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ミステリの祭典

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谷山さんの登録情報
平均点:5.83点 書評数:46件

プロフィール| 書評

No.26 3点 11文字の殺人
東野圭吾
(2014/09/13 07:44登録)
なんだかすごくまとまりがない話に思えました。殺人事件は何件か起きるのですが、警察がほとんど出てこないせいか、最後のを除いてほとんど印象に残りません。
あと、主人公の女性は何故命を狙われてまで探偵ごっこ(そうとしか思えなかった)をしているのか、連続殺人犯は何故こんな動機で何人も殺してるのか、その辺がはっきりしないので感情移入もできなかった。


No.25 5点 死者の学園祭
赤川次郎
(2014/09/09 09:27登録)
前の学校で級友の飛び降り自殺の場面を目撃してしまったヒロインが、転校先の学校でも連続殺人事件に遭遇し、名探偵気取りで事件の解決に乗り出すという話です。中盤までは安っぽい展開に退屈でしたが、終盤の学園祭でそれなりに驚きの真相が明かされ、ある意味世界が変わってしまうのは(赤川次郎作品にしては)見事だと思いました。

最後に事件の真の黒幕は殺人のことは知らなかったということでハッピーエンドっぽくなってましたが、最初の飛び降り事件のことを考えるとそんな訳ないと思うのですが。


No.24 8点 灰の迷宮
島田荘司
(2014/09/07 21:15登録)
冒頭の事件の謎に引き込まれ、魅力的な人物も登場し、充分楽しめました。個人的には茂野恵美もそうですが、佐々木氏の奥さんの強さにかなり惹かれるものがありました。

何人か死人が出ますが、明確に殺人事件と呼べるのが一件しかなく、しかもそれは作中でメインの事件ではないこともあって、「犯人当て」要素があまりないこと、重要人物2人が既に亡くなっているので人間ドラマがイマイチ盛り上がらないことなどが多分このサイトで点数が低い理由の一部かも。


No.23 4点 そして誰かいなくなった
夏樹静子
(2014/09/07 01:54登録)
「そして誰もいなくなった」のパロディだとミスリードさせておいて、実はクリスティの有名作をミックスさせたようなトリックだったってところでしょうか。
まあどっちにしろ分かりやすかったですがw

物語としても正直微妙でした。


No.22 5点 証明
松本清張
(2014/09/06 22:13登録)
短編集ですが、4作どれも「浮気」がテーマになってます。まあこれに限らず松本清張作品は浮気が付き物みたいになってますが、それにしても毎回これだと動機や犯人がすぐ分かってしまいます。

「証明」 
倒叙ものですが、作者としては事件が起こるまでの過程が重要で、事件そのものはある意味どうでも良かったのかも知れません。こんな適当な殺人が完全犯罪になってしまってる点からもそんな気がします。

「新開地の事件」 
上ですぐ動機や犯人が分かってしまうと書きましたが、これはかなり意外な真相でした。この作品が読めただけでもこの本を読んで良かったです。

「密宗律仙教」 
これは酷い。何が悲しくてブスや婆さんばっかり出てくるエロ小説を延々と読まされなければならないのか。ひたすら長い割にオチもしょぼくてうんざり。

「留守宅の事件」 
かなり普通なアリバイ崩し物。まあ前の作品で少々気持ち悪くなってたので口直しとして良かったです。


No.21 5点 猫は知っていた
仁木悦子
(2014/09/05 09:56登録)
ちょっと気になったのが、主人公兄妹は娘にピアノを教えることを条件に病院に下宿させてもらう約束だったのに、早々に事件が起きたせいかピアノを教える描写が全く無く、ただ飯喰らいの立場なのに土足で病院内の人間関係をひたすら踏み荒らしてるように見えてしまうところでした。とにかくあまり好きになれるタイプの探偵役ではなかったです。

ミステリとしてはいかにも古典的本格と言った感じで中々面白かったですが、ただ院長の家族や看護婦達に比べて、患者側の描写が少ない割に人数が多いので、少し混乱しました。


