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ミステリの祭典

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八二一さんの登録情報
平均点:5.77点 書評数:445件

プロフィール| 書評

No.285 7点 オックスフォード連続殺人
ギジェルモ・マルティネス
(2023/01/16 20:25登録)
事件そのものは、こじんまりとしているが、トリッキーな真相が語られるほどに世界の異様さが際立ってくる。
幻想的で長広舌の魅力もあり、独特な切れ味も楽しめる。


No.284 6点 アルファベット・ハウス
ユッシ・エーズラ・オールスン
(2023/01/16 20:23登録)
英国軍の兵士がナチの将校に成りすますことなど不可能に思われるが、作者の手つきは用意周到で、サスペンスを強く醸し出す。
戦争と友情と愛憎を主題にし、冷徹な現実認識に裏打ちされた興奮と感動の物語となっている。


No.283 4点 黒い賛美歌
デヴィッド・ウィルツ
(2023/01/16 20:19登録)
ベッカーシリーズ第四作。受刑者たちの奇妙な日常生活、権力にすり寄るFBI高官、選挙民に対する下院議員の欺瞞、インチキ宗教団体の実態、洞窟探検など、様々なテーマを盛り込んでサービスしてくれるが、主人公が犯人を追い込んでいくプロセスに説得力を欠く。


No.282 6点 疑り屋のトマス
ロバート・リーヴズ
(2022/12/29 20:40登録)
酒好き、競馬好き、女好きの大学教授トマス・セロン。競馬会の腐敗をめぐる本筋よりも、むしろトマス氏自身の人生模様の方に、興味を掻き立てられた。皮肉なかる軽口ばかり叩きながら事件に巻き込まれてあたふたする姿につい笑ってしまう。


No.281 9点 赤い収穫
ダシール・ハメット
(2022/12/29 20:36登録)
総勢十七名もの人が殺されるこの作品は、極力心理描写を排し、ひたすら行動だけを描こうとする。そのハードボイルドぶりと、世界を不条理と見る観点が徹底している。まさにスリラーの極北。


No.280 6点 脅迫された管制システム
リー・グルーエンフェルド
(2022/12/29 20:32登録)
濃密な管制システムをめぐる攻防の描写といい、ヴェトナム空戦史を交えた航空情報の微細にわたる叙述から個性的な人物造形に至るまで、極めて丹念に練り上げらられた作品に仕上がっている。


No.279 6点 幸運を招く男
レジナルド・ヒル
(2022/12/09 20:24登録)
事件を幸運で解決するユニークな探偵の設定、人種問題をさりげなく扱う現代性、そして計算し尽くしたプロットの展開、どれをとっても名人芸。


No.278 4点 メアリー、メアリー
エド・マクベイン
(2022/12/09 20:22登録)
法廷ミステリのジャンルに属し、弁護士側と検事側の論争テクニックが本書の中心になっている。題材はいささか新鮮さに欠け、結末も早い段階で予想がつくが、ストーリー展開は軽快で楽しく読み進められる。


No.277 6点 われらのゲーム
ジョン・ル・カレ
(2022/12/09 20:18登録)
スマイリーを彷彿とさせる退役スパイが、彼がリクルートし手塩にかけて育て上げたジョー、すなわちエージェントの危機を察知して、その痕跡を追うというもの。ラリーという存在が、クランマーの分身のようで、極めて内省的な印象を与える。
一語の無駄もない尋問シーン、濃密なプロットと、どれをとってもル・カレ・ワールド健在。


No.276 7点 ハイペリオン
ダン・シモンズ
(2022/11/19 20:27登録)
質、量ともに圧倒的な小説。司祭、軍人、詩人、学者、僧侶、私立探偵、外交官からなる巡礼団が、道中それぞれの物語を語るという、カンタベリー風物語の設定が魅力的。
語り手の個性に合わせ、秘境もの、冒険活劇調、ハードボイルド調、喜劇風などスタイルを使い分け、物語に変化を与えている。


No.275 5点 哄う北斎
望月諒子
(2022/11/19 20:19登録)
美術商、新進実業家、美術史学者、社会学者からCIAに至るまで、腹に一物も二物もある連中が欲にまみれた頭脳戦を繰り広げる。登場人物が多い上に各自の目論見が入り乱れるかなり複雑な物語だが、老境にたった一年だけ天下を取った絵師として北斎を解釈するくだりがユニーク。


No.274 6点 湖は餓えて煙る
ブライアン・グルーリー
(2022/11/19 20:13登録)
題材はアイスホッケー。忌々しい犯罪を描いているが、瑞々しさを堪えた青春小説であるとともに、挫折を味わった主人公の再生の物語でもある。
重層的な物語の読み応えと、間奏曲のように挟まれる主人公の少年時代の回想が感動的。


No.273 6点 千尋の闇
ロバート・ゴダード
(2022/11/07 20:46登録)
回顧録をたどって過去の事件や謎を追求するというのは、珍しくもない設定であるし、特にミステリ的要素が強いわけではないのだが、登場人物の造形の確かさや語り口がうまいので、一気に上下二冊読めてしまう。


No.272 4点 ストーン・ダンサー
マレー・スミス
(2022/11/07 20:44登録)
各国の諜報機関に加えて、マフィアまで巻き込むスケールの雄大な話ではあるのだが、冗長な描写がサスペンスに歯止めをかけてしまっているのが残念。


No.271 7点 偽りの契り
スティーヴン・グリーンリーフ
(2022/11/07 20:41登録)
人工授精という現代的な問題をテーマに、その裏にうごめく、金銭欲や体面に目にくらんだ人々の生きざまを巧みに描き分けられている。


No.270 5点 賛美せよ、と成功は言った
石持浅海
(2022/10/25 20:10登録)
優佳たちが集まった祝賀会で撲殺事件が起きた。事件は皆の目の前で発生し、撲殺犯も明確に特定されている。
つまりは、ミステリとしてフーダニット興味もハウダニット興味もない状況なのだが、そこから緊迫した推理劇を紡ぎだす手腕は大したもの。


No.269 4点 オーパーツ 死を招く至宝
蒼井碧
(2022/10/25 20:07登録)
トンチが効いた作品集で、当時は制御不能だったはずの古代の工芸品がモチーフ。第一話での密室の十三髑髏の処理は最高。しかしそれ以外は...


No.268 5点 金木犀と彼女の時間
彩坂美月
(2022/10/25 20:03登録)
同じ時間を繰り返して生きてしまう女子高生の物語。特定の一時間が五回繰り返されるという彼女の特殊状況を巧みに操り、男子生徒の死を防ごうとするヒロインの奮闘を、その世代の生々しい毒の部分も含めて、瑞々しくかつ意外性に富んだサスペンスに仕上げている。


No.267 8点 葬式組曲
天祢涼
(2022/10/09 20:48登録)
葬式が廃れた未来の日本を舞台に、鋭い論理のアクロバットが炸裂。
最終話の推理合戦は圧巻。


No.266 6点 ビースト
ピーター・ベンチリー
(2022/10/09 20:47登録)
凶暴な深海の巨大生物と人間の接近遭遇を、怪物側の視点も交えて描くことで、侵略SFホラー風の味わいを出している。
UMAしょうせつとしても、よく書き込まれている部類だろう。

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