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ミステリの祭典

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証明

作家 松本清張
出版日1976年04月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 5点 まさむね
(2020/05/17 21:23登録)
 各短編の共通項を見出そうとすれば「男と女」ってことになりますでしょうか。「男と女」とか書きますと、連城短編を思い浮かべる方もいるとは思うのですが、ソコは筆致から全く異なる清張短編。嗚呼、松本清張を読んでるんだなぁ…としみじみ感じることができます。
 ちなみに、「密宗律仙教」はある意味で凄いです。どうなんだ、どうにかできなかったものか。

No.2 6点 斎藤警部
(2015/11/24 14:24登録)
本格系3篇に異質の歴史エロ1篇。

谷山さん書かれたと同じく私も「密宗律仙教」のグダグダには音を上げました。本作があるせいでこんな薄い本を読破するのに二週間くらい掛かった(その間に別な本何冊か読んじゃった)。重厚且つ機敏な筆致が魅力の清張歴史諸作にはまず無い愚図な退屈ばかり目立つ困った怪作です。ミステリ要素は事実上皆無。本全体のバランスも大きく崩してますね。清張作品でここまでボロクソに思ったのは今んとこ他に無いんじゃないかな。
でもね、あとの3篇はどれも悪くない清張本格ですよ。

証明/新開地の事件/密宗律仙教/留守宅の事件
(文春文庫)

No.1 5点 谷山
(2014/09/06 22:13登録)
短編集ですが、4作どれも「浮気」がテーマになってます。まあこれに限らず松本清張作品は浮気が付き物みたいになってますが、それにしても毎回これだと動機や犯人がすぐ分かってしまいます。

「証明」 
倒叙ものですが、作者としては事件が起こるまでの過程が重要で、事件そのものはある意味どうでも良かったのかも知れません。こんな適当な殺人が完全犯罪になってしまってる点からもそんな気がします。

「新開地の事件」 
上ですぐ動機や犯人が分かってしまうと書きましたが、これはかなり意外な真相でした。この作品が読めただけでもこの本を読んで良かったです。

「密宗律仙教」 
これは酷い。何が悲しくてブスや婆さんばっかり出てくるエロ小説を延々と読まされなければならないのか。ひたすら長い割にオチもしょぼくてうんざり。

「留守宅の事件」 
かなり普通なアリバイ崩し物。まあ前の作品で少々気持ち悪くなってたので口直しとして良かったです。

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