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ミステリの祭典

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オックスフォード連続殺人
セルダム教授

作家 ギジェルモ・マルティネス
出版日2006年01月
平均点6.00点
書評数4人

No.4 5点 nukkam
(2023/10/05 08:38登録)
(ネタバレなしです) アルゼンチンのギジェルモ・マルティネス(1962年生まれ)が2003年に発表した本格派推理小説で、舞台を英国のオックスフォードにしているのは作者自身の留学経験を活かしたのでしょう。冒頭で主人公のセルダム教授の死去が紹介され、名無しの語り手が1993年夏の事件を回想するという展開です(語り手は事件当時22歳のアルゼンチン人留学生)。殺人予告するかのようなメモが出現しては次々に人が死ぬというプロットですが、あまりにも淡々と進行するのでサスペンスは皆無に等しいです。数学者であるセルダム教授の語りも私の頭脳レベルでは捉えどころがありません(数字や数式が登場しないのはありがたいですが)。真相を知るとセルダム教授の説明の歯切れが悪い理由がちゃんとありましたし(ピーターセン警部が「あなたの考えが正しいことを確かめるために、次の殺人が起こるまで待っているわけにいかないのです」と批判していますがそういう理由ではなかったです)、25章の最後の1行でなぜあの人物があんなことをしたのかがわかるようになっていますが唐突過ぎてインパクトはイマイチ、読者に考えさせる意図があるのかもしれませんけど個人的にはもう少し丁寧に明快に推理説明してもよいのではと思いました。

No.3 7点 八二一
(2023/01/16 20:25登録)
事件そのものは、こじんまりとしているが、トリッキーな真相が語られるほどに世界の異様さが際立ってくる。
幻想的で長広舌の魅力もあり、独特な切れ味も楽しめる。

No.2 5点 ボナンザ
(2019/10/25 23:23登録)
蘊蓄が浮いている感じは否めないが、全体的には及第点だと思う。

No.1 7点
(2010/12/23 11:09登録)
アルゼンチン発というだけでなく、不思議な作品と紹介されているようですが、個人的にはペダンチックなパズラーとして普通に楽しめました。
これは解説でも似たアイディアの作品があることが書かれているとおりで、基本的なところは気づくのですが、最後の殺人に至ってなるほどこういう決着の付け方で締めくくったか、と感心させられました。確かに明瞭な伏線があったので、何かありそうだとは思っていたのですが。第1の殺人の経緯もなかなか工夫されてはいるのですが、これは何となくすっきりできないところがありました。
数学の薀蓄がたっぷり披露されていて、フェルマーの定理とかゲーゼルの不完全性定理とか、どっちも基本的な概要は知っていましたから苦になりませんでしたが、人によっては拒否反応を示すかもしれません。
話の語り手の名前は最後まで出てきませんが、途中に"ll"があることは明かされるので、作者自身(Guillermo)と考えていいのかなという気がします。

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