No.20 7点 女王蜂
横溝正史
(2014/09/01 22:09登録)
神尾先生や九十九龍馬など濃い登場人物が多く登場し、19年前の密室殺人という魅力的な事件もあるのですが、何故か地味な作品となってしまってます。
ちなみに本の帯には「金田一VS絶世の美女。これほどわくわくする設定があるだろうか。-鈴木光司」とあります。確かにその設定ならもっと盛り上がったのでしょうが、ヒロインである絶世の美女の大道寺智子にそこまでの魅力がないのが問題のような気がします。
まあでも地味なだけで話としては面白いですし、エピローグの美しさは横溝作品でもトップクラスです。横溝作品に興味があるけど怖いのやグロいのは苦手という人に勧めるといい作品かな。


No.19 3点 点と線
松本清張
(2014/09/01 18:45登録)
そもそも何で被害者2人が情死したと思い込んでる三原刑事が怪しい人物のアリバイ崩しに必死になってるのか分かりにくかったです。最初から情死に見せかけて殺したと推理していたならともかく。
トリックも時刻表の部分はともかく、他は何を今更ってとこが多く、最後の手紙の部分はかなり醒めた気分で読んでました。
正直アリバイ崩し以外何もない作品という印象ですね。


No.18 8点 しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術
泡坂妻夫
(2014/08/31 01:54登録)
内容としてはまあ普通かなと思いますが、これほどの仕掛けを軽く見る訳にはいきません。
ページ数が少ない割りにまとまっていてしかも読みやすいので人に勧め易いのもポイント


No.17 5点 月光ゲーム
有栖川有栖
(2014/08/31 01:44登録)
登場人物が多い割に皆似たような感じで個性がないので、早々に犯人当ては諦めて物語を楽しむ方にシフトしてしまいました。
まあ物語自体は面白かったですが、ミステリ部分は微妙。動機も納得いかないし。


No.16 7点 向日葵の咲かない夏
道尾秀介
(2014/08/31 01:03登録)
面白かったです。前半の主人公とミカとS君の少年探偵団的な冒険も楽しかったですし。それがあることをきっかけに主人公が壊れ出し、結局それが元に戻るどころかエスカレートしたまま物語が終わるので読後感があまり良くないですが、まあそれも味でしょう。
ところでS君が本名じゃなくてイニシャルなのは何でなのでしょうかね。主人公が作者の苗字と同じミチオだからS君は作者の名前から取られてるとかそういうことなのでしょうか。


No.15 6点 高山殺人行1/2の女
島田荘司
(2014/08/29 05:28登録)
確かに真相は分かりやすかったですが、サスペンスものとしては充分楽しめました。
ただ結構強引な部分も多く、特に個人的にこの作品内で一番の謎だった「20分間ずっと信号が赤」の謎が解けてないところが不満でした。ちゃんと時計を見て20分って言ってるから「20分にも感じるくらい長く感じた」て訳じゃないしなあ。


No.14 9点 犬神家の一族
横溝正史
(2014/08/24 22:12登録)
次々と見立て殺人される三兄弟というプロットは確かに「獄門島」に通じるものがあります。あと戦争先での入れ替わりという点では「車井戸はなぜ軋る」にも通じるものがあります。つまり、二番煎じになってもおかしくないのですが、逆に以前のアイデアを練り直してある意味過去の作品の集大成となったのがこの作品なのではないかと思うのです。
ただ、田舎の因習がおどろおどろしい岡山ものや東京もののエログロなどに比べるとちょっと地味なのが玉に瑕かも。あと有名なスケキヨの湖から足だけ飛び出てる死体は実写オリジナル。どうやればあんなことができるのか子供の頃ずっと悩んでましたw


