーションの方が印象に残ってしまう。
シリーズ全体の謎が少しだけ解明されたことと、レギュラーメンバーが活躍(?)したのが面白かった。シリーズの面白さで+1点。


No.25 5点 木製の王子
麻耶雄嵩
(2002/08/23 19:25登録)
謎の一族に生首と、道具立てはばっちり。ゾクゾクしながら読みました。
しかし犯人が「何やってもいい」立場なのは、いかがなものか。その辺の説得力が今ひとつ・・・。


No.24 6点 鏡の中は日曜日
殊能将之
(2002/08/19 14:43登録)
大仕掛けが施されているのに、作品が短くまとまっているところ、3部構成になっているところ、トリックの明かし方が良い。
良くできているしサラっと読めたけれども、思わずのめり込んでしまうような迫力はなかった。


No.23 3点 あいにくの雨で
麻耶雄嵩
(2002/08/19 14:33登録)
文章は読みやすくなった。でも、物足りない。
もっと人物像を徹底しても良かったと思う。大勢死ぬのに衝撃が少ない。
麻耶作品だからこその「3点」。


No.22 10点 哲学者の密室
笠井潔
(2002/08/18 02:22登録)
独自の思考方法で真実を指摘する探偵、圧倒的な分量、史実を織り込んだ舞台設定など、既に近年の本格ミステリの要素が盛り込まれている。密室のトリック、犯人の動機、その解き明かし方も充分納得いくものだった。
特殊な歴史と思想(立場)を持つ登場人物同士の命をかけた戦いがあり、それぞれに運命的な結末が訪れ、類を見ない壮大な物語となっている。そして完璧な計画が、ほんの小さな偶然によって達成されなかったことこそが、この作品を名作たらしめていると思う。ラストのナディアも良い。

長いので消化しにくいし、文章も読みにくいけれど、再読するときは細かい仕掛けに驚きつつ「そうかそうか」と読み進められるし、哲学の翻訳書よりは読みやすい、と思う。


No.21 6点 ハサミ男
殊能将之
(2002/08/17 16:52登録)
叙述トリックについては、事前に何となく知ってしまっていたけれど、それでも面白かった。
警察の動きと主人公の動きが良く整理されていて読みやすかったし、こういう話をサラッと書けるなんてセンスがあると思う。
もう少し、主人公の好感度を上げると良かったかな。個人的には「食べるのが好き」というところに共感できる。


No.20 8点 オイディプス症候群
笠井潔
(2002/07/29 16:15登録)
状況は「そして誰もいなくなった」で動機は「オリエント急行」らしい、そしてシリーズものということもあって、重い話ながら先へ先へとズンズン読めました。「お約束」が好きな方にお勧めです。
動機も犯人もトリックも十分納得です。ミステリの骨格がしっかり作られている上で、さらにギリシャ神話やフーコーとの思想対決、AIDSといったトピックも魅力的ですね(長いけど)。10年前の雑誌掲載当時に読んでいたら、もっと衝撃が大きかったと思います。


No.19 4点 鳥人計画
東野圭吾
(2002/07/04 17:02登録)
「誰が?」「どうやって?」「何故?」と順に謎が明らかにされていく構成で読みやすい。ジャンプ界のことも良く描かれていると思う。
しかし流れが良すぎて、あまり共感も反発も覚えなかった。もう少し登場人物の心情を書き込んであれば、面白く読めたのではないかと思う。
真犯人には自首して欲しかった・・・。


No.18 4点 46番目の密室
有栖川有栖
(2002/07/04 16:48登録)
淡々と話が進んでいき、あまり山場がなかった。展開が早くて読みやすいと言えば読みやすい。
トリックは密室ものにしては想像しやすい(見破りやすいのではなく、方法が頭に描ける)ので良いと思う。ただし、実際に可能かどうかは「?」。
出版当時に読んでいたら犯人の動機に衝撃を受けて、もっと高得点だったかもしれない。


No.17 5点 黒猫の三角
森博嗣
(2002/06/27 14:08登録)
先にシリーズ第2作目を読んでしまったので、見事に引っかかってしまいました。シリーズものは順番に読まないとだめですね・・・。
密室のトリックは「えー?」ですが、それなりに面白かったです。


No.16 7点 バイバイ、エンジェル
笠井潔
(2002/06/24 12:19登録)
死体の首を切った理由、犯人と探偵の対決、フランスを舞台にした凝った設定などが楽しめました。
「悪魔を憐れむ歌」「緋文字」「大地の歌」「現象学」そして探偵の暗い人格が作品に陰鬱な雰囲気を醸し出しています。
突出した大傑作ではないけれど、バランスの良い作品だと思います。

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