No.13 8点 大誘拐
天藤真
(2014/08/24 21:28登録)
ミステリとしては確かに微妙かも知れませんが、エンターテイメントとしては抜群です。おばあちゃんや誘拐犯などのキャラ立ちが素晴らしく、この人達の行動を見てるだけでわくわくが止まりませんでした。
誰も不幸にならない結末も良かったです。


No.12 3点 蒙古襲来殺人旅情
斎藤栄
(2014/08/24 20:37登録)
この作者の作品を読むのは初めてです。

小早川警視正シリーズとは言ってますが、実際の主人公は小早川の嫁とその妹でどっちも素人の上に大してやる気がないので、殺人事件が起きても読者に捜査内容は伝わりません。ある人物が「私は九州にいたから殺人は無理です。」と言うシーンがありますが、そもそもこの人物が本当に事件当時九州にいたのか、ちゃんとアリバイがあるのかすら読者には分かりません。
タイトルになってる蒙古襲来についてですが、最初の元寇である文永の役の時には神風が吹かなかった派と吹いた派が対立してるという程度で、別に元寇が殺人事件に絡んできたりはしませんw 正直タイトルにするほどのものかという気がします。
人間ドラマの方もぱっとしません。全体の4分の3くらいはあんまり物語に絡まない人物が2人殺された以外は特に何も進展しないので退屈極まりないです。文章も稚拙だし、会話シーンも茶番か漫才のようにしか見えないし。

ということで、とんだ駄作だなと思ったのですが、最後の真相にはびっくりしました。犯人候補がほとんどいない話だなと思ってましたが、まさかこの人が犯人だったとは。ただちょっとアンフェアな感じはしますし、密室殺人のトリックもがっかりものなので、やっぱり駄作なのかな。でももう一作くらいはこの作者の本を読んでみてもいいかなとは思いました。


No.11 5点 悪霊島
横溝正史
(2014/08/23 03:58登録)
ただでさえミステリとして小粒なのに、上下巻でかなりの分量があるために余計淡白な印象になってます。ラストの展開もミステリというよりもホラーっぽくてあまり好きにはなれません。
もしかすると、当時大ブームになっていた横溝映画のホラー的な部分のセルフパロティとして描かれたものであって、特に本格ミステリは意識されて無かったのかも知れません。
まあ物語としてはさすが横溝正史って感じで面白いです。


No.10 6点 トキオ
東野圭吾
(2014/08/23 03:40登録)
東野圭吾初体験がこの本でした。ストーリー的にはかなりよく出来てると思うし、オチも感動的なんだけど、どうにも主人公に感情移入できず、本自体も分厚いこともあって中盤ちょっと読むのが苦痛になったのを覚えてます。


No.9 4点 殺人ダイヤルを捜せ
島田荘司
(2014/08/20 00:04登録)
電話のトリックに時代を感じます。当時知らなかった電話トリビアも読めますが今これを知って何か役立つことがあるのかどうかw

犯人はすぐ分かるし、ヒロインに全く共感できなかったこともあって正直読んでて楽しくありませんでした。


No.8 6点 確率2/2の死
島田荘司
(2014/08/19 23:54登録)
吉敷シリーズは初読です。
野球賭博はなんとなく読めましたが、それに冒頭の誘拐未遂がどう関わるのか最後まで読めませんでした。嫁さん以外には見えない白い車の謎も気になりましたし。誘拐の謎の方はともかく、白い車の方はなるほどという感じでした。

それにしても、自分らの訪問の結果、事故死と流産あわせて3人も死んだというのにこの吉敷刑事とその相棒ちょっとドライすぎませんかね。まあそんなこと言ってたら刑事なんてできないのかも知れませんが。


No.7 4点 探偵ガリレオ
東野圭吾
(2014/08/18 20:35登録)
文系の自分としてはトリックのほとんどがちんぷんかんぷんだったわけですが、謎解きの場面で「ああ、そうだったのか」と思えない作品は読んでて面白くないですね。
文章自体は読みやすいのでページをめくるのが苦痛というほどではなかったですが…
まあドラマで見るべき作品なのでしょう。